国鉄の路線
旧国鉄の路線最長時は以下の図
国鉄は全国土を繋ぐことを目指した。
いまその路線図を見ると日本全国に鉄道が走る様子がうかがえる。
一方世界の路線図は下図(Openstreetmapより 2023年)
色別は黄色広軌1676mm、赤色広軌1435mm以上、黒色標準軌1435mm、青色狭軌1067mm等となっている。
世界の鉄道網でみると日本の路線密度は濃い。
1872(明治5)年の開業以来国鉄はひたすら走った。
その最長キロ数は1981年10月1日新夕張駅-有徳駅間開通で記録した21421.1km(注1)
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紀伊半島
その図(上部)を見ていて路線の空白地が気になった。
特に五新線の経緯を調べてからは紀伊半島の空白が目立った。
参照 五新線
旧国鉄系を記載したが私鉄(近鉄・南海)をいれても面積は広い。
しかし静岡南アルプス付近の路線にも大きく空白がある。
全国の空白地をQGISで計測しよう!。
QGISによる計測
今回も国土数値情報の鉄道データN05-23_RailroadSectionを使用
本来なら面積を出す上ではCRSによる誤差を考えなければならない。
しかし今回は日本全土を一括計算するのでCRSは日本全体をカバーするJGD2011(EPSG6668)とした。
多分誤差は数パーセントだと思う。注1
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まずQGISに日本全図データと上記鉄道データ(旧国鉄系のみ)をインストール
この鉄道データはレールがつながっている路線ごとに分かれている。
つまりつながらない路線どうしの間には隙間がある。これがやっかい。
下図のように東京駅で東海道線と中央線はつながっていない。
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これを解消する(隣の線路と重なる)ため少し線を太らせる。
QGISにはバッファという機能があり、線に指定した幅を持たせることができる。
バッファで「0.002」(単位度)を指定
下記再度訂正
(計測した結果上記「0.002」「0.005」ではいずれもバグがでた。一部つながらない路線が発生したので「0.007」に変更した)
(このCRSでは度数単位でしか指定できない)
そしてできたラインデータが下図
一見変わらないが拡大すると違いがわかる。
そしてこの線を「融合」そして「マルチパートをシングルパートに変換」しておく。
これで全路線がつながった。
名前を「バッファ融合N05_23Railroad0.007」とした。
路線で切断
いよいよ切断する。
QGISプロセシングツールボックスに「ベクターオーバーレイ」「線で分割」があるのでこれを使う。
これで日本全土を分割する。
「入力レイヤ」に切断されるレイヤ(ここでは「日本全土」)
「切断線のレイヤ」に(路線レイヤ=バッファ融合N05_23Railroad0.007)を指定
そして実行
(これは大変時間がかかるCPU Corei5-8500、メモリ16GBで4、5時間かかった)
でた結果が下図
このレイヤの属性テーブルを開き「フィールド計算機」「新規フィールドを作成」で面積を求めるフィールド「area」を作成、
式には「ジオメトリ」の中の「$area」を指定、そして「OK」
またこれをEXCELで処理するため、ブロック毎に連続数字を付加。
同じく「フィールド計算機」「新規フィールドを作成」で「ID」を作成
式には「$id」をしてすると連続数字が作成される。
これで検証できる状態になった。
任意のエリアを選択すると以下のように路線で囲まれた部分の色が変わり表示された。
ひと安心。
次回計測結果に続く