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日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 33 線路は続く19

線路は続く 目次

エネルギー効率でみる交通機関

それぞれの交通機関では旅客を運び、貨物を運ぶ。

国交省に各交通機関の運輸した旅客・貨物の集計と運輸するのに使用したエネルギーの消費実績が公開されている。

http://www.mlit.go.jp/statistics/pdf/23000000x033.pdf

前回で注4とした、「輸送エネルギー効率」ランクは下記表から順位を作成した。

2009年輸送量 旅客
輸送機関 a上段・輸送旅客
単位:百万人キロ
a/b:1TJ当たり
輸送旅客
JRを100とした他機関の輸送指数 人キロあたりの消費エネルギー JRを100とした他機関のエネルギー指数
b下段・消費エネルギー単位:TJ(1012 J) 単位:百万人キロ 単位:キロJ
JR 244,247 2.624 100.0 381 100
93,070
民鉄 149,519 2.282 87.9 438 115
65,532
鉄道(計) 393,765 2.483 95.6 403 106
158,602
営業用バス 71,205 1.395 53.2 717 188
51,030
自家用バス 16,197 1.701 65.8 588 154
9,521
バス(計) 87,402 1.443 55.0 693 182
60,551
営業用乗用車
タクシーetc
10,155 0.150 6.7 6,666 1749
67,690
自家用乗用車
イカ
701,515 0.387 15.7 2,586 679
1,814,336
乗用車 (計) 711,670 0.378 14.4 2,645 694
1,882,027
自家用貨物車 99,649 0.583 22.2 1,714 450
170,842
旅客船 (内航) 3,073 0.058 2.2 17,157 4502
52,726
航空 (国内線) 75,235 0.620 24.6 1,614 423
121,405
総輸送量 1,370,794 0.560 21.4 1,784 468
2,446,152

 


鉄道・バス・自動車・船舶・飛行機と比べてみると鉄道が最も効率よく輸送を行っている。

輸送効率は鉄道を100とすると、バスで57.5、飛行機25.7、自動車で15.1、船舶で2.3となる。

自動車は鉄道の約6.6分の1の効率、また人一人を運ぶのに7倍のエネルギーが必要となっている。

2009年輸送量 貨物
輸送機関 a上段・輸送貨物
単位:百万トンキロ
a/b:1TJ当たり
輸送貨物
JRを100とした他機関の輸送指数 トンキロあたりの消費エネルギー JR貨物を100とした他機関のエネルギー指数
b下段・消費エネルギー
単位:TJ(1012 J)
単位:百万人キロ 単位:キロJ
JR貨物 20,349 2.26 100.0 442.0 100
9,018
民鉄 146 1.66 82.2 560.0 127
88
鉄道(計) 20,495 2.25 99.8 442.9 100
9,106
営業用自動車
(トラック)
293,227 0.48 20.3 2,099.9 475
615,742
自家用自動車
(トラック)
41,440 0.09 4.0 11,190.7 2532
463,745
自動車 (計) 334,667 0.31 13.4 3,225.6 730
,079,488
内航海運 167,315 1.81 81.6 553.6 125
92,619
航空 (国内線) 1,044 0.05 2.0 21,117.5 4778
22,044
総輸送量 523,521 0.44 19.2 2,133.5 483
1,203,257

いずれも 国土交通省「自動車輸送統計年報」、「航空輸送統計年報」、「鉄道統計年報」、「内航船舶輸送統計年報」より

貨物はさらに差が顕著で、鉄道100に比べ、内航海運で125、自動車は730、飛行機はなんと4778となる。

圧倒的に効率のよい輸送機関である鉄道、今すでにある鉄道路線を残さない手はない。

また叡智を絞り残す方法を探るべきだ。

すでに別会社となったJR7社、(内4社は民間株式会社になった)そのJR各社に総合的な鉄道維持政策を考えることは無理だろう。

やはり国、それも国交省ではなく政府としての政策立案が望まれる。

 

半減する鉄道路線

この章を作成中に、JR北海道の最終政策が発表された。

それは深刻なもので、JR北海道の路線は札幌を中心とし既存路線よりも半減した路線となる模様だ。以下が現時点の予想図

減りゆく路線

往時の栄光どこに

現在のJR北海道路線総延長距離2283.2km(留萌-増毛間16.7km含む)

維持困難な路線1237km 差引1046.2km

北海道新幹線延伸にともなう加減後の最終延長距離 1153.5km 50.5%となる。

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