鉄道の開業
鉄道は人を物を運び各地の交流を深めた。日本では明治維新後その重要性から政府の手でまず、東京-横浜間と京都-神戸間の建設が決定された。
また全国を結ぶには巨額の費用が必要になるので、時の政府鉄道寮鉄道頭の井上勝は民間資本の活用を考えた。
1872年新橋-横浜(桜木町)間が開通し、1874年大阪-神戸間が開通した。
1880年開運町-札幌間が官営幌内鉄道により開通。
以降鉄道はあまねく延伸した。
そして国鉄路線の最長はどれくらいだったのか疑問がわいたので、国鉄路線最長はどの程度の距離だったのかを調べてみた。
いろいろ資料をあたってみたが、最長距離はおろか距離の変遷を追ったものすらない。
下図はQGISで1906(明治末)年の国鉄路線(その後国鉄所有となった路線)データ「国土数値情報 鉄道時系列」を図示した。
この国土数値情報には、供用開始年が記載されているが、組織の変遷によって路線が旧組織で廃止、新組織で使用開始ということになっているので、正確な廃止開始時期が不明なので、路線そのものの変遷は求められない。
不思議なのはその中でも、国鉄からJR各社への移籍だけはなぜか途切れずに路線使用が続いている。
したがって国鉄最後の路線延長も求められない。
*
停車場変遷大事典
いろいろ調べると1998年にJTBパブリッシングから停車場変遷大事典が刊行されていた。
その中に細かく国有鉄道の開業距離の変遷が出ていたので開業から5年単位で抽出した資料。停車場変遷大事典は1997年までの資料。
以下JTB停車場変遷大事典よる日付を採用
国有鉄道(国鉄-JR)延長距離の5年単位の変遷 | ||||||
年 | 距離km | 増加 % |
年度最終開通期間 (延伸のみ表示) |
記事 | ||
1872 | 27.51 | 6月12日品川-横浜間(仮開業) 10月15日新橋-品川間営業開始 |
この時期鉄道測量はマイル制 10月14日開業式 |
|||
1877 | 104.62 | 280.3 | 7月15日大津-大谷間 | この期間は 年末の数字 |
||
1882 | 161.00 | 53.9 | 8月15日直江津-関山間 | |||
1887 | 394.31 | 144.9 | 9月10日?熱田-亀崎間 | |||
1892 | 867.52 | 120.0 | 1891年1月12日深谷-長浜間 | 以降年度末数字 | ||
1897 | 1063.90 | 22.6 | 9月20日敦賀-金ケ崎間 | |||
1902 | 1709.24 | 60.7 | 11月1日境-御来屋間 | |||
1907 | 7152.08 | 318.4 | 10月1日津-山田間 | 九州鉄道・北海道鉄道 京都鉄道等移籍 |
||
1912 | 8395.94 | 17.4 | 2月20日小郡-山口間 | |||
1917 | 9657.77 | 15.0 | 1月25日立野-宮地間 | |||
1922 | 11273.59 | 16.7 | 3月25日阿久根-野田郷間 | |||
1927 | 13393.10 | 18.8 | 3月25日飯浦-須佐間 | |||
1932 | 15372.1 | 14.8 | 3月11日笹川-松岸間 | 1929年マイル測定廃止 | ||
1937 | 17934.0 | 16.7 | 12月15日前郷-西滝沢間 | |||
1942 | 18581.4 | 3.6 | 11月15日下関-門司間 | |||
1947 | 19752.3 | 6.3 | 12月12日会津田島-荒海間 | |||
1952 | 19902.6 | 0.8 | 3月26日吉野生-江川崎間 | |||
1957 | 20275.5 | 1.9 | 3月25日日生-伊部間 | |||
1962 | 20516.3 | 1.2 | 1月1日田井ノ瀬-東和歌山間 | 敦賀-今庄廃止 (北陸トンネル貫通) |
||
1967 | 20774.8 | 1.3 | 10月1日尼崎-尼崎市場間 | 1964年10月1日 東海道新幹線開通 |
||
1972 | 20924.2 | 0.7 | 12月15日勝原-九頭竜湖間 | 東海道・山陽新幹線 (新大阪-岡山開通) |
||
1977 | 21306.5 | 1.8 | 12月11日柳津-本吉間 | |||
1981 | 21421.1 | 注1 | 10月1日 新夕張-新得開通 国鉄史上最長距離 |
|||
1981 | 21418.8 | 0.5 | 同上 | |||
1982 | 21386.5 | -0.2 | 3月22日山本-唐津間 | 上越・東北新幹線 (大宮-新潟・盛岡開通) |
||
1983 | 21398.2 | 注2 | 7月5日岡谷-塩尻間 | 国鉄営業キロ最長 | ||
1983 | 21319.2 | -0.2 | 同上 | 白糠線白糠-北進廃止 以降地方交通線廃止が続く |
||
1987 | 21273.8 | -0.2 | 3月20日茶屋町-児島間 | JR発足 (新幹線営業キロ換算開始) |
||
1992 | 20216.7 | -5.0 | 3月18日尾張星の宮-枇杷島間 | |||
1997 | 20137.6 | -0.4 | 10月1日高崎-長野間北陸新幹線開通 |
注1 新幹線以外、国鉄時代は新幹線営業キロはそれぞれ並行在来線の増設線(別線の複線)扱いで計算されなかった。
注2 新幹線を含めたキロ数計算では1983年7月5日23431.7kmで最長となる。
国鉄路線最長の日1981年10月1日
1981(昭和56)年10月1日新夕張から新得駅間の石勝線が開通した。
(JTB停車場変遷大事典より)
*
ちなみに新幹線を含めた最長距離となった路線は下図 塩尻-みどり湖-岡谷間
REMEMBER3.11