現在のJR各社の営業係数と路線別運輸収入を見つめると何かがわかるのではないか、と比較してみた。
まずはJR最大の会社JR東海と最も赤字に苦しむJR北海道を取り上げる。
JR各社の最新路線別運輸収入比較
東洋経済に鉄道ジャーナリスト梅原淳氏がJR各社の営業係数(2014年)を発表されている。
※「営業係数」100円の収入を得るためにかかった経費
各社のその数値を地図上におとし、別途路線別運輸収入をグラフにしてみた。
JR東海の路線別運輸収入・営業係数
まずはJR東海から。地図は少しデフォルメしてあるがJR東海の路線図が以下になる。
路線にある数字は営業係数(2014年)になる。
色別の数字
東海道新幹線は60.8
営業係数100以下
営業係数100-150
営業係数150-500
最も悪い数字は名松線の414.7で、営業係数500以上の路線は見当たらない。
(修正 東海道新幹線を加えました)
そして路線別の運輸収入が以下
路線別運輸収入を見るとやはり圧倒的に東海道新幹線の比率が多い。
何を置いても東海道新幹線で成り立っている会社であり、東海道新幹線の収入1兆2918億円、無くして諸施策も考えられない。
JR東海の普通列車に乗った経験からいうと在来線では相当保守管理コストダウンをはかっているのではないか。
*
他方で、1982年における国鉄の運輸収入(http://report.jbaudit.go.jp/org/s57/1982-s57-0240-0.htm)は2兆5513億円 (新幹線9206億円、在来線1兆6307億円)である。
その後の以下の運賃改定を反映させると、この金額は現在の3兆2580億円に相当する。
現在JR東海が所有する東海道新幹線の運輸収入は往時の国鉄全運輸輸入の4割に及ぶ。
運賃改定年と% | ||||||
1982 | 1984 | 1985 | 1986 | 1989 | 1998 | 2015 |
6.1 | 8.2 | 4.4 | 4.8 | 2.9 | 1.9 | 2.857 |
100 | 108.2 | 113.0 | 118.4 | 121.8 | 124.1 | 127.7 |
JR北海道の路線別運輸収入・営業係数
路線にある数字は営業係数(2014年)
北海道新幹線は84.6
営業係数100以下
営業係数100-150
営業係数150-500
営業係数500以上
路線別運輸収入は以下
地図路線区分から千歳線を函館線に計上しているので函館線のシェアが大きい
悲しいかな鉄道会社なのに千歳空港に頼っている現実が垣間見られる。
やがて2030年北海道新幹線が整備新幹線として札幌まで伸びる。
JR北海道は札幌延伸を起死回生の策としているが・・
採算がとれなければこの建設費も税金で賄われることとなる。
REMEMBER3.11