紙つぶて 細く永く

右の「読者になる」ボタンをクリックし読者なっていただくと記事更新時にお知らせが届きます。

}

精神の糧

責任の所在

政権の体たらくを見て嘆き、政治をこの政党には任せられない。そのような状況でも政権交代が行われないのは、野党がだらしないからだ。
という論点がある。
よく考えるとこれには「誰か政権運営を巧くやってよ」という他人任せのところがある。
少し考えるだけでも現在の政権の体たらく、そしてそれから噴き出した行政のゆがみ、官僚の疲弊と質の低下はひとえに政権を構成する与党の責任であるということは自明なのであり、その観点から思うのはこの場で(メディアを含め)野党の名をあげ非難することは責任転嫁でもある。
少数の投票者(自民党は289選挙区で2672万票を獲得し、得票率は48%だった)によって選ばれた政権ではあってもその責任は有権者にある。今大事なのはこの状況でわれわれ有権者や市民各人が何をするかだ。
立憲民主党のサポーターになるもよし、共産党赤旗を購読するもよし、創価学会婦人部をけしかけて「九条守れ。この役立たず」と公明党に発破をかけるもよし、自民党議員に向かって「立憲主義の敵」や「公用車で文科大臣がヨガ(だけかなあ)にゆくな」と声援するもよし、前原・小池どこへ行った、発言はないのかというもよし(国民民主党はでてこないなあ)、「それにしても日本青年会議所JCは一体何の巣屈や」とささやくもよし、柳瀬君思い出したか、佐川君にはなるなよとやさしく声をかけるもよし、田崎君権力の鮨はうまいかとつぶやくもよし、(徐々に矮小になるなあ)・・云々

f:id:greengreengrass:20180429130230j:plain

f:id:greengreengrass:20180429111703j:plain

 


少し気がまぎれたところで、憲法記念日を前にして改めて再読

加藤周一「護憲の理由」武器の破壊力は絶えず増大し、戦争の被害はかぎりなく拡がってゆくから、もし人間社会が生きのびるとすれば、いつかは戦争をやめなければならず、いつかは世界連邦政府を成立させなければならない。
それが遠い将来を望んでの大きな理想である。
その遠大な理想に向かっての曲折にみちた人類の歩みにおいて、一歩先んじたのが、日本国憲法の理想主義であろう。
 一国民の誇りの根拠は、単にその現状(たとえば物質的豊かさ)によるばかりでなく、またみずから信ずる価値、すなわちその理想による。
日本国はもはや「神国」ではない。
たとえかってのように「神国」を誇ろうとしても、日本のカミは日本国以外のどこでもカミではない。
もし日本国民が国際社会で通用し得る普遍的な理想をもつとすれば、憲法の平和主義の他にはないだろう。
長期的にみて望ましいのは、日本国の改憲ではなくて、まだ第九条をもたぬ国々の改憲である。
(略) 今日の世界には、このまま放置すれば人類の将来を脅かすだろう大きな問題がいくつかある。
たとえば環境破壊・人口爆発・南北格差・民族主義紛争など。
どの問題の解決にも国際的協力の必要なことはいうまでもない。と同時に、どの問題も軍事力によっては解決されない。
民族主義紛争が武力衝突に発展すれば、停戦を実現または保証するために国際的な武力行使が必要な場合もあり得るだろう。しかしその場合にさえも軍事的手段は当座の応急処置にすぎず、紛争の原因を除くためには役だたない。
一般に必要な国際協力は軍事的協力ではない。
 そもそも国際貢献の話を軍事的協力からはじめるのは、本末転倒である。まず解決すべき問題を列挙し、それぞれの問題について複数の解決法の優先順位を論じ、遂に武力介入を考慮せざるを得ないときに至って初めて軍事的な国際貢献を考えるのが、事の正当な順序である。
いきなり国際貢献即軍事貢献という話から改憲論へ向かうのは、政治的倒錯症とでもいう他はない。
(略)
 それでも「解釈改憲」というものが、なしくずしに行われて、今日に及んだ。
そのこじつけと言葉のすり替えには止めがないようにみえる。
いっそ第九条を改めて自衛隊を合法化し、その規模と任務をはっきりと限定した方が、軍国主義の再発を防ぐのに有効だろう、という考え方もある。
 しかし、今日改憲を望む人々が強調してきたのは、まず「押しつけ」論、次は「国際貢献」であって、軍拡の歯止ではない。
解釈改憲」で軍拡を進めてきた同じ権力が、軍拡を抑制する「改憲」を行うだろうという期待は現実的でない。
憲法のこじつけ解釈には、さすがに後ろめたさが伴うが、改憲は公然と、朗らかに、軍国日本を再建するための道をひらくことになるだろう。
(略)
 改憲は、つまるところ日本国民の意志による。
国民の意志決定は、改憲が日本国をどこへ導くかを国民が十分に知った上で行われなければならない(いわゆるinformed consent)。
その条件がなく、それでも国民の半数が改憲を望まぬときに、世論を操作して改憲を企てるのは、民主主義の原則に反するだろう。
 以上の理由により、私は日本の多くの市民と共に、またおそらくアジアの人民の大多数と共に、日本の国際貢献が軍事的であることを望まないのである。

REMEMBER3.11

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか  別冊1

外国からの観光客に向けて「」ジャパンレールパス」が発売されている。

JAPAN RAIL PASS | ジャパン・レール・パス

その適用範囲は以下となる。

JapanRailPassの路線適用範囲JRグループ全線-新幹線(「のぞみ」号・「みずほ」号(ともに自由席を含む)を除く)、特急列車、急行列車、快速列車、普通列車及びBRT(一部利用できない列車があります。)
東京モノレールも利用できます。
青い森鉄道〔青森-八戸間〕(但し、普通・快速列車を使い、八戸~青森間、青森~野辺地間及び八戸~野辺地間を通過する場合に限ります。青森・野辺地・八戸を除き当該区間青い森鉄道線の他の駅で下車した場合は対象外です。)
IRいしかわ鉄道〔金沢-津幡間〕(但し、普通・特急列車を使い、この2つの駅間を通過する場合に限ります。金沢・津幡を除き当該区間、または当該区間を越えてIRいしかわ鉄道の他の駅で下車した場合は対象外です。)
※あいの風とやま鉄道〔富山-高岡間〕(但し、普通列車を使い、この2つの駅間を通過する場合に限ります。富山・高岡を除き当該区間、または当該区間を越えてあいの風とやま鉄道の他の駅で下車した場合は対象外です。)

一方青春18きっぷの適用範囲は以下。

青春18きっぷ※1青い森鉄道線「青森~八戸」間、「青森~野辺地」間及び「八戸~野辺地」間については、普通列車(快速含む)の普通車自由席に乗車して通過利用する場合に限り、利用できます。当該区間内の駅で下車した場合、別に乗車区間の運賃が必要となります。ただし、青森駅八戸駅野辺地駅に限り下車することができます。 ※2あいの風とやま鉄道線「高岡~富山」間については、普通列車の普通車自由席に乗車してJR線へ通過利用する場合に限り、利用できます。高岡駅富山駅に限り途中下車できますが、その他の駅では下車できません。「高岡~富山」以外の区間を乗車した場合(区間内での下車、区間を越えて乗車等)は、別に全乗車区間の運賃が必要です。また、〔あいの風ライナー〕をご利用になる場合は、別にライナー券が必要です。
※3IRいしかわ鉄道線「金沢~津幡」間については、普通列車の普通車自由席に乗車してJR線へ通過利用する場合に限り、利用できます。金沢駅津幡駅に限り途中下車できますが、その他の駅では下車できません。「金沢~津幡」以外の区間を乗車した場合(区間内での下車、区間を越えて乗車等)は別に全乗車区間の運賃が必要です。

f:id:greengreengrass:20180428105359p:plain

そしてジャパンレールパスのJR各社バージョンが出ている。

最近のインバウンドにあわせてのことだろう。

f:id:greengreengrass:20180427150314p:plain

下記はJR西日本エリアでのジャパンレールパス

www.westjr.co.jp

同じように紙券だ。ただ全国統一のパスとJR各社バージョンでは乗車できる路線に一部第三セクターが入るなど異なるようだ。

これって統一しないと駅員も含め混乱するのでは

 

REMEMBER3.11

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 29 線路は続く15

線路は続く 目次

線路は続く15 イコールフッティング

イコールフッティング論

交通機関で交通政策面からの調整方法としてイコールフッティングという論点がある。特定の交通機関が競争上偏った取り扱いを受けることがあってはならない。競争が、不公正、不平等な条件下で展開されている(どこかの国で最近モリカケ問題できいた話と同じだ)とすれば資源配分が歪められる。
 例えば自動車・バスは道路を走り道路の諸設備(信号等)を利用する。これらは行政が設置整備する。飛行機・船は空港・港その他をこちらも行政が整備する。
ところが鉄道は鉄道路線の用地買収からレール設置、信号や停車場の整備等鉄道事業者が行う。
交通機関でこのように条件が異なると、どうしても公平な競争といえない、という論理だ。
調べるとこのイコールフッティングについていろいろ考課があるようだ。
英語のイコールフッティングとは、「平等な足元」くらいの意味で、各交通機関でそのよって立つところの「路線基盤(通路)」の不平等に注目する理論。
具体的には、自動車は行政で整備された道路を無償で使用するが、鉄道は線路は自前で作る。
日本では歴史的にも民間鉄道を国鉄が買収し、国鉄からJRへとその負債とともに路線は継承された。
1987年に承継されたその面積は以下になる。

1987年 国鉄用地の引継ぎ 単位ha
国鉄用地 65380 北海道 15270
    東日本 17940
    東海 3740
    西日本 9940
    四国 1320
    九州 4490
    貨物 1620
    新幹線保有機構 2820
    その他 60
    承継法人合計 57200
    国鉄清算事業団 8180

 そしてその用地には以下の各種税制優遇処置をとられている。最も広い鉄道用地は固定資産税評価を1/3に減免されている。

鉄道一般税制
項  目 税 目 措置内容
市街地区域または飛行場及び
その周辺区域内のトンネル
固定資産税 非課税
踏切道・踏切保安装置 固定資産税 非課税
既設の鉄軌道に新たに
建設された立体交差化施設
固定資産税 非課税
市街化区域における
地下道・跨線・道路橋
固定資産税 非課税
河川等の工事に伴い
新設又は改良された
橋梁及び新設された
トンネル等に係る鉄道施設
固定資産税 5年間1/6、その後5年間1/3
水資源機構に係るものは、
5年間2/3、その後5年間5/6)
鉄軌道用地の評価 固定資産税 沿接する土地価格の1/3評価
鉄軌道事業の本来事業用施設 事業所税 非課税

国交省に2015年のJR各社線路用地集計があった。各社1987年からの増減がいくらかある。

鉄道線用地
  線路用地 停車場用地 その他 合計 1987年
からの増減
  ha
北海道旅客鉄道 5139 1408 4715 11261 -4009
東日本旅客鉄道 8901 3301 4539 16740 -1200
東海旅客鉄道 3006 909 836 4751 1011
西日本旅客鉄道 5451 2388 1493 9331 -609
四国旅客鉄道 1059 281 25 1365 45
九州旅客鉄道 2644 1195 124 3963 -527
日本貨物鉄道 116 1372 63 1551 -70
総合計(JR) 26316 10852 11793 48961 -5359

固定資産税JRが全国で支払う固定資産税の総計がいくらになるか不明だが、会計検査院他に以下JRや国鉄清算事業団に関する資料があった。

固定資産税

国鉄清算事業団の固定資産税

  • 平成5年から9年、つまり5年間で国鉄清算事業団は固定資産税を29億4588万円ほどを支払っている。
  • また東京都議会予算特別委員会速記録第四号「民営鉄道事業者との負担の公平を図る観点からも、特例措置は廃止すべきであると主張いたしました。その結果、JR東日本などについては、当初の予定どおり特例措置が廃止され、二十三区では約百億円の増収」とある。。
  • JR東日本決算では2018年度の「公租公課を970億円」と予測
  • JR東海決算では2017年度の実績「公租公課396億円」

 

経済の側面からは、かって鉄道事業には参入に対する規制があり、いわば独占的に市場を占有し内部補助で鉄道事業の存続をはかった、という解説がある。
そして、永年の事業活動でその路線用地の価値は埋没している、つまり価値0と判断される。
このように経済学者はときに一般人にとって理解しがたい説を述べる。
つまりこれは多くの路線では創設されてから今までの期間で用地取得に関する経費は償却済、したがって現在コストはかかっていない、という説らしい。これが鉄道路線に対するイコールフッティングを頓挫させた有力な説明だ。
ところがどっこい、歴史を見ると参入規制を実施したのではなく往年の日本政府は民間での鉄道開設を大いに奨励した。

週刊鉄道経済 杉山淳一鉄道開業から114年にわたり「鉄道の費用はすべて鉄道事業者が負担する」という仕組みだけだった。
実際には鉄道国有化の流れがあり、国が鉄道を負担した時代がある。
しかし民間鉄道については鉄道会社負担の原則だ。
それはなぜか、 簡単に言うと「鉄道がもうかったから」である。
明治5年に新橋~横浜間で鉄道が開業した翌年の数値を見ると、 年間の旅客収入は42万円、貨物収入は2万円、経費は23万円。つまり利益は21万円だ。利益率約5割。 こんなにおいしい商売はない。
もちろん沿線は活気づく。鉄道はもうかる。そこで全国の資産家や有志が鉄道建設に乗り出した。
当時の国は「鉄道は国策であり国営であるべき」と考えていた。これは軍事輸送の観点も大きかった。 利益の出る国営事業として独占したいという気持ちもあったと思われる。
しかし、全国の幹線鉄道を整備する資金が明治政府にはなかった。
そこで、どうしても鉄道を開業したいという者に対して、国が免許を与えた。
ここから、民間鉄道は自己資本で鉄道を建設し、政府は免許を与えるという図式が始まっている。
しかし軍部の要請で1906年に鉄道国有法が施行され、北海道炭礦鉄道、日本鉄道(関東・東北方面)、山陽鉄道などが買収された。
これは戦時買収のような屈辱的な条件ではなく、かなり良い値段で買い取られた。 そうなると、勢いで建設した小さな鉄道会社も、政府に買い取ってもらおうと売り込み始める。
その中には、初めから国に買い取ってもらうという前提で鉄道建設に着手したり、免許を取得した会社もあった。 運行しなくても、政府に売り払うとしても、結局、鉄道はもうかる。それは政府も承知だった。
 そしてなぜか、100年以上経過しても、この考え方は国策で改められていない。国営鉄道は赤字で失敗した。
本当はこのときに鉄道はもうからないという認識を持つべきだった。そして、上下分離を実施し、鉄道と他の交通手段との不公平を解消すべきだった。

なぜ鉄道で「不公平政策」が続いたのか? (5/5) - ITmedia ビジネスオンライン


(指摘されているように、ここでも国鉄分割民営化時のつまずきがある)

参入の制限は、法規制などではなく、既存の鉄道路線の横に同じような経路を持つ鉄道を開設しようとする無謀な事業を、当然事業家は目指さないという経済法則の帰結なのだ。
(もっとも経済学的にはこれも「参入規制」になるらしい)
もちろん、儲かるという点だけからではなく環境経済的に交通政策が検討されなければならない。(その点からも自動車に比して鉄道は圧倒的に優位だ)

上下分離・フリーアクセス

これに対抗する流れとしてヨーロッパでは、鉄道事業の公共的部分と企業的部分を分離した。
逆に考えると鉄道はそもそも企業的(利益追求を目的とした)部分だけで成立するものではない、という理論だ。
鉄道事業は、下部構造たる鉄道路線とそれを用いて輸送サービスの生産を行う上部構造から構成される。
これまでは、多く下部・上部構造とも単独の独占的事業者によって経営が行われてきた。
その結果鉄道事業の生産機構は垂直統合的に構成され、その中で線路施設はネットワーク構造を持っている。
鉄道事業において経済合理性を実現する中枢機構こそこのネットワーク構造たる鉄道路線である。
この視点に立ちヨーロッパでは上下(構造)分離、そして上部ネットワーク構造部分についてはオープンアクセスという制度改革を行った。鉄道事業は独占的な事業ではなくなった。
とはいえ下部構造に巨額の資金を投下して建設し転用もできない鉄道線路にあえて参入しようとする事業者はいない。
しかし上部ネットワーク構造にアクセスしないことには輸送サービスの生産は不可能なので下部構造へのフリーアクセスが必要となる。かくして鉄道線路へのアクセス権は標準化、市場化され参入を希望する事業者は必要な条件を満たせば鉄道線路を利用する権利が得られた。

新規参入事業者は鉄道線路を所有していないため、投資埋没化のリスクから解放され、鉄道輸送事業への参入・退出を行いやすくなる。

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 30 線路は続く16 - へ進む-紙つぶて 細く永く

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 28 線路は続く14 -へ戻る 紙つぶて 細く永く

REMEMBER3.11

言葉を失った発言者

ジャーナリストの中には冷めた目で第二、第三の「田崎スシロー」になっている輩がいる。特に国際経験豊富で国連に詳しいジャーナリストの女性某大崎氏は自衛隊員を海外の現場で見たり接したりするのであろう。

彼女が現場を思い、現在日本でこの自衛隊をとりまく厳しい環境は第一線の人間に酷だ、政治課題にしないでほしい、という話を発言する。

しかしこの説の裏には追及を否定する、あるいは緩和の気持ちが見え隠れする。
現場にいる多数の人間の努力を思う気持ちは十分わかるが、それに言及するにこのような無知で無感覚な論を聞くと、その人の浅い知性にいらっとする。

海外から眺めると今現在そこにある日本の危機が見えないものらしい。

今彼女が思いを馳せなければならないのは、なぜ日本でこのような追及がなされているのかという事実を見ることだ。

オブラートに包んだいい方の底にできれば権力への波及を避けたいという思いがのぞく。一方では次官の女性スキャンダルの非については声が大きくなった。自身の意識が
この人には、「国力が衰えていく、すなわち国民を遂行的に形成してゆく「夢」が(ついに)なくなったということ」が見えていない、しかし身近に感じる自身の周辺の出来事には特別の意識をもつこの偏りが大きな問題。

 

f:id:greengreengrass:20180419102928j:plain


往々にして人は豹変する。しかしその豹変のタイミングおよび理由が重要だ。

デビュー当初は、歌舞伎の女形のような形を目指し、一種そこまで(やるか)という芸風で、かつその芸風が受けないとなれば豹変、他の芸風を探し求める。

ある時から急に、猥褻なことも表現し始める堅物のアナウンサーなどそれらしき軟弱な人が跋扈する世の中になった。

表現者は特に第一印象が大事なのだ。その第一印象を大きく変えるにはそれなりの理由がなければならない。(多くは金銭的という)一種薄弱な理由でその表現方法を変える人格が好きになれない。


アメリカでは、「日本国の総理」がトランプ大統領の庇護のもと安心して、発言している。
「われわれの圧力によって北朝鮮はやっと折れた。トランプ大統領にはしっかりと拉致の事をいってもらう」だって。
あなたが拉致問題を言わなくて誰が言うのだ。拉致を日本ではなくどこかの国の事件だと思っているのか言葉は軽い。
ネトウヨレベルの「あ」さんを相手に論戦を組まなければならない不幸、なってはいけない人が総理になった日本という国の不幸はどこまでも続く。

 しかし、市民の評価だけはかれも親を乗り越え祖父岸信介の地位に近づけたようだ、彼も本望だろう。
五十数年前に彼の祖父(岸信介首相)が多くの市民によって親しく声を大にして罵倒されたように「あ」さん(安倍晋三首相)も国会前の市民によって代表されるように市民から罵倒されている。

それにしても、村上春樹も気が付いているかどうか日本語の七五調はラップリズムによく乗る。
 往年の「アンポォフンサイ」が「コンナノウソダ」「アベッワ、ヤメッロ」「カンリョガンバレ」「サヨナラシンゾ」と変わって調子に乗れる。それこそ軽いノリで市民が躍る。

官僚二流、経済三流、検察四流、政治五流、倫理六流。
日本システムはすべからく失墜した。
東アジアでの地位も埋没し、それこそ外交では北朝鮮にさえ置いてきぼりにされた。それもこれも全部「あ」さんのおかげだ、

REMEMBER3.11

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 28 線路は続く14

線路は続く 目次

線路は続く14 海外の鉄道改革

海外の鉄道に対する哲学

下記資料は古いが代表的な世界各国の都市における鉄道運賃収入割合は以下になる。
(欧米各都市ではこの時代から運営費に対する補助金(収入不足分)給付が続いている)当然100を越えれば不足分はないので補助金は支給されない。

世界各都市の交通機関
直接運営費に対する運賃回収比率
  1980年 1991年
ロンドントランスポート 78 84
RATP(パリ) 74 43
トロント 72 68
ブリュッセル 30 28
ミラノ 23 28
ストックホルム 32 30
コペンハーゲン 58 52
ミュンヘン 60 42
ウィーン 50 50
チューリッヒ 63 66
大阪市 108 137
営団地下鉄 171 170
阪急電車 123 123

「わが国の都市鉄道整備補助制度についての一考察」正司健一より
欧米の特に都市公共旅客輸送では運輸に係る人件費や燃料費等の直接経費を含んだ部分を運輸収入で賄えない場合でもその不足分を補助金で給付している。
 欧米では、運輸事業のサービス維持について、市民生活にとってまた都市経営にとって不可欠であるか否かとの判断からその存廃を考えている。
イギリスでは1975年に「許された財源のもと乗車人マイルの最大化を図ること」を企業目的とするようになった。

イギリスの鉄道

 イギリスの国鉄はイギリス交通委員会(BTC)の執行機関が運営していたか、1963年に独立してイギリス国鉄となった。その初代総裁リチャード・ビーチング博士が1969年の収支均衡を目指してビーチングプランを策定した。その後1993年に鉄道法が施行され翌年1994年から新たな鉄道改革がスタートした。
改革の特徴は、
1鉄道旅客運輸事業と鉄道インフラ事業の分離(上下分離)

2鉄道輸送事業への期間限定営業免許の導入

国鉄各部門の民営化

4貨物のオープンアクセス

この改革によって鉄道線路の保有会社として「レールトラック」(レールトラックはダイヤ編成・運行管理・列車指令も行った)、そして旅客鉄道会社(TOC)25社、貨物鉄道会社6社、車両リース会社3社、信号保守会社14社などおよそ100の組織・機関が誕生した。

設立された民間会社レールトラックは、順調に利益を計上し、株式配当も行っていた。

しかし受け取る線路使用料を、鉄道ネットワークの整備や近代化に充当することになっていたが、充分その機能を発揮できず、1999年10月と2000年10月に連続して起こった二つの列車事故により破たんした。
その破たんしたレールトラックの事業を受け継いだのは非営利組織である「ネットワークレール」でその収益を全て鉄道整備に当てられることになった。鉄道線路保有組織は株式会社から非営利団体の公的セクターへと転換した。
しかし旅客鉄道路線の大部分は採算がとれていない。そのため社会的に重要と思われる路線について欠損を政府が補助金として補填した。上記各TOC25社はその補助金を含むという期間契約で事業を行った。1991年から2005年の平均で補助金の割合は38%程度になる。

ドイツの鉄道

 ドイツ鉄道は1994年、東西ドイツの合併によりそれまでの国営鉄道から政府100%出資の株式会社となった。1999年には持株会社となり傘下に以下の6社が設けられた。
DB Fernverkehr(DBフェルンフェアケーア) 

長距離旅客列車の運行を担当

DB Regio(DBレギオ)

短距離旅客列車の運行を担当

DB Stadtverkehr(DBシュタットフェアケーア)

都市内の交通を担当

Railion(レールオン)

貨物列車の運行を担当

DB Station & Service(DBステーション & サービス)

駅の運営管理を担当

DB Netz(DBネッツ)

軌道の保守管理を担当

そして2008年1月からは以下の3社に集約された
DB Bahn(DBバーン)

旅客列車の運行を担当、長距離輸送・地域輸送・カートレインを含む

DB Schenker(DBシェンカー)

貨物列車の運行を担当。国内の貨物輸送だけでなく国際物流にも進出しており、日本の西濃運輸などとも提携している。

DB Netze(DBネッツェ)

軌道の保守管理、駅の運営管理を担当

ドイツでは高速道路(アウトバーン)が無料(注1)であるため、バスに有利な鉄道とバスの競合が懸念された。そのため、鉄道路線のあるところではバスの営業が認められないことになっている。(「EUとドイツにおける鉄道政策」より)
(注1)近年は大型トラックに有料化の動きがある。
またドイツでは鉱油税を財源として公共交通の施設整備への助成を連邦と州が行う。

ハンブルグで地下鉄、路面電車、バスを運行するHHA社(ハンブルグ高架鉄道株式会社)は98%の株式をハンブルグ市が保有する。HHA社は自社で運行するバスと地下鉄、路面電車をゾーン制の均一運賃に変更し、同一ゾーン内ならば乗換の有無にかかわらず一定運賃とした。
ドイツには各地に運輸連合があり、共通運賃制度、運賃率の決定、交通計画の作成、各交通事業者の調整、収入配分、行政からの助成金の分配等を行っている。

運輸連合の営業支出に対する運輸収入の割合は、例えばミュンヘン運輸連合では44.2%(1973年)、61.1%(1980年)、58.3%(1984年)となっている。つまり補助金の割合が、40%から50%を占める。他の連合でも50%前後の比率となっている。

ドイツの鉄道助成金(下記表は主に公共交通の施設整備への助成)

ドイツの鉱油税による助成金額の推移
  税額/リッター 税収総額 助成金額100万マルク
  単位ペニヒ 100万マルク 道路 公共近距離旅客輸送
  ガソリン 軽油     億円:70円/マルク
1964 32 30        
1966       342.40 252.8 177.0
1967 35 33 9423 443.60 342.3 239.6
1968       539.00 403.1 282.2
1969       500.40 486.5 340.6
1971       538.70 631.2 441.8
1972 38 37 14227 863.70 886.7 620.7
1973 41 39 16598 1080.90 875.6 612.9
1974 44 42 16052 1109.80 1014.9 710.4
1975       990.30 1087.4 761.2
1976       1143.30 998.8 699.2
1977       953.30 1116.8 781.8
1978       1030.80 1155.8 809.1
1979       1138.80 1267.9 887.5
1980       1092.90 1272.6 890.8
1981 49 44 21351 1087.50 1296.4 907.5
1982 51 45 22835 1086.20 1448.6 1014.0
1983       1188.10 1355.8 949.1
1984       1141.10 1360 952.0
1985 50 45 24521 1222.60 1403.3 982.3
1986       1249.90 1358.6 951.0
1987       1377.90 1457.2 1020.0
1988       1212.10 1471.5 1030.1
1989 57 45 32965 1215.40 1408.6 986.0
1990       1211.20 1408.1 985.7
1991.1 60 50 47266 2362.40 2131.9 1492.3
1991.7 71 50
1992 82 55 55166 3460.80 3307 2314.9
1993       2153.40 3949.8 2764.9
1994 98 62 63847 2053.50 4073.5 2851.5
1995       2015.20 4032.5 2822.8
1996       2152.20 3851.8 2696.3
1997       1650.50 1876.2 1313.3
1998 104 68 66694 1622.90 1618.1 1132.7
1999       1572.10 1593.2 1115.2
2000 110 74 73930 1658.90 1516.9 1061.8
2001 115 80 79602 1629.00 1510.7 1057.5
2002 121 86 82516 1657.80 1622.2 1135.5
2003 127 92 84472 1686.10 1655.6 1158.9

「ドイツにおける公共近距離旅客輸送の助成とその成果」青木真美より

 


日本の鉄道に対する助成

日本の鉄道に対する助成金

f:id:greengreengrass:20180416112816p:plain
海外では鉄道を公でささえるという哲学が広まっている。上記にあげたイギリス、ドイツもその例であるが、鉄道先進国フランスではさらに進んだ鉄道優遇策もあるようだ。

「都市交通税」フランスの都市交通事業者はその経営形態はきわめて多様(株式会社・公社・第三セクター等)であるが、全体として運賃収入は二割程度であり、その他は公的な「都市交通税」という制度による財源で運営されている。
これは「一定規模以上の都市で事業を営む法人(雇用主)は公共交通システムの受益者であるから、その受益に対して適正な負担に応じる義務がある」という考え方により導入された制度である。
都市共同体ごとに市町村の規模の大小により税率が決められ、都市圏内にある一定規模以上の企業から従業員の給与総額に基づき徴収される。
ナント都市圏では、その税率は1.8%で、従業員12人以上のすべての企業が対象であるが、社員に他の交通手段を利用させている場合は免除される。
また、都市圏内の24の市町村が都市交通税の対象となり、周辺の農村部などは除外されているという。この都市交通税という特定財源や運賃収入などの一般財源と、運営費に対する補助金制度が公共交通システムの運営を支えている。

日本でもその先駆けとなるような考え方は芽生えている。

greengreengrass.hatenadiary.jp

鉄道についての哲学を深めていく

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 29 線路は続く15 へ進む- 紙つぶて 細く永く

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 27 線路は続く13 に戻る- 紙つぶて 細く永く

REMEMBER3.11

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 27 線路は続く13

線路は続く 目次

線路は続く13 内部補助について

内部補助とはなにか

今回は内部補助の是非について考える。
一体内部補助とは何か、という一般的説明から。

内部補助JRのような大型事業体の場合には、他の黒字線区の黒字で不採算路線の赤字を埋め合わせるということが行なわれた。
これらによってはじめて不採算公共交通の維持は可能なわけである。しかしこれらの補助が本当に望ましいものなのか。「内部補助」とは10年前の国鉄改革に際し、国鉄崩壊の原因として罪悪視された補助形態のことである。
それは都市部の通勤線などの黒字によって、地方を中心とした赤字ローカル線の赤字部分を埋め合わせる方法である。しかし国鉄の場合、これらの赤字が多すぎて黒字を食いつぶしてもなお、まだ赤字の穴が埋まらない状況だったのである。
http://www.ikkyo-tekken.org/studies/1996/1996_2131.pdf


上記のような観点、すなわちある組織の中で黒字部門から赤字部門への補填が行われることを内部補助という。一方国交省は内部補助について以下のように述べている。

内部補助(4)鉄道事業者が複数の路線において鉄道輸送サービスを提供している場合等  鉄道事業者が複数の路線を経営している場合等における内部補助の取扱いは、当該事業者の経営判断に属する事項である。
 なお、複数の路線において鉄道輸送サービスを提供している鉄道事業者が退出を行おうとする場合は、
 自らが経営する路線網との相違を含めた当該路線に係る経営内容等に関し、情報提供を行うことが求められる。
 JR各社が退出を行おうとする場合の経営内容等の情報提供においては、分割民営化時に当時の不採算路線も含め、事業全体で採算が確保できるよう所要の政策的措置を講じたという他の鉄道事業者には見られない事情を踏まえ、分割民営化後の状況変化等について所要の説明責任を果たしていく必要がある。

(5)収支採算の確保が困難な路線における鉄道輸送サービスに対する行政の関与のあり方
最大限の努力にも関わらず収支採算の確保が困難な鉄道路線は、前述したように、
一般的に需要が小さく、鉄道輸送サービスの持つ優位性を十分に発揮できない状況にある。
また輸送コスト面でもバス等の自動車輸送の方が経済的であるのが通例であり、
これらは、より適切な輸送モードへの転換を図ることが適当である。
しかしながら、当該路線における鉄道輸送サービスが廃止された場合、バス等による適切な輸送サービスの確保が困難で、
 かつ、地域の生活等に著しい障害を生ずるというケースも想定される。
このようなケースにおいては、鉄道事業者の助成申請に基づき国が地方公共団体と協議した上で、
 地域における適切な輸送サービスの確保を図る観点から政策的に維持すべき鉄道路線として、国・地方公共団体が助成することとする。
 今後、支援措置の適切な活用も含め、その助成のあり方についてさらに検討すべきである。
ただし、当該路線のおかれている状況にかんがみ、政策的に維持するとしてもより適切なモードによる代替輸送サービスの提供が可能となるまでの間の措置とし、
速やかにより適切な輸送モードへの転換を図る必要がある。
また、地方公共団体が独自に地域振興等の観点から鉄道輸送サービスを存続するのが望ましいと判断する場合には、当該地方公共団体が助成を行って維持すべきである。
これら政策的支援を受けていない路線における鉄道輸送サービスは、鉄道事業者経営判断により、内部補助をもって維持するか又は廃止を選択することになる。

組織(鉄道事業者)として黒字であれば一部路線の営業係数が大きくても赤字路線の廃線を認めない、とはいいません、あくまでも赤字路線単体を考慮して、代替交通や廃線を考えるということ。

ここでトヨタ自動車を考える。
トヨタ自動車は日本全国はもちろん世界各国で自動車を販売している。
庶民的な車種として人気がある?「passo」の販売価格をHPから見ると、以下のようになる。

トヨタpasso価格

グレード 駆動 メーカー希望小売価格*1 北海道地区メーカー希望小売価格*2
X“G package”見積りシミュレーション 2WD 1,447,200円(消費税抜き1,340,000円) 1,469,880円(消費税抜き1,361,000円)
X“G package”見積りシミュレーション 4WD 1,620,000円(消費税抜き1,500,000円) 1,642,680円(消費税抜き1,521,000円)

北海道地区を除く日本各地の価格と北海道地区の価格が掲載されている。工場から北海道への輸送費と寒冷地仕様の追加を考慮すると1台あたり約21000円1.5%コストアップになるようだ。
北海道以外での販売価格は同じになっている。
北海道地区の価格upの主なものとして北海道向けには寒冷地仕様となり冬季対策の部品設備が別途着くというコスト増によるようだ。

 

続いて同じくトヨタのvitzを調べた。

トヨタvitz価格

価格&グレード

 燃費エンジン・
ハイブリッド
システム駆動乗車定員価格 特別仕様車 HYBRID SYNERGY DRIVE特別仕様車 HYBRID F“Safety Edition”34.4km/L1.5L
+モーター2WD5人乗り1,879,200円

特別仕様車 F“Safety Edition”18.0*2〜25.0
km/L1.0〜1.3L2WD/4WD5人乗り1,384,560円~

HYBRID SYNERGY DRIVEHYBRID U/HYBRID U“Sportyパッケージ”34.4km/L1.5L
+モーター2WD5人乗り2,087,640円~

U/U“Sportyパッケージ”18.0*2〜25.0
km/L1.3L2WD/4WD5人乗り1,798,200円〜

HYBRID SYNERGY DRIVEHYBRID F34.4km/L1.5L
+モーター2WD5人乗り1,819,800円〜

F/F“SMART STOPパッケージ”/F“Mパッケージ”18.0*2〜25.0
km/L1.0〜1.3L2WD/4WD5人乗り1,181,520円〜

こちらは車種グレードごとに全国一本の価格だ。

これらの車を購入する場合当然日本各地で自動車を買い求める地域によって、製造工場からの運送費は異なるはずだが、販売価格は一定になっている。
北海道仕様車のあるpassoはその特別部品の有無で価格は異なるが、控えめに見ても北海道以外での購入価格は一定だ。
工場からの距離に比例して運送費用は逓増すると推定される、それを一定の価格で販売するということは、内部補助が行われていることになる。
調べてみたところpassoは多く、トヨタの子会社であるダイハツ池田工場製造ということになっているので、ダイハツの池田工場(立地:大阪府池田市)からの距離に比例し、京都や名古屋、東京、福岡それぞれ運送費はことなるが、その差はトヨタとして調整します、ということだろう。
つまり、大阪池田で購入すれば運送費用は例えば1000円、京都で購入すれば運送経費は同じく2000円、名古屋で購入すれば運送経費は3000円、東京で購入すれば運送経費は3500円、沖縄で購入すれば運送経費は10000円必要だがまとめて差額なしにします、すなわち大阪池田で購入する人は、沖縄の運送費用のいくらかを間接的に負担していることになる。
多かれ少なかれ、このような価格設定はどのような企業でも行われていることで、このような価格設定が出来なければ企業として成り立たないことにもなる。

これは「他の黒字線区の黒字で不採算路線の赤字を埋め合わせる」内部補助に他ならない。
より一層内部補助のわかりやすい例を。
郵便料金だ。

郵便料金の例

ハガキは1通日本全国どこへでも62円で届く。封筒は1通82円だ。
例えば東京から神奈川県にハガキを送る場合と東京から青森へハガキを送る場合で、かかるコストは異なるはずであるが、料金は同じ62円である。東京-神奈川の1通の配送コスト部分から東京-青森の配送コスト不足部分を賄っていることにより62円という料金は成り立っている。

次に鉄道事業者JR東海を見る。

JR東海の内部補助

JR東海営業係数
路線名 平均通過人員 営業係数
飯田線 1857 193.3
関西線 13701 101.0
紀勢線 1818 195.0
御殿場線 6973 118.8
参宮線 1769 197.2
太多線 5204 201.5
高山線 3303 153.3
武豊線 8994 177.3
中央線 28648 90.6
東海道線 46366 86.9
身延線 3026 158.6
名松線 240 414.7
東海道新幹線 248560 60.8
注:旧国鉄で平均通過人員4000未満が特定地方交通線

(原典は週刊東洋経済「経済鉄道2018」より)

上記表で営業係数欄は、100円の鉄道収益をあげるのに経費として何円必要かを示す、飯田線は193.3円必要、名松線は414.7円かかるということだ。
これら赤字線区は実質的にJR東海東海道線や中央線そして東海道新幹線の黒字による内部補助を受けている。

内部補助の弊害論

次に内部補助の弊害とされるのが、主に地方交通線の赤字穴埋めのためにまったく縁もゆかりもない都市圏の黒字から配分される、すなわち資源配分からのロスという観点である。
この点は上記にあげた会社にも考慮するとおかしなことになる。
 企業とするならば、補助度合いの差はあれこのような基準を設けないことには活動できないことにもなる。トヨタの車であれカルビーのポテトチップであれ日清食品の「どん兵衛」であれ、岩波書店広辞苑であれ郵便局のはがきであれソニーのエクスペリアであれ日本全国同じ価格だ。資源配分のロスという概念は装置産業には向かない。

 また地方交通線を含め既存の路線は多くが数十年以上の歴史を持つ、かつかって鉄道省時代を含め、国鉄として一体で運営されていたという事実がある。東京から和歌山勝浦まで鉄道で行くために鉄路が引かれた。つまり東京から紀伊勝浦に行くためには東海道線紀勢線は一体なのである。
そして産業界をみるならば上記にあげるように程度の差こそあれ、多数の企業で内部補助と同じような価格構成がとられている。

鉄道の運賃は以下のように国交省によるガイドラインがある。

http://www.mlit.go.jp/tetudo/sonota/10_03.html

運賃・料金の概要運賃及び料金の上限の設定及び変更は国土交通大臣の認可を受けることになりますが、上限の範囲内で定める運賃等(同法16条第3項)や特急料金(新幹線鉄道に係るものを除く)、グリーン料金、寝台料金、座席指定料金等(同法16条第4項)の設定、変更は事前の届出でよいとされています。
 また、回数旅客運賃や運賃及び料金の支払いのためのプリペイドカード等の割引や、適用する期間、区間、その他の条件を定めて行う運賃・料金の割引も割引率に関係なく届出でよいとされています。
 なお、入場料金、払戻手数料等については、無規制となっています。

 

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 28 -「線路は続く14 」へ進む- 紙つぶて 細く永く

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 21 -「線路は続く12」へ戻る 紙つぶて 細く永く

REMEMBER3.11

政治家(屋)力学

政治にも力学があるらしい。

「あ」という政治家と、「い」という政治家がいるとする。
そして-あ-という政治家が権力を握ったとする。そこで-い-はどういう態度をとるか。
安倍晋三の略で「あ」、石破茂の略で「い」ではありません。念のため。

 

以下にその各態度をパターン分類

A摺り寄りパターン

自身の立ち位置を変え、揉み手して権力者あに少しでも近づく。

B呑気パターン

あが権力を握ったことを重大に考えない。ポカーンとしている。

C集(たか)りパターン

権力(金力?)のおこぼれにあずかろうということが目的でよいしょする。

D足手まといパターン

動かなけりゃいいのにかってに動き回り権力者あの足を引っ張る。

E孤立峰パターン

泰然自若自身の道を変わらず歩む。

Fあっけにとられパターン

なんであが総理と、あれよあれよと思う間に権力者あに大差をあけられる。

G信念放棄パターン

自身の信念もなにも捨てて、それこそ権力者あの代弁のようにふるまう。

H野党もどきパターン

一応、その時の注目テーマを第三者的に批判する。

頭に思い浮かぶ議員例はありますが、皆さんで考えお楽しみください。
ただGは河野太郎です。権力者と同じく三代目のなんとやらでお互いに日本システム劣化に尽力ください。
あとはご自由に・・

REMEMBER3.11

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 26 三江線終

三江線経由で二十数年振りに広島を訪れた。

第九列車


よく晴れた日だった。広島駅から市内電車に乗り原爆ドームに向かった。
広島駅は富山駅とよく似ていた。

f:id:greengreengrass:20170220120239j:plain
こちらが富山駅

f:id:greengreengrass:20180401095653j:plainこちらが広島駅

まあ最近の駅はどこも同じ素材を使うことも影響しているのか結果的によく似てくるのだろうな。

 

広島駅から広島電鉄LRTで10分ほど、原爆ドームに着いた。

f:id:greengreengrass:20180327215650j:plain

f:id:greengreengrass:20180401100324j:plain
訪れた時に空にはほとんど雲もなかった。3月の半ばの平日で暑くもなく散歩にも最適の日和だった。
史上初の原爆投下の日1945年8月6日も雲一つない青空だった。
原爆ドームの周囲を巡っていると、丁度ボランティアガイドの解説に出会った。10人ほどが輪になってその解説に聞き入っていた。

f:id:greengreengrass:20180401162042j:plain

 原爆投下に際しては広島を含め全国の中核都市でそれまでに空襲の被害を受けていないところを目的地の候補とされた。その中に京都も入っていたと以前の記事で読んだことがあった。その場合の目印は・梅小路機関車庫だった。
だが最終的に広島が人類史上最初の核爆撃地とされた。
 ガイドは村上君という広島の25才。

25歳が原爆を伝えるガイド日記(広島平和記念公園ガイド)

マリアナ諸島テニアン島を発ったエノラゲイは広島を目指した。かねてから目印として決めていた相生橋に差し掛かると3845m手前9000m上空で手順通りで原爆を投下した。

f:id:greengreengrass:20180401164410p:plain

右からの直線が投下軌道・左の円内が相生橋

相生橋は当時から現在と同じくTの字をした橋で、その特異な形状から上空からでも判別しやすいとされた。
空襲の被害を受けていない中核都市という設定は、原爆投下後に原爆による被害のみの影響を計測するのに好都合とされたからだそうだ。冷酷なほどの事前準備だった。

投下については地球の引力とエノラゲイの巡航速度の方程式で目標に当たると推定されたポイントが計算がされた。以下にその投下軌道が詳しく解説されている。

10代がつくる平和新聞 - ひろしま国:8.6探検隊【原爆はどこで投下された?】

f:id:greengreengrass:20180401170204p:plain
広島での原爆による直接死者は14万人と推計されている。その後も放射線の影響を受け被爆者手帳所持者数は(長崎と合わせ)20万人以上となっている。
あの原爆投下はその後の米軍人の被害を救ったのだという説があるが、原爆投下が無ければこれ以上の被害が米軍側にあったといえるのだろうか?
ほぼ戦争は終わりかけていたのではないだろうか。

村上君の説明は理路整然とわかりやすく、かつ多くの訪問者に親切な解説だった。
当日解説を受けた周囲には外国からの訪問者も多くいた。そして村上君のボスに三登さんがいる。
英語による解説は三登さん担当らしい。三登さん作成による、英語の案内冊子も置かれていた。三登さんは胎内被曝、被爆二世だ。
私たちが村上君に説明を受けている間、大勢の外国からの訪問者がその冊子に首っ引きだった。

f:id:greengreengrass:20180401171448j:plain

f:id:greengreengrass:20180401171156j:plain
全国各地インバウンドで観光客があふれている。が、ここ広島にも外国からの訪問者が多くいるということは少々意外だった。オバマ訪問の影響だろうか。

帰途時間が迫り原爆ドームを後にした。
やはり以前訪れたときの事は、原爆資料館に入ったという以外何をしたか意識に残っていなかった。
 唯一の被爆国・唯一の加爆国と考えながら重い心を引きずり、帰途に着いた。

第十列車

広島駅から糸崎行に乗る。広島発14時35分三原着15時49分 

第十一列車

5分の待ち合わせで三原発播州赤穂行きに乗る。当初はこれで岡山乗換姫路へと行く予定だった。ところがここで赤穂線が未乗車ということに気が付いた。
そこで15分ほど時間は遅れるが、赤穂線経由に切り替えた。
原発16時04分播州赤穂着18時53分

第十二列車

赤穂からは播州赤穂発19時京都着21時14分の新快速1本で帰着

f:id:greengreengrass:20180403103106p:plain

 

恒例今回の総決算

  経路 通常運賃 青春18きっぷ 差引
第一日 京都ー江津 7340 2370 -4970
特急:鳥取ー米子
特急券運賃含む)
2840 2840 -0
第二日 江津ー(広島)-京都 8960 2370 -6590
広島-原爆ドーム前(往復) 360 360 -0
集計   19500 7940 -11560

REMEMBER3.11

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 25 三江線4 へ戻る- 紙つぶて 細く永く

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 25 三江線4

三江線

f:id:greengreengrass:20180317145003p:plain

三江線で三次に着いた。
そこで気が付いた。事前の計画で時刻表を読み間違った。

f:id:greengreengrass:20180323115738j:plain


このページだけにA-B-Cという符合が割り振ってある。これを見落とした。
第七列車は江津発5時53分で三次着が9時21分 ちょうど9時28分発の広島行きがあると勘違いした。
しかし欄外に注意書きがあった。Aが毎日運転 Bが土休日運休 Cが土休日運転 だから本日13日は月曜日平日で9時28分発はない。
まだまだ時刻表の読みが浅いと反省した。結局1時間後の10時30分発「みよしライナー」になる。

第八列車

朝早かったのでここまで朝食抜きだった。ここで朝食、駅前にあった三次市交通観光センターでパンとコーヒー。
ここの駅前には広いスペースがあり、各地への高速バスが発着している。近年、大都市へ出向くには鉄道より料金も安く直行路線で眠ったまま行ける高速バスが多くなった。島根江津駅でも大阪方面から高速バスで乗り付ける人が多くいた。夜行高速バスで早朝に着き、近辺を観光し三江線往復、そして夜行バスで帰る、みたいな行程だろう。
合理的であると思うが、私は車窓外に流れる沿線の風景を眺めるのも、旅の大事なだいご味だと思う。高速道路で車窓外に流れる沿線の風景を堪能できるのだろうか。

青春18キッパー

各地で青春18きっぷの旅行者に出会う。この列車でも三江線で一緒だった、「ご婦人」から声をかけられた。お一人なのかなと思ったが、世間話を始めると、ご主人は腰が悪く、長時間列車にのれないとのことで列車旅は不参加らしい。
いつぞや長野オイコットに乗った時も単独のご婦人に出会ったが珍しいとはいえご婦人青春18キッパーが増えているのかもしれない。
私が列車乗り鉄歴は、東北大震災から東北へ行き始めたことからと話すとこのかたは、ご自宅が阪神大震災で全壊したそうだ。もちろんあの時もひどい揺れだった。
三世代同居で中学生のお孫さんが一人らしいが、さびしそうに「付いてきてくれない」と。でも車外の景色や各地の美味しい食べ物一人でも充分楽しめますよ、と私。

 

三次発広島着は11時58分。駅そばを食べ、駅前から広島電鉄原爆ドームに向かう。
広島はかって一回訪れたが知識に残らないほど前なのでこの機会にと平和公園にやってきた。 

f:id:greengreengrass:20180327165604p:plain

f:id:greengreengrass:20180327215650j:plain

余談だが広島には最新のLRT(上図)に混じって全国各地から路面電車が移籍している。
そして京都市電も活躍している。

f:id:greengreengrass:20180327215514j:plainこの電車は愛称西陣 これには乗れずに途中ですれ違った。

車両の紹介:単車|電車情報|広島電鉄

京都市電は広島電鉄のほか伊予鉄道でも現役で活躍しているらしい。

http://www.geocities.jp/kyototram/04hozon/hozon.htm

f:id:greengreengrass:20180328085611p:plain
快晴で気持ち良い日だった。

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 25 三江線終 へ進む- 紙つぶて 細く永く

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 24 三江線3へ戻る - 紙つぶて 細く永く

REMEMBER3.11

QGIS電子地図操作 第11回 QGIS3.0アップに伴う改編

QGISバージョン3.01

QGISバージョン3.01がアップされた。

f:id:greengreengrass:20180326121429p:plain
しかし

f:id:greengreengrass:20180305145106p:plain

データマネジメントツール

旧バージョン2.14にはあったデータマネジメントツールの「複数のシェープファイルを1つに結合する」上図がなくなった。

いつもは新しいバージョンがでると旧バージョンはアンインストールするのだが、今回は旧2.14も残していた。いまのところ旧バージョンで作業をしている。でもどこへいったのだろう・・

 


「複数のシェープファイルの結合」方法をみつけた。

f:id:greengreengrass:20180402105909p:plain
「ベクタ」-「データ管理ツール」-「ベクタレイヤの結合」と進む。
ベクタレイヤの結合が開くので入力レイヤの「・・・」をクリック

f:id:greengreengrass:20180402110039p:plain
開いた「複数選択」で結合したい順にラジオボタンを選択してゆく

f:id:greengreengrass:20180402110815p:plain
「変換先CRS」オプションを選択決定し、「結合された」の「・・・」をクリック保存先と保存ファイル形式を決定し「バックグラウンドで実行」
これでOKだった。

REMEMBER3.11