紙つぶて 細く永く

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また富山、そして只見線 その4

只見線はガタゴトとのんびりした音を立て、山岳地域から会津盆地に入った。只見線会津で終わる。
 盆地ではやや速度を速め目的地会津若松を目指した。
その会津若松はお殿様の雰囲気がいまだに漂う歴史を抱いた町だった。

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当初会津若松ではただ泊まるだけを考え駅前のホテルを予約していたが、気が変わり東山温泉に変更した。
 駅到着が17時19分。駅前から「あかべえ」「ハイカラさん」という名称の周遊バスがでている。これに乗れば東山温泉に着く。
 あかべえの運行は17時までということで、きょうはボンネットバス「ハイカラさん」に乗る。

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東山温泉まで37分。着いた時、あたりはすっかり暗くなっていた。

東山温泉は会津の奥座敷という。会津の殿様もあの小原庄助さんも朝湯に入ったといういわれのある温泉。

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東山温泉にある向滝玄関は国の登録有形文化財  国指定文化財等データベース:詳細解説


しかし今回は近くの新滝に宿泊した。この辺りは一連の由緒ある木造建築が多い。

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話は変わり伊東正義会津出身

1989年 リクルート事件で竹下首相が退陣 当時自民党所属議員だった伊東正義に総裁就任の依頼が来た。金権腐敗に縁のない清廉さを買われて総裁を要請された。
 彼は、就任の条件として、竹下首相、中曽根前首相、安倍幹事長ら役職だけでなく、リクルート事件に関与した党幹部全員の引責辞任を求め、
「一度 議員バッジを外し、けじめをつけるべき」と迫ったが、保身を図るだけで誰1人として責を取る者はいなかった。
 そして、
  「本の表紙を変えても、中身を変えなければ駄目だ」
と苦言を呈し、総裁就任をかたくなに断った。
 彼は寡黙だったが、後日母校「会津高等学校百年史」に、
  「信念を貫いて行動したものであり、いささかも恥じることではありません。
   世渡りは下手ですが、一人くらい愚直な人間がいても良いと思っております」

と心境を語っている。
 われもわれもと総裁=総理を目指す輩が多い時代に「奇異」な視点で、初めて「会津魂」に接した。

もう一つ
2代将軍徳川秀忠(とくがわ・ひでただ)の子、会津藩祖の保科正之(ほしな・まさゆき)が会津に入封したのは、 366年も前のこと。
保科正之は一時出羽の国20万石の領主でもあった。

東北2回目の旅 その4 - 紙つぶて 細く永く


 保科は3代藩主から松平姓になった。
 藩士の子弟に会津魂を育んだ7カ条の「什(じゅう)の掟(おきて)」は、今も子どもたちに教えられている。
 「うそを言うてはなりませぬ」「弱い者をいじめてはなりませぬ」……。最後の一節が「ならぬことはならぬものです」。
 その会津藩13代当主の保定(もりさだ)(83)は2年前、磐梯山猪苗代湖に臨むマンションに、妻と2人で移り住んだ。近くに藩祖の墓がある。
 東京で生まれ育ち、大学を卒業して、農林中央金庫に29年、勤めた。
 あまり知られていない話がある。
 保定は定年退職後、人柄を見込まれ、あの「靖国神社宮司に」と打診があった。辞退したが、「どうしても」と要請された。
 靖国神社は、戊辰戦争での新政府軍側の戦没者を慰霊したのが、その始まりである。  他の神社ならともかく、最終的に断った。
 「薩長がまつられ、賊軍とされた会津の戦死者がまつられていないのに、会津人としてお受けするわけにはまいりません」
 ならぬことは、ならぬ。会津はいまもなお戊辰の残照の中にある。

asahi.com(朝日新聞社):ならぬ事はならぬ 会津魂 - ニッポン人脈記
今宵はそんな会津の中である。

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こづゆは会津の郷土料理、これが美味しかった。
こづゆには小さな麩が入っている。それにしてもすっきり腹に収まる夕食だった。

その夜と朝に三つの温泉に浸かった。朝湯ではやけに京都に詳しいビジネスマンらしきおじさんと一緒だった。
 東山温泉の話から、この地には芸妓さんがいるという話になり、京都祇園にも負けない芸妓と尾ひれがひろがった。京都府府議会初代議長は会津出身だった、とも教えられた。山本覚馬 - Wikipedia

そういえば最後の京都所司代会津の殿様だった。無骨な会津とはんなり京都は会わないようで会うのかもしれない。

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REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」



また富山、そして只見線 その3

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北信越や北海道はもちろん雪が多いところと思うのだが、調べれば、只見線沿線は日本有数の豪雪地帯でもあった。
 今年4月13日午前4時の(なんとリアルタイムな数値を気象庁はupしているのだなあ)累積降雪量は
桧枝岐が第二位1338cm、
只見町が第三位1200cmである。(一位は青森県酸ヶ湯1396cm)

気象庁|最新の気象データ

気象庁|最新の気象データ (気象庁のURL移動しました)

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こちらはグラフ化したもの福島に赤が多い
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福島県内の豪雪地帯(青い色が濃くなるほど多い)

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当日もまだ雪は降っていた。その中を高校生が元気に通っていた。

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只見線だけでなく、日本の鉄道というものは雪とのたたかいなのである。
国土交通省の資料に「JR旅客会社の基準単価・基準コスト等について」という資料がある。 http://www.mlit.go.jp/common/001098962.pdf

これに「雪量」という項目がある。

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x2=雪量

JR各会社別での資料しかないが、JR北海道は数値「8346」そしてJR東日本が「1809」とつづきJR四国は「0」である。
雪の多いエリアを走るJR北海道は8346という雪量であり、雪の降らないJR四国は0なのである。この雪量がまさしく線路保守コストに反映する。JR北海道は大量の雪を相手に線路を保守する。

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バスからは雪が積もり今は眠っている鉄橋が見えた

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代行バスは時間通り15時22分「会津川口」に到着。ここから15時27分発530Dに乗る。ということはここでも5分しかない。かろうじて売店でクッキーを売っていいたのでクッキーが昼食となった。


只見線は速度が遅い。なんでも表定速度は30km以下だそうだ。こんな速度。

youtube
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偶然撮っていた第三橋梁からの一枚

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今からおもえばこの辺りが只見川第一橋梁だった。
しかし下調べをしていない悲しさか、のんびり水面を撮っていた。

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昔学校の社会科目で「日本のTVA(テネシー川流域開発)」と習ったのは只見川だった。尾瀬沼を源として豪雪地の豊かな水量と、渓谷に恵まれ水力発電ダムが多くつくられた。
主河川である「阿賀野川」を含めダムも多い。

水力発電所ギャラリー 阿賀野川水系 - 水力ドットコム

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水平に「天使のはしご」が現れ、鳥が二羽かけ上っていった。

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REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 10 交通権とは

2017年4月旧シリーズ名「鉄道運賃はこのままでいいのだろうか」をタイトル変更しました。

国土交通省に「わが国における交通基本法と『交通権』の位置づけについて」という文章がある。これは「交通権」というものについて国としての意気込みを語るものである。

http://www.mlit.go.jp/common/000130170.pdf

その要点は

「わが国における交通基本法と『交通権』の位置づけについて」
  • 日本各地で移動が困難になる人が急速に増え、今後一層の増加が確実
  • 戦後日本が到達した経済発展とは著しく乖離した「生活交通」の貧困危機的状況
  • 交通政策を大きく転換し、まち・地域づくりと交通権保障の両輪でだれもが安全で安心して移動できる豊かな社会を実現する必要がある
  • 急速な高齢化の進展で豊かな生活の質を規定する基礎・土台として公共交通を位置づける
  • 公共交通が不十分であれば、医療・福祉・教育あるいは観光等も十分にその成果が出せないので地域公共交通・生活交通の構築を急ぐことが重要
  • また人と環境にやさしい公共交通機関の実現が切に望まれているが、持続可能な交通システム、環境負荷の少ない公共交通を維持発展させること
  • 交通基本法では用語「移動権」よりも、現代社会の交通の権利として「交通権」を採用することが望まれる
  • 憲法上保障された基本的人権を実質的に保障するものとして国および自治体は国民・住民の交通権を保障する義務を負う

となっている。
 そして交通権学会という学会からも下記「交通権憲章」というものが披瀝されている。

「交通権憲章」
  1. 第一条 平等性の原則
    人は、だれでも平等に交通権を有し、交通権を保障される。
  2. 第二条 安全性の確保
    人は、交通事故や、交通公害から保護されて安全・安心に歩行・交通することができ、災害時には緊急・安全に避難し救助される。
  3. 第三条 利便性の確保
    人は、連続性と経済性に優れた交通サービスを快適・低廉・便利に利用することができる。
  4. 第四条 文化性の確保
    人は、散策・サイクリング・旅行などを楽しみ、交通によって得られる芸術鑑賞・文化活動・スポーツなど豊かな機会を享受できる。
  5. 第五条 環境保全の尊重
    国民は資源を浪費せずに地球環境と共生できる交通システムを積極的に創造する。
  6. 第六条 整合性の尊重
    国民は陸・海・空で調和がとれ、しかも住宅・産業施設・公共施設・都市・国土計画と整合性のある公共交通中心の交通システムを創造する。
  7. 第七条 国際性の尊重
    国民は、日本の歴史と風土に根ざした交通システムの創造と交通権の行使によって、世界の平和と福祉と繁栄に貢献する。
  8. 第八条 行政の責務
    .政府・地方自治体は、交通に関する情報提供と政策決定への国民の参画をつうじて、利害調整に配慮しながら国民の交通権を最大限に発展させる責務を負う。
  9. 第九条 交通事業者の責務
    交通およびそれに関する事業体とその従事者は、安全・快適な労働環境を実現し、その業務をつうじて国民の交通権を最大限に保障し発展させる責務を負う。
  10. 第十条 国民の責務
    国民は、交通権を享受するために国民の交通権を最大限に実現し、擁護・発展させる責務を負う。
  11. 第十一条 交通基本法の制定
    国民は、交通憲章にもとづく「(仮称)交通基本法」の制定を国に要求し、その実現に努力する。

交通権学会 Association for the Research of Transportation Problems and Human Rights

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* 

交通は、人や物の移動に必要不可欠なものであり、あらゆる活動の基礎ともなるべきもの。その移動の自由、交通権を護るためには何が必要なのであろうか。
自家用車が交通手段として重要な社会的役割を果たしていることは事実であるが、一方自家用車を運転できない高齢者や体の不自由な人々の、職場への通勤や病院通い、買物に不自由なく移動できる、足としての手段・公共交通が各地で失われてゆきつつある。
 いわば自家用車を使える人と使えない人の間に移動の自由の格差が広がっている。いまここで誰もが利用でき、将来にわたり持続可能な公共的交通手段のベストミックスを確保する必要がある。
 そして大気汚染の問題も大きい。日本における交通部門からのCO2排出量は2割、そしてその中で相対的に優れた乗り物は鉄道になる(一説には交通部門の中で自家用車の炭CO2排出量は9割になるといわれている)。

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http://wwwtb.mlit.go.jp/hokkaido//bunyabetsu/kankyou/ecotsukin/3document03.pdf

 より


 交通権を保障するためには、地域の実態に合うように地域公共交通を維持・再生し、活性化させていくことも必要である。しかし、地域公共交通をめぐる状況は大変厳しくなっており、地方のバス、タクシー、鉄道、旅客船 の旅客数は過去10年間で2割減、20年間で4割減と落ち込み、赤字の 会社が増え、運行の維持が困難なところが増えている。採算をとろうと して運賃を上げようとすると、客離れが起きるという悪循環に陥ってしまうが、このまま放置しておくと安全で安心な輸送が脅かされない。
 また、 交通施設や乗り物のバリアフリー化も道半ばの状況であり、人々の移動権を充足するためには、これらを誰もが利用しやすいユニバーサル・デザインにすることも望まれる。

これらの意見を踏まえて2013年に交通政策基本法が制定された。

交通政策基本法

しかし残念ながらこの法案では上記文章に意気込まれた「交通権」についての観念は盛り込まれず、まさに上記文章より後退した姿勢が強い。
その端的な例 第16条に

交通政策基本法 第十六条「国は、国民が日常生活及び社会生活を営むに当たって必要不可欠な通勤、通学、通院その他の人又は物の移動を円滑に行うことができるようにするため、離島に係る交通事情その他地域における自然的経済的社会的諸条件に配慮しつつ、交通手段の確保その他必要な施策を講ずるものとする」

「地域における自然的経済的社会的諸条件に配慮しつつ」なんて猶予条件が付加されてしまった。
 これでは経済的側面を取り上げれば、地方赤字路線は住民の「交通権」にかかわらずほぼ廃線必死ということになる。
このサイトにも注目 

地域公共交通再生の実現へ向けて ~ 交通政策基本法の必要性 | 小嶋光信代表メッセージ | 両備グループ ポータルサイト - Ryobi Group -


人と環境にやさしい公共交通機関をこれから創設して行くのではなく、今ある公共交通機関を維持しながら、人と環境にやさしい公共交通機関に作り替えてゆこうという視点が重要なのではないか。日本には世界に誇れる交通路線網が(今のところ)ある。

参照  日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 6 - 紙つぶて 細く永く 

これが将来にわたって存続できるかどうか、いまこそ市民の目が必要となっている。

その観点から以下の記事にあたるとどう感じるだろうか (インタビュー)「鉄路半減」の挑戦 JR北海道社長・島田修さん:朝日新聞デジタル

<抜粋>

国会では、麻生太郎副総理兼財務相が「黒字のJR東日本と北海道を合併するとか、いろんなアイデアが出る」と答弁しました。どう受けとめますか。


JR北海道社長 「安倍晋三総理が『一政治家として大胆な考え方が提示された』とフォローされましたが、まさにその通りです。JR東日本には、上場企業として株主への責任もあります」

 

上記の文章と下図を参照にし、正しい答えを下記A及びBから選びなさい。

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A)
下記でいう赤字部分が抜け落ちている。

 「安倍晋三総理が『一政治家として大胆な考え方が提示された』とフォローされましたが、まさにその通りです。しかしJR東日本には、上場企業として株主への責任もありますので、その手前JR東日本JR北海道との合併なんてものはそう簡単には切り出せない

B)
下記でいう赤字部分が抜け落ちている。

 「安倍晋三総理が『一政治家として大胆な考え方が提示された』とフォローされましたが、まさにその通りです。JR東日本には、上場企業として株主への責任もありますので同じく鉄道再生を目指すグループJR会社としてぜひ、JR北海道吸収合併の方向を打ち出してほしい

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REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

思いついた言葉

(今頃になって合点がいった)クリントンは女性としての、資質で負けたのではなく、リーダーとしての資質に劣ると判断された。

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広辞苑によると
忖度(そんたく) 他人の心中をおしはかること。推察
思惑(おもわく) 相場の暴落を見越し、その差金を得る目的で売買すること。
どちらかというと思惑だろ。

 

REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

すっかりクラス会世代となったなあ

クラス会の仲間へ
毎年懐かしい顔ぶれが集まり懐旧談義に花が咲く、それも一種のたのしみではあると思います。
懐かしいクラス会にこそ意義があるのでしょうが、 小生「クラス会商法」(なんてものが一般的にあるのかないのか不明ですが)にいささか疑問が湧いています。


というのも、その「同期で出会う懐かしさ」を付加したクラス会と考えれば、 今回の例のように会費9000円であっても無理ながら理解しますが、 しかしよく考えれば懐かしさというメニューを取り去り実際に出てくる料理から判断すると、 かなり付加価値?をつけたものになっていると思われます。
往年は10000円が相場でしたね。

 

諸氏も居酒屋、すし店、レストラン等に行かれるのでしょうが、

例えばなにがしかの友人二人で行くとして二人で9000円かける2、合計18000円を支払うなんてことはちょっとはずんだ気が合った友人同志の会食か、甲論乙駁し互いに激高し支払いの段になって、喧嘩別れ寸前となった飲み会くらいなものではないでしょうか。

わたしの希薄な経験からして、よく出されるクラス会コースメニューの内容を、仮に個別に頼んだとすれば、 2名で10000円(一人5000円)見当でしょう?

つまりクラス会商法の店はわれわれ顧客に提供する料理ではなく各店舗の会計にとって、美味しい商売をしていると考えます。

(ここでは一般的なクラス会メニューを意味しますので、 決してレストランRのことをいっているのではありません)

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さてここからがいわば本題ですが、 われわれ団塊世代は一番世間に迷惑(注)をかけているという自覚が必要であって、残り少ない余生を未来の世代へむけ、なにがしかの貢献をしなければならないと思います。

迷惑とは今後年金制度は少なく見てもどんどん支給年齢が上昇し=生涯の受給金額が少なくなる、あるいは将来の破たんが噂されています。
 現役世代にとっては魅力ある制度ではなくなりつつあり、現役世代の働きによって維持されている年金を、もっとも人口の多いわれわれ団塊世代がいわば食い逃げになるということを指します。

 

だから広くこの日本社会を見渡して、その貢献の一助をとするならば京都のような恵まれた場所で貢献するよりも いまだに復旧・復興できないいろいろな地へ貢献することも考えなければならない方法ではないでしょうか?

われわれの少ない年金(なかには「いやおれは多いよ」という人もいるか)
のもっと利口な使い方が他にもあるのではないかと考えました。

 そこで申し訳ないのですが、 私はクラス会に参加よりも、極貧の年金をやりくりし東北や北海道へ向かいます。

 

REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

また富山、そして只見線 その2

二日目は富山から、あいの風とやま鉄道そしてえちごトキめき鉄道で直江津、そして只見線乗車。直江津まではいわゆる第三セクター路線。

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この区間は青春18きっぷが使えない。

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読みにくい官僚文章だが、概略抜粋すると以下のように書いてある。

青春18きっぷ説明 JR線(BRT含む)及びJR西日本宮島フェリー以外の路線は、ご利用になれません。青い森鉄道線、IGRいわて銀河鉄道線、北越急行線、しなの鉄道線、えちごトキめき鉄道線、あいの風とやま鉄道線(※1)、IRいしかわ鉄道線(※2)、伊勢鉄道線、京都丹後鉄道線、智頭急行線、土佐くろしお鉄道線及び肥薩おれんじ鉄道線等、JR線と直通運転している路線ならびにJRバスもご利用になれません。 別途、ご利用になる区間に有効な乗車券類が必要です。

(※1)あいの風とやま鉄道線「高岡~富山」間については、普通列車の普通車自由席に乗車してJR線へ通過利用する場合に限り、利用できます。高岡駅、富山駅に限り途中下車できますが、その他の駅では下車できません。「高岡~富山」以外の区間を乗車した場合(区間内での下車、区間を越えて乗車等)は、別に全乗車区間の運賃が必要です。また、〔あいの風ライナー〕をご利用になる場合は、別にライナー券が必要です。

(※2)IRいしかわ鉄道線「金沢~津幡」間については、普通列車の普通車自由席に乗車してJR線へ通過利用する場合に限り、利用できます。金沢駅、津幡駅に限り途中下車できますが、その他の駅では下車できません。「金沢~津幡」以外の区間を乗車した場合(区間内での下車、区間を越えて乗車等)は別に全乗車区間の運賃が必要です。
例1:金沢駅から高岡駅を経由して城端駅へ向かう場合  
 金沢~高岡間のIRいしかわ鉄道線およびあいの風とやま鉄道線の運賃が必要です。


そのため富山から直江津まで2080円を別途買い求める。ただしこの区間改札はなかった。
富山駅で「あいの風とやま鉄道」に乗ろうとすると、昨日岐阜からの列車1717C-1829D-871Dでずっと一緒だった親子連れと再会した。
双方ともが顔を覚えていたので、思わず会釈をし隣の席に座った。

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きょうの立山は雪らしい

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富山発8時25分泊着9時14分、泊発9時24分糸魚川9時53分着。
 19才の高専生と母親だった。機械工学を専攻しているらしいが、PCにはあまり興味はないらしく、高専生は時刻表も持たず、スマホの時刻表、スマホの写真で済ませていた。
なんでも息子は青春18キッパーだそうで、
今回は米原-岐阜-富山-糸魚川-(大糸線)-松本-そして飯田線で豊橋への旅をするそうだ。
 飯田線の先輩として思ったほど尻が痛くならない等、いろいろ助言をしておいた。きっと今後写真にも興味を持つことだろう。糸魚川で彼らは下車。

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この地では得体のしれない列車が走っている。

運転日スケジュール | 水と大地の贈り物 越乃Shu*Kura(コシノ シュクラ)| 地酒王国・新潟で、列車に乗って日本酒三昧。


直江津からは10時58分発長岡行き。長岡着12時26分

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Webの乗換案内等では直江津から小出等を検索すると、長岡のひとつ手前宮内で乗り換えと出る。ところが下図みどりの線のように乗っている列車1331Mが長岡行きで、次に乗る1734Mも長岡始発。時間さえ確保できれば長岡まで行くことにより始発駅で乗車となる。時刻表の使いよいところだ。

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しかしその結果、接続時間が少なくなり昼食がとれない。乗り継ぎ8分では駅弁を探し買い求める時間はなかった。果たしてどちらが良かったのかなあ?
早いところでは桜も開花したというこの時期なのに、小出に近づくにつれ外は吹雪となってきた。

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小出からの只見線ダイヤは下記一日4本です。

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そして本日は13時11分発に乗る。ここ小出でも乗り継ぎ時間「2分」これではなにもできない。

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JR東日本のホームページに只見線の現況についての記事がある。

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http://www.jreast.co.jp/railway/pdf/20140122tadami.pdf

ここでもやはり地方交通線の乗車客数についての言及がある。JRはよほど地方交通線からの撤退を考えているのだろう。
 しかし上記数字にも歴史の視点が必要なのではないか。かりに只見線全通の1971年から「平均通過人員」が減少した2010年度の旅客運輸収入1.7億円が続いたとして計算しても、39年間で66億円強の収入があった。

入広瀬(いりひろせ)を過ぎたあたりで車掌が代行バスの利用予定者を聞き合わせしていた。代行バスはまさしく駅前からの発車ですぐの乗車となった。

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代行バスはマイクロでうまくて手配できたのか当地での乗車は丁度20名ほど。途中駅で乗車する人2名は補助席を使った。バスは会津川口に時間通り着いた。

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また富山、そして只見線 その1 へ戻る - 紙つぶて 細く永く

 

REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

何回目かの京都一周トレイル

足慣らしで京都一周トレイルの続き。今回は鷹峯から二ノ瀬までの小コース。前回
(といっても2年ほど前 保津峡から高雄そして光悦寺 モミジは紅くなかった - 紙つぶて 細く永く
の続きのコースとなる。出発は京都市バスの鷹峯源光庵前。光悦寺がある。

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画像の中みどり線を歩いた。スタートのA地点からB地点までは秋に迂回となるコースなので、トレイル標識はなし。だらだらと緩いのぼりが続く。この間40分ほど。
そしてBからトレイルの再開。

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ほどなくクマ出没との警告があった。昨年6月にクマの姿が目撃されたとのこと。そういえばクマ除けの鈴持参を忘れたなあ・・

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ここからの景色が京見峠の名の元

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B地点は標高380mそして今日の最高点城山下峠が450m。少し進むと氷室神社があった水尾の郷に眠る清和天皇ともゆかりがあるようだ。

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この辺りでも見事に手入れされた北山杉が受けられる。その中に雪の被害?だろうかお辞儀する北山杉も。氷室は名前からして雪の多いところかもしれない。

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唯一の難所? 倒木でトレイル道がふさがれていた。その下をくぐる。

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遅咲き?の梅
そして山幸橋到着。ここで昼食。
山幸橋からは大岩経由の旧ルートではなく向山ルートが開設されている。このアップダウンが結構きつい。旧ルートへ行けばよかったと後悔。

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 しかし3時前にたどり着いた二ノ瀬駅は木材を使った瀟洒な駅だった。
これで「一周トレイル踏破」まで残すところ一日の行程(二ノ瀬から比叡山横川)となった。

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出町柳到着後、墓参りそして恒例の珉珉餃子で締めくくり。生ビール2杯、餃子4人前、ニンニクと青梗菜炒め、固焼きソバ、味噌ラーメン、その他で4100円。安くかつ美味い店です。

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REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 9

2017年4月旧シリーズ名「鉄道運賃はこのままでいいのだろうか」をタイトル変更しました。

当然ながらかっては旧国鉄路線全線を日本国有鉄道1組織で運行していた。
 国鉄改革は表面的には公社:国鉄としての巨額すぎる赤字の払拭を国鉄を分割することにより、分割で誕生した各社の競合による競争意識を作ることにより、サービスの向上と赤字体質からの脱却を目指す、として国鉄は7社のJRに分割された。
 しかし実態は強力な国鉄労働者の組合を分割する労働対策を主眼として、ではないのかと水面下でささやかれていた。
 日本では労働組合(労組)の組織形態として企業別労働組合となっているので、企業が分割されると労組も分割され弱体化される、このことを忘れないでおきたい。

国鉄の民営分割のプランの骨格は1983年に発足した国鉄再建監理委員会(委員長亀井正夫氏当時の住友電気工業会長)によって立案された。
国鉄民営分割の目的は4つあり

  1. JR経営の黒字化
  2. 37兆3000億円の国鉄長期債務処理
  3. 労使関係の「正常化」
  4. 鉄道事業の再生

以上の展望を得ることであった。
そして1987(昭和62)年に旧国鉄が分割・民営化された時の国鉄長期債務等の総額は37.1兆円で、このうち、25.5兆円を当時の国鉄清算事業団が承継し、 残りは、新幹線保有機構が5.7兆円、JR各社が5.9兆円を引き継いだ。
 現在長期債務の処理については、1998年閣議決定で一般会計に継承され、2014年3月(平成26年度末)で17兆9784億円の残となっている。
 当時政府は国鉄所有の用地を清算事業団により売却しその益を返済にあてるとしたが、初年度(1987年)から用地高値売却が周辺地域の地価高騰を招くとして売却は1年凍結された。
現在では以下に見るように国鉄の長期債務のうち24.2兆円が国民負担とされた。

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鉄道・運輸機構 | 国鉄清算事業 | 国鉄長期債務の処理及び事業の収支構造

いわば国鉄長期債務はいったん棚上げされ、いつの間にか国民全体の負担と変わり、荷が軽くなったJR各社は過去の赤字体質には戻れないということで、採算重視の視点がいっそう強くなったようだ。

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JR各社は連続している国鉄路線を6エリアに分けて、かつ新幹線だけを分離しないという方針でJR6社は1987年発足した。
 「旅と鉄道」2017年4月増刊号に興味のある記事がある。

須田 寛氏の回想録でタイトルは「あれから30年、国鉄分割民営化、舞台裏の物語」とある。氏は旧日本国有鉄道入社後、87年の分割民営化にあたり、JR東海初代代表取締役社長を務めた。

記事によれば

国鉄改革・分割には、国会でも世論を二分するほどの賛否両論が議論された。
その時に抱かれた疑問は、

  • 分割民営化すれば線区の途中で会社別に分断され、乗り換えが生ずる。
  • 会社ごとに運賃も別々に決定されるだろうから複数会社またがりの運賃はたかくなる、
  • 長距離列車は運転できないのでは
  • 会社によって運賃格差ができる

というような疑問があったとのことである。
また「国鉄は全国一本のネットワークであってこそ、そのサービスが維持される」などの反対意見も多かった。

それに対し以下のような解決策をとった。
「そのまま」の移行を
  • 実践移行前の86年9月に翌年実施予定の運賃繰り上げ実施
  • 86年11月に翌年実施予定のダイヤ改正を先行実施
  • 長距離列車の客車乗務員待ち受けは、11月時点で分割会社が担当することを想定し地域ごとに受け持ち替えをしておく(当面車掌は従来通り始発終着駅通し乗務)運賃収受方法・乗車券発行の方法など運送約款についても国鉄当時のものをそのまま新会社の約款とみなすこととし各社間で協定し、運輸省にも申請許可を得ておく。
  • 乗車券の発行方法、通用期間、乗り越し、乗車変更、途中下車ルールなど 乗車券の地紋・様式も変更しない
いくつかの「例外」
法的に、また経理的にいくつかの「例外」が必要になった。
  • 東海道新幹線は運行管理上、線区途中分割にはなじまないので、東京ー新大阪間が一貫してJR東海の経営となった。そのため東京ー熱海間と米原ー新大阪間では新幹線と在来線で別の経営会社に分かれることになった。
    そこで在来線運賃切符で新幹線に乗り換える際に新幹線改札で「振替票」なるものを発行し、下車する駅の新幹線改札でこれを回収しその運賃部分を計算、該当会社に振り分けた。
    しかしこれも1年間実施したが、完全な回収は無理となり、結果的には各社立会いのもと実態調査を行い、発行会社と収受会社の異なる切符は統計的手法で収入金の再配分を行った。
  • 東京・(新)横浜・京都・(新)大阪は特定都区市内制なので、たとえば東海道新幹線の東京都区内行きの切符を持った乗客は新幹線改札をでてそのまま在来線利用で目的地まで向かう。
    これも実際どのような利用かを調査し1枚当たり平均距離(3km)の運賃を該当会社に再配分することで落着した。

JR発足後30年がたち乗車券の様式や販売制度の基本は当時と変わらず、むしろ当時以上に全国のJR旅客6社が統一されたシステムへ向かっているものが多い。  JR6社分割後想像以上にコンピュータ機器への依存が増え6社で統一方式を採用した方がなじむからだ。

 

どうだろうか。

この論をもってしても国鉄分割をする目的の一つであった鉄道事業の再生に向けての発展的施策は見えてこない。分割にあたっての障害解決には成功したとしてさて鉄道事業の再生・発展はどのようにえがかれるのだろうか。
 ここで提示された論は、そもそも国鉄分割がなければ発生しない問題であり、ましてや最後の「JR6社の統一されたシステム」などは分割しないほうが大いに発展したと思われる。
みどりの窓口にあるMARSシステムも、前回書いたようなJR各社ホームページにあるWeb案内構成も同じシステムで構築は可能だ。
 またこの中にでてくる統計的手法は、青春18キップの販売についても応用され、なんらかの実態調査に基づき、統計的に各社への再配分をしているのだろう。

seisyun.tabiris.com



結論 前回見たようにJR東日本以外の各社はこのような貧しいWeb案内システムの提供で利用者に向けての親切なシステム構築ができているのだろうか?

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REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 8

前回「日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 7」 以下

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 7 - 紙つぶて 細く永く

で取り上げた「おいこっと指定席」は旅行代理店で購入することができた。JR西日本みどりの窓口でのマルス端末では発券できなかった回数券が関西にある旅行代理店の発券端末ではOKということになる。
(JTBの発券端末はMARS端末ではなくJTB独自の「TRIPS」以下参照ということが分った  以下段落でさらなる修正)

【事例編】JTB、基幹系プラットフォームを刷新 - 進化するITプラットフォーム Part8 | IT Leaders

しかし、後日この指定券を払い戻ししてもらうことになり、
(詳細記事日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 番外4 V字旅行1 - 紙つぶて 細く永く
その時窓口で、上記「おいこっと指定席」はJTBでも発券できない切符だということを知らされた。(間違って発券したそうだ)

事情は大変複雑に込み入っておりこれを紐解くことも詳細な契約の話となり相当困難だ。
旅行代理店窓口担当者では詳細がわからなかったので、しなの鉄道に連絡を入れたところ、次の回答があった。

しなの鉄道説明しなの鉄道路線運賃部分についてはしなの鉄道売上になるが指定席部分は全額JR東日本の売上収入になる。

 そうなると次の問題として100%JR東日本の指定席券を旅行代理店で発券できないのかなという疑問がわく。
そして、その疑問に、JTBから追加の下記回答が来た。

JTB回答JTBには「TRIPS」端末と「MARS」端末双方が置かれているとのこと。(問題の指定席券は当然「MARS」端末で発券したと思われる)
JRと交わしたMARS端末の発券要項ではこの区間の上記指定席券はJR東日本管内にある旅行代理店店舗でのみ発売可能な切符となっている。
担当者が間違って発券した。


 それを受けてJR東日本お問合せセンターにも聞いた。詳しい部署に聞いたうえで返答してくれた。やはりこの切符はJR東日本みどりの窓口と、そしてJR東日本管内にある旅行代理店でしか販売できないはずの切符とのことであった。
 JR東日本以外のエリアからの訪問客がこの切符を含む旅を考えた時に、当然人気観光列車ということもあり、事前に切符を手配することは大いに考えられる。しかし他のJR切符と同じように手配できないのだ。
 解決法としては該当する切符だけを別途、JR東日本の「えきねっと」で予約し、現地に着いた時自動販売機やみどりの窓口で受け取るということになる。

 機械システム的には発券可能ではあるが、運用契約で発券しないとなっているのだろう。それで担当者は運用契約を失念し間違って発券したことになる。
 システムを組む立場から考えても通常のシステムに、もう一アクションを付け加え端末設置場所を特定する工程が必要となるので、コストアップにつながり、また設置後になんらかの事情で端末をエリア外からエリアの中へ移動することもあるだろうからこのような付加要件をつけることは好ましくない。

 しなの鉄道北しなの線は旧国鉄の路線であり、昨2016年までJR東日本の路線であった。JR西日本とも縁遠い路線ではない。そのような路線でもやはり発券できるか否かは各JRと第三セクターしなの鉄道等)個々の契約により発売できる切符が変わる。
何故こんなに面倒なことになるのか鉄道利用者の立場にとって非常に不可解だ。
 旧国鉄の路線は分割されそしてJR7社となった。
JRとしての協力体制はどうなっているのだろうか。部外者には表にでてくる各種お知らせでしか判断できないが、結論から言って連携に重心を置くよりも、すでに各社独立組織としてそれぞれの企業体質が育ちつつあるようだ。

そんな中新聞JR東日本会長のインタビューが掲載された。

線路は続く:28 会長に聞く■「国全体で考えないといけない時期を迎えていると思う」
 
《地方の公共交通を誰が守るべきか。東日本大震災で被災を経験したJR東日本の清野智(せいのさとし)会長(69)に聞いた。  人口減への危機感から、企業だけでなく国全体での議論を訴えた。》  

――震災に限らず、災害からの復旧で、鉄路かバスか廃止かの議論が繰り返される。実際に廃止されるJR路線も出ているが。

 「レールがつながっていて欲しいという人々の思いがあるのは理解できる。  ただ、鉄道は本来、一定以上の乗客がいることで初めて利点が生かせる。  乗客が極端に少ないならばバスの方が赤字は少ない」
 「バスへの転換は地域を見捨てることではない。  例えば東北の被災区間の一部で導入したBRT(バス高速輸送システム)は、ルートを病院や高校まで延ばして利便性を高めた結果、  地元の人も評価してくれている」

 ――JR各社は国鉄改革で30年前に誕生した。たとえ赤字でも、引き継いだローカル線の維持は責務ではないか。  特に、黒字のJR東日本などは経営的にも可能ではないか。

 「現時点では鉄路を廃止する考えはなくても、さらに人口減が進むとどうなるか。  鉄道が、地域の公共交通の最後の手段かどうかは、地域の需要など様々な状況の変化を含め、ていねいに議論すべきだろう」  

――線路や駅を自治体が保有し、鉄道会社が列車を運行する「上下分離方式」が、鉄路を残す時の選択肢としてよく浮上する。確かに鉄道会社の負担が軽減される。

 「人口減の進む地方にとっても一つの選択肢だろう。  ただ、鉄道会社が負担する運行費だけでなく、自治体が保有する車両や線路の維持費も将来にわたって必要になることを忘れてはいけない」  

――少子高齢化や人口減など、JR発足時とは社会が変わってきた。公共交通が維持できないと、地方はますます衰退する。

 「私が会長を務める『東北観光推進機構』では、外国人の誘客とともに、鉄路とバス、飛行機を組み合わせて被災地を回る『教育観光』も推進したい。  観光で地域活性化を目指せる人材の育成や、財政支援などを、産官学一体で推進できるよう働きかけている」
 「これだけで根本的な解決、とはならない。どのような形で公共交通を守るか、国全体で考えないといけない時期を迎えていると思う」  


なんとも短いインタビュー記事であるがポイントは
「鉄道は本来、一定以上の乗客がいることで初めて利点が生かせる。  乗客が極端に少ないならばバスの方が赤字は少ない」
と断言しているところだ。
  予てから主張しているようにもちろんJR路線は日本各地へレール間隔1067mmでくまなく続いている。JRの境界で分断されているのではない。

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 7 - 紙つぶて 細く永く

ならば全国の地方交通線も全国の鉄路の一部として、たとえば山田線・只見線等を考える目も必要ではないか。

ではJR各社の連携を調べる方法として、Webページでの全国の切符関連情報はどうなっているのだろうか。
 下記調べた。

JR東海Webアクセス検索
  • 「Webで表示できるのはJR東海エリアと新幹線が絡む場合との説明」
  • (しかし京都ー大阪在来線も表示)
  • 「名古屋」「博多」間は表示 
  • 「名古屋」「鹿児島中央」間は新幹線でも非表示「該当駅がありません」
JR西日本Webおでかけネット
JR東日本のWebえきねっと


そしてそれぞれのWebページには下記の但し書きがついている。

JR西日本での表示エリア案内
マイ・ダイヤ|ご利用案内:JRおでかけネット
JR東海での表示エリア案内
http://railway.jr-central.co.jp/timetable/area.html
JR東日本での表示エリア案内
www.eki-net.com


各社で何らかの方程式があるようだが詳細は不明である。
結果JR東日本えきねっとはほぼ旧国鉄の路線に合致して使用できるようだ。(ただしみどりの窓口で購入できるか否かは別の制限がつく)

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