紙つぶて 細く永く

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国際・政治

個人と概念、文明 2

司馬遼太郎-概念!この激烈な-在日朝鮮人である私の友人と時々散歩する。この友人は光復(注 1945年)のとき、8、9歳だった。話題が彼の母国の国語のことになった。「キタ(平壌)は日本語を一掃しましたよ。日本製の漢語をいっさいつかっていない」と…

個人と概念、文明 1

日朝両民族は、漢字という「文明」を共有した。漢字はいうまでもなく中国の発明である。-便利だから、他民族も利用する。というのが文明である以上、東アジアで漢字ほど重宝がられた文明はなかった。漢民族は本来のものとしては存在せずいわば醸成された。周…

橋下君の隠した主張

「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命をかけてはしっていくときに、精神的にも高ぶっている猛者集団を休息させてあげようと思ったら、慰安婦制度は必要ということは誰だってわかる」*橋下君のいいたいことは隠れているんだ。この文章にわずかに現れている、…

政治世界の言葉

町の饒舌な弁護士が、少し観衆に行列ができるといって、教養のない知識をスピーカーズコーナーで捲くし立てるのとは異なる。行列の観衆から馬鹿にされるだけならまだいい。権力者がその無教養を晒したのだろう。無教養の人間が大阪市長の権力を握っていると…

彼の言動

彼が制定した(大阪市)「職員の政治的行為の制限に関する条例案」抜粋第2条(条例で定める政治的行為)(1)職名、職権又はその他の公私の影響力を利用すること(2)賦課金、寄附金、会費又はその他の金品を国家公務員又は本市の公務員に与え支払うこと(…

ひと・領土

構成総学生数(カッコ内は留学生数) •正規生:22,559 (1,228) 人 ・学士課程:13,318 (145) 人 ・修士課程:4,761 (390) 人 ・博士(後期)課程:3,707 (649) 人 ・専門職学位課程:773 (44) 人•非正規生:778 (335) 人 留学生の地域別受入状況 1…

政治についての資質

野田首相はいわずと知れた、松下政経塾の出身である。政治家を志す人を育てるのが目的の塾であるが、ここでは論理的な思考ならびに論理的な語りは教えないらしい。かつては前原誠司代表の時に起きた「偽メール事件」(以下URLhttp://critic2.exblog.jp/28…

コミュニケーション力

本日の新聞付録の特集はコミュニケーション力だった。*誠実に答える、心情を吐露することは相手に対しての重要なコミュニケーション力の一つだと思っていた。誠実(そう)に見える、首相の国会答弁を聞いていて悪くは思えない。ねじれ国会により、野党に対…

エネルギー感覚

エネルギーについて 昨年来東京を訪れる機会が数度ある。東日本震災から2ヶ月後に訪れた。そのときに町の様子が以前とは全く異なっていた。各商店のネオン看板は消灯され、駅の照明も暗かった。特に驚いたのは、スーパーの看板照明が消され店内照明も暗かっ…

箴言-支配と服従2-

支配関係には、その社会における物質的精神的価値を支配者が占有し、被支配者のそれへの参与を能う限り排除するという要素が必然に随伴する。その排除を有効に遂行するためにこそ支配者は物理的強制手段(軍備・警察)を組織化するのである。被支配者との間…

箴言4

むかし景気のよかったものは復古を主張し、いま景気のよいものは、現状維持を主張し、まだ景気のよくないものは、革新を主張する。 魯迅-「魯迅評論集」-

箴言3-支配と服従

生徒は教師に服従するといってもそれほどおかしくないが、逆に教師は生徒を支配するという言い方はきわめて不自然にひびくであろう。生徒が教師の精神的価値(知識・人格等)の優越性を認めるところに、はじめて教育機能は成立する。のみならず通常そこには…

箴言2

漱石の「それから」のなかで,代助と嫂が対話をする。「一体今日は何を叱られたのです」「何を叱られたんだか、あんまり要領を得ない。然し、お父さんの国家社会の為に尽くすには驚いた。何でも十八の年から今日までのべつに尽くしてるんだってね」「それだか…

箴言

最近読んだ本の「箴言」 ファシズムはファシズムなりに「新」体制、奴隷的抑圧からの人民の「解放」等の言葉を高唱する。ファシズムはしばしばその敵の姿に似せて己を扮装するのである。 四国四十四番札所・岩屋寺

<近代の克服> 「転向論にかえて」終章

京都学派においての論軸は「哲学的人間学」であった。人間存在の社会性の次元、民族や国家の次元をそれなりに勘案しようという姿勢から、一面ではマルクス主義の社会科学的な知見を"取込み"つつも、他面では拙速にマルクス主義の"不備"欠落を"批判"する所以…

<近代の克服> 「転向論にかえて」第8章

本題に復帰します。*少し京都学派の歴史・国家哲学の前提的了解を見る。 田辺元「歴史的現実」から。「善い国家は善い個人を通してのみある」「その実例は遠い所に求めなくても我々の生まれたこの日本を考えてみると」「天皇の御位置は単に民族の支配者、種…

<近代の克服> 「転向論にかえて」第7章

京都学派 京都学派による「世界史の哲学」や「近代の超克」は西田哲学の内在的指向性を展開してみせた正当な一帰結であった。*西田幾多郎は昭和11年「善の研究」新版に寄せて以下の一文を草している。「此書「善の研究」に於て直接経験の世界とか純粋経験…

<近代の克服> 「転向論にかえて」第6章

昭和初期の常識では戦争というものは謂わば自然法則的な必然であって特定の一国が世界支配を達成するまでは、永久に繰返されるものと思い込まれていた。恒久平和を確立し、全世界の安寧と秩序を確保するためには日本が戦争に勝ち抜き、最終戦に勝ち残ること…

<近代の克服> 「転向論にかえて」第5章

前回は戦時下における「近代の超克」論を位置づけた。今回はその中で「近衛新体制」を担ぎ上げた諸潮流の中で三木清にスポットをあてる。京都学派の「近代の超克」論には三木清の哲学上の営為のインパクトひいては影響が認められる。*当時における「勤労者…

<近代の克服> 「転向論にかえて」第4章

「京都学派」の実態についての先学の批判論旨*戦時中でも資本主義に対して批判的言辞を吐くことは、それ自体としては決してタブーだったわけではないし「近代超克」論の資本主義批判のごときは、到底、資本主義に対する真の批判とは呼べない。戦時中にタブ…

<近代の克服> 「転向論にかえて」第3章

今回も高山氏の論をさらに進める。*(大東亜戦争は)欧米に対する後進国として出発した日本が欧米の列強に対抗する実力を養うためには「わが国の経済は支那に対して発展し、ここに特殊権益をもつより外なかった」しかも「この特殊権益の維持が日本の生存に…

<近代の克服> 「転向論にかえて」第2章

まず京都学派の論を取り上げる。京都学派の代表的論客高坂正顕氏は近代文明の疎外状況を鋭く指摘しその内在的自己否定を説いた。(ちなみに高名な国際政治学者で元京都大学法学部教授の故高坂正堯氏はその子息である。余談であるが民主党政調会長前原誠司は…

<近代の超克> 「転向論にかえて」第1章

廣松渉著「<近代の超克>論」 雑誌「文学界」1942年10月号に「文化総合会議シンポジウム-近代の超克」という座談会が、掲載された。これとは別に1942年から43年にかけて、高坂正顕・高山岩男・西谷啓治・鈴木成高の4名が、雑誌『中央公論』で…

時の話題 国家公務員宿舎

以下のHPを参照した。http://getnews.jp/archives/143915http://www.tokyopressclub.com/2011/10/blog-post_11.html論理的問題として、まず国家公務員に宿舎(税金を投入して建物をつくりコストよりも安い家賃回収で国家公務員に住まわせる)が必要か否かが…

自民党の罪2

1993年6月に政治改革を約束しながら果たせなかった宮澤内閣に対して、自民党が分裂した結果内閣不信任案が可決され総選挙が行われた。日本新党、羽田・小沢グループの新生党、武村正義・田中秀正など自民党ハト派グループが結成した新党さきがけが躍進…

自民党の罪1

1960年代から80年代、長期安定政権の時代は経済発展の時代でもあった。対外関係については冷戦構造の中でアメリカと同盟関係を結ぶことの見返りに、アメリカ市場に工業製品を売り込んで経済成長を追求するという路線をとっていた。この路線はあまりに強固で…

September Dream

江戸徂徠学派の儒者亡霊があらわれ、現代の知識と語った。信州飯田で育った高名な儒者は、父の浪人生活でやむなく江戸へ移った。そしてやがて京都や大坂各地を放浪、徂徠とであった。*「今でも年末になると、忠臣蔵が話題になります。先生は赤穂浪士、いわ…

官僚

公務員の中でも、特別公務員たる国会議員は選挙で選ばれる。そしていわゆる官僚は一般職であり、採用選考によって任命される。*昨年来、政権が官僚を使い切れていないという意見が喧しい。「政治主導の意味を取り違えて、官僚を排除しようとした。閣僚に政…

吾れ日に三たび吾が身を省みる

もう言葉さえ失ったという気分ですが、いまどうしても強く指摘したい。その気分を、山口二郎さんに代弁していただきます。*菅政権には、速やかに二次補正予算を編成し、被災地の復旧のために惜しみなく予算を投入することが求められる。財源をどうするかは…

本性

1993年10月5日に明らかになった、業界団体である電気事業連合会が、「広告費の名目で自民党の機関紙『自由新報』(現『自由民主』)に年間10億円程度、供与していること」と、ガス業界では、「経団連の外郭団体の経済広報センターが、ガス業界の依頼でやはり…