紙つぶて 細く永く

2014年6月以前の記事は旧Blog(OCN)からinportしたものそのままです。鋭意改善中です。<(_ _)>

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 11 

線路は続く1

新幹線を建設しますので、競合するJR並行路線は廃止するか、もしくは地元で存続方法を考えてください。
その結果第三セクターとなり、やがて新幹線に旅客を奪われたその線路は赤字路線となる。この図式でいいのだろうか

日本全国どこへ行くにも、線路は列車の走る区間続いている。九州を出発しようと四国を出発しようと知床斜里まででも線路は続く。その意味で国鉄路線を分割したことは正しかったのだろうか?

国鉄分割の時には新幹線と既存路線を分けないという基本方針があった。そのために東海道新幹線と並行する東京―熱海間、米原ー新大阪間は別の会社となった。
そのための弊害ももちろんあった。
 参照 日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 9 - 紙つぶて 細く永く


 国鉄が分割民営化されたのは、目的の一つとして強力な労組をそれこそ分割し、結果的に総評・社会党を弱体化させることであった。そして次に、国鉄経営者の管理能力にたいする強い不信というものがあった。
 それというのも国鉄鉄道員は多い時で40万人以上が働いていたので、一人の総裁が管理できる能力を超えている、という言い分が表面だった分割の理由のひとつである。
そのあとでなぜか突然に最大5万人という数字が管理できる上限だという論が湧き出てき結果、貨物を含め7社に分割するということになった。5万人という数字そのものには管理できる限界か否かの根拠はない。
 まず分割するならどのような形がいいかという検討のなかから、本州三社、北海道四国九州で三社、貨物は全国で一社計7社と考えられそこから5万人という数字がでてきたようだ。
しかし現代にとれば社員数の多い企業の例はいくつでもある。

まず日本

最新!これが「正社員が多い」トップ500社だ | 企業ランキング | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

そして世界

ケタ外れ!これが米国従業員数トップ200だ | 「米国会社四季報」で読み解くアメリカ優良企業 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

どうもつまるところ公社形態としての、つまり総裁といえども官吏としての管理能力は民間より劣っているので、というところが本音かもしれない。
 官吏という性がもつ、独占的かつ、競争という法則のない世界では、所詮優秀な管理者は育たないということを、官吏のトップでもある当時の政府関係者はひそかに気づいていたのだろう。

国鉄民営化を検証する! 〜日本の選択 (23) - NAVER まとめ

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そして30年経た現在顧みると国鉄改革についての多くの意見は下記のようなものだろう。

国鉄改革についての多くの考え方公共事業体としての国鉄の運営最終責任は政府がとるべきものである。 その政府の最終責任は政治家でなく政治家を選んだ国民にある。
 その論理で、私たち国民は国鉄の破たんの責任をとっている。
 失敗した事業の原因を考え、また責任者は誰か、と探ってみたところ悪者は誰もいなかった。 当事者それぞれが信じた生き方を貫き、守るべきものを守った。それがこじれてしまったということだ。
 30年前の国鉄分割民営化がまさにそうだった。 国鉄の借金は国民が責任をとり、鉄道事業はJRグループが引き継いで責務を全うしている。 JR東日本JR東海JR西日本JR九州は上場となり成功し、一方JR北海道とJR四国は危機感を募らせる。 その結果に対して、国鉄分割民営化の是非を考えても仕方がない。

はたして現実はそうなのだろうか?

国鉄長期債務の処理 国鉄の債務は37兆1,000億円にも達する巨大なものであった。これを新鉄道会社等に健全経営を損なわない程度で、JR東日本、東海、西日本、貨物会社と新幹線保有機構に11兆6,000億円を負担させるとともに、残る25兆5,000億円に ついては、国鉄清算事業団において処理することとした(「a免除された金利」参照)。なお、この国鉄清算事業 団の債務については、鉄道事業に必要のない土地やJR会社の株式を処分して得られる収入などを充てることとされた。そして、なお残る債務については、最終的には国において処理することとされた。 その後の債務処理旅客鉄道の本州3社と貨物会社は、実質的には国鉄改革時に新幹線保有機構が引き継いだものも含めて14兆5,000億円の債務を負担しており、現在も返済中である。 一方、国鉄清算事業団が引き継いだ残りの債務については、旧国鉄の土地や旅客会社の株式の売却により返済してきたが、地価高騰時の土地売却見合わせ、株式市況の低迷による上場の遅れ等により、土地・株式の売却が思いどおりにすすまなかったことから、従来の返済スキームが利払等により破綻した。1998年に国鉄清算事業団債務処理法が成立し、新たな枠組みで債務の処理をすることとなり、現在は独立行政法人鉄道・運輸機構がその業務(注)を承継している(国鉄清算事業団は1998年10月22日解散)http://www.mlit.go.jp/tetudo/kaikaku/01.pdf

(注)その残高は2017年3月時点では17兆7690億円(当初の47.9%)

国鉄清算事業団の長期債務残高はどのくらい残っていますか : 財務省


どこかに忘れ物をしてきたみたいに、あっさりと17兆7690億円は記憶のかなたに行き、JR各社の好調な収支のみが強調され、またJR各社の利益追求体質のみが進化した。

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http://www.mlit.go.jp/tetudo/kaikaku/01.pdf

そのJR各社の利益追求の努力にもかかわらず、いや利益追求の努力そのものがあるからこそ、各地整備新幹線の建設に走り、並行する不採算路線は特定地方交通線として廃線の憂き目にあっている。

a免除された金利国鉄改革で免除された25兆5000億円は当時の財政投融資金利(6から7%)から計算すると金利だけで毎年1兆5000億円以上になる。

おまけ JR7社の鉄道部門経常利益を集計したところ、2016年決算で5857億7700万円程度になった。これってどうなの?

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参照 日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 10 交通権とは - 紙つぶて 細く永く

 

 

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