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線路は続く50 国鉄の目指したもの2:空白面積を測る

線路は続く 目次

 

全国の空白地

前回で計測した結果をエクセルで加工し画面に表示すると上位20位は以下となった。

地図で見ると下図

 

20地域

 

上位20位を表にすると以下になる。

 

空白エリア20位
順位 ID地方名 面積平方km
1 899:日光付近 11437.76
2 757:白山付近 10964.11
3 830:紀伊半島 10038.17
4 250:九州中央 9986.75
5 1940:北海道中央 9167.10
6 2024:北海道南部 8865.96
7 755:北アルプス 8418.78
8 1946:阿寒付近 7434.39
9 763:南アルプス 7184.98
10 679:四国西部 6975.20
11 775:中国山地 6457.39
12 848:伊那地方 5356.13
13 868:山形地方 5270.84
14 866:群馬地方 5194.41
15 705:四国東部 4577.97
16 880:三陸北部 4471.51
17

1935:天塩付近

4458.94
18 877:陸奥地方 4438.13
19 1951:オホーツク沿岸 4202.80
20 870:福島東部 4160.92

 

個別に詳細を調べていく。

899:日光付近

まずトップ899日光付近

面積は11437.76平方キロ

しかしこの中に盲腸線として日光線・旧会津線・旧足尾線がある。

合計延長キロは141.6km この分は差引する必要がある。

 

 

またここは下図のように現在は私鉄東武・野岩・会津鉄道が南北を貫き二つに分かれている。

 

 

それぞれ面積は8066.7平方キロと3145.2平方キロとなる。

 

757:白山付近

二番目は757白山付近

面積は10964.11平方キロ

ここには城端線・越美北線南線・樽見線があり延長キロ189kmとなる。

かつての計画通り越美北線と南線が結ばれていれば面積はほぼ半減する。

 

830:紀伊半島

三つ目は最初に注目した830紀伊半島部分。

面積は10038.17平方キロ

 

ここには私鉄線路が存在する。

現在運行している私鉄路線とかつて走行していた私鉄路線を掲載すると以下になる。

国鉄私鉄共に路線は端の部分にある。

 

この中心部を計測すると

8844.36平方キロになる

 

250:九州中央

四番目は250九州中央付近

面積は9986.75平方キロ

旧国鉄現在南阿蘇鉄道高森線17.7kmと旧高千穂線50.0km(廃止)それにくま川鉄道湯前線24.8kmの線路がある。

左上から細く伸びているのは旧熊延鉄道、1964年に廃止された。

 

 

北海道

北海道はそれこそ鉄道によって開拓されたといっても過言ではない。

よって最盛期鉄道も普及していた。広い空白地は思ったより少ない。

 

五番目は1940北海道中央付近 面積9167.10平方キロ

線路は士幌線78.4kmがある。参照 タウシュベツ川橋梁

 

六番目 2024北海道南部 面積8865.96平方キロ

線路は旧富内線82.6km

 

八番目 1946阿寒付近 面積7434.39平方キロ

線路は旧相生線33.6kmと旧白糠線36.9km

 

十七番目 1935天塩付近 面積4458.94平方キロ

この地域内部には国鉄時代線路はなかった

 

十九番目 1951オホーツク沿岸付近 面積4202.80平方キロ

線路は旧渚滑線34.3km

 

20位までの北海道エリアはこの5地域

 

北海道をまとめて表示すると以下

全国一の空白地

計算上最も広い空白地898日光付近は私鉄東武・野岩・会津鉄道によって分割され、二番目の757白山付近では越美北線・南線によってほぼ分断寸前まで迫っている。

なので結局この国鉄時代のもっとも広い空白地は、

830紀伊半島10038.17平方キロ、

私鉄を考慮して8844.36平方キロということになる。

当初考えていたエリアだった。

 

国鉄は全国に鉄道網を張り巡らすという目的で線路を建設した。しかし紀伊半島には大きな空白地が残った。

 

この地は現在新幹線を利用してもかなり時間がかかるエリアとなっている。

 

東京から名古屋経由新宮まで5時間19分、東京から新大阪経由田辺まで4時間59分

 

一方新幹線で東京から熊本までが5時間44分、東京から函館が4時間32分となっている。

 

現在の最大空白地

以上は1980年代までの空白地域を調べたことになるが、現在はどうか?

 

北海道では、国鉄がJRとなったあと1989年6月知北線が分離第三セクター「北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線」なり、そして2006年4月廃線となった。

また2024年に根室本線の一部(富良野駅-新得駅間)が廃線となりこれらにより北海道に大きな空白地ができた。

その面積は25804.52平方キロとなる。

 

線路は続く 目次

 

祝鉄道開業150周年+2024年発表のJR各社の決算比較
2023年度(2024年発表)JR各社決算 単位百万円
社名 路線km 運輸収入 営業利益 利益率
JR北海道 2254.9 78670 -60604 -77.0%
JR東日本 7401.2 1848115 197979 10.7%
JR東海 1970.8 1400247 558604 39.9%
JR西日本 4903.1 915801 102689 11.2%
JR四国 853.7 25406 -13988 -55.1%
JR九州 2342.6 160497 10556 6.6%
JR貨物 7805.5 136153 -16657 -12.2%
 
7社計 19726.3 4564889 778579 17.1%