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歴代天皇陵 遥かなる京都3

天皇陵所在地

継体天皇以降近世の天皇陵を表にした。 

繼體天皇以降近世までの歴代天皇陵
天皇名 生年 即位 退位 崩御 年齢 陵名 所在地
26 繼體(けいたい)天皇       531?   三嶋藍野陵 大阪府茨木市
27 安閑(あんかん)天皇       536?   古市高屋丘陵 大阪府羽曳野市
28 宣化(せんか)天皇       539?   身狭桃花鳥坂上陵 奈良県橿原市
29 欽明(きんめい)天皇       571?   桧隈坂合陵 奈良県高市
30 敏達(びだつ)天皇       585?   河内磯長中尾陵 大阪府南河内郡太子町
31 用明(ようめい)天皇       587?   河内磯長原陵 大阪府南河内郡太子町
32 崇峻(すしゅん)天皇       592?   倉梯岡陵 奈良県桜井市
33 推古(すいこ)天皇       628   磯長山田陵 大阪府南河内郡太子町
34 舒明(じょめい)天皇       641   押坂内陵 奈良県桜井市
35 皇極(こうぎょく)天皇 重祚            
36 孝德(こうとく)天皇       654   大阪磯長陵 大阪府南河内郡太子町
37 齊明(さいめい)天皇 重祚     661   越智崗上陵 奈良県高市
38 天智(てんぢ)天皇       672   山科陵 京都府京都市
39 弘文(こうぶん)天皇       672   長等山前陵 滋賀県大津市
40 天武(てんむ)天皇       686   桧隈大内陵 奈良県高市
41 持統(じとう)天皇              
42 文武(もんむ)天皇       707   桧隈安古岡上陵 奈良県高市
43 元明(げんめい)天皇       721   奈保山東陵 奈良県奈良市
44 元正(げんしょう)天皇       748   奈保山西陵 奈良県奈良市
45 聖武(しょうむ)天皇       756   佐保山南陵 奈良県奈良市
46 孝謙(こうけん)天皇 重祚            
47 淳仁(じゅんにん)天皇       765   淡路陵 兵庫県南あわじ市
48 稱德(しょうとく)天皇 重祚     770   高野陵 奈良県奈良市
49 光仁(こうにん)天皇       782   田原東陵 奈良県奈良市
50 桓武(かんむ)天皇 737 781   806 69 柏原陵 京都府京都市伏見区
天皇名 生年 即位 退位 崩御 年齢 陵名 所在地
51 平城(へいぜい)天皇 774 806 809 824 50 楊梅陵 奈良県奈良市佐紀町
52 嵯峨(さが)天皇 786 809 823 842 56 嵯峨山上陵 京都府京都市右京区
53 淳和(じゅんな)天皇 786 823 833 840 54 大原野西嶺上陵 京都府京都市西京区
54 仁明(にんみょう)天皇 810 833   850 40 深草陵 京都府京都市伏見区
55 文德(もんとく)天皇 827 850   858 31 田邑陵 京都府京都市右京区
56 淸和(せいわ)天皇 850 858 876 881 31 水尾山陵 京都府京都市右京区
57 陽成(ようぜい)天皇 869 876 884 949 80 神楽岡東陵 京都府京都市左京区
58 光孝(こうこう)天皇 830 884   887 57 後田邑陵 京都府京都市右京区
59 宇多(うだ)天皇 867 887 897 931 64 大内山陵 京都府京都市右京区
60 醍醐(だいご)天皇 885 897   930 45 後山科陵 京都府京都市伏見区
61 朱雀(すざく)天皇 923 930 946 952 29 醍醐陵 京都府京都市伏見区
62 村上(むらかみ)天皇 926 946   967 41 村上陵 京都府京都市右京区
63 冷泉(れいぜい)天皇 950 967 969 1011 61 桜本陵 京都府京都市左京区
64 圓融(えんゆう)天皇 959 969 984 991 32 後村上陵 京都府京都市右京区
65 花山(かざん)天皇 968 984 986 1008 40 紙屋川上陵 京都府京都市北区
66 一條(いちじょう)天皇 980 986   1011 31 円融寺北陵 京都府京都市右京区
67 三條(さんじょう)天皇 976 1011 1016 1017 41 北山陵 京都府京都市北区
68 後一條(ごいちじょう)天皇 1008 1016   1036 28 菩提樹院陵 京都府京都市左京区
69 後朱雀(ごすざく)天皇 1009 1036   1045 36 円乗寺陵 京都府京都市右京区
70 後冷泉(ごれいぜい)天皇 1025 1045   1068 43 円教寺陵 京都府京都市右京区
71 後三條(ごさんじょう)天皇 1034 1068   1073 39 円宗寺陵 京都府京都市右京区
72 白河(しらかわ)天皇 1053 1073 1087 1129 76 成菩提院陵 京都府京都市伏見区
73 堀河(ほりかわ)天皇 1079 1087   1107 28 後円教寺陵 京都府京都市右京区
74 鳥羽(とば)天皇 1103 1107 1123 1156 53 安楽寿院陵 京都府京都市伏見区
75 崇德(すとく)天皇 1119 1123 1142 1164 45 白峯陵 香川県坂出市青海町
天皇名 生年 即位 退位 崩御 年齢 陵名 所在地
76 近衞(このえ)天皇 1139 1142   1155 16 安楽寿院南陵 京都府京都市伏見区
77 後白河(ごしらかわ)天皇 1127 1155 1158 1192 65 法住寺陵 京都府京都市東山区
78 二條(にじょう)天皇 1143 1158 1165 1165 22 香隆寺陵 京都府京都市北区
79 六條(ろくじょう)天皇 1164 1165 1168 1176 12 清閑寺陵 京都府京都市東山区
80 高倉(たかくら)天皇 1161 1168 1180 1181 20 後清閑寺陵 京都府京都市東山区
81 安德(あんとく)天皇 1178 1180 1185 1185 7 阿弥陀寺陵 山口県下関市
82 後鳥羽(ごとば)天皇 1180 1183 1198 1239 59 大原陵 京都府京都市左京区
83 土御門(つちみかど)天皇 1195 1198 1210 1231 36 金原陵 京都府長岡京市
84 順德(じゅんとく)天皇 1197 1210 1221 1242 45 大原陵 京都府京都市左京区
85 仲恭(ちゅうきょう)天皇 1218 1221 1221 1234 16 九条陵 京都府京都市伏見区
86 後堀河(ごほりかわ)天皇 1212 1221 1232 1234 22 観音寺陵 京都府京都市東山区
87 四條(しじょう)天皇 1231 1232 1242 1242 11 月輪陵 京都府京都市東山区
88 後嵯峨(ごさが)天皇 1220 1242 1246 1272 52 嵯峨南陵 京都府京都市右京区
89 後深草(ごふかくさ)天皇 1243 1246 1260 1304 61 深草北陵 京都府京都市伏見区
90 龜山(かめやま)天皇 1249 1260 1274 1305 56 亀山陵 京都府京都市右京区
91 後宇多(ごうだ)天皇 1267 1274 1287 1324 57 蓮華峯寺陵 京都府京都市右京区
92 伏見(ふしみ)天皇 1265 1287 1298 1317 52 深草北陵 京都府京都市伏見区
93 後伏見(ごふしみ)天皇 1288 1298 1301 1336 48
94 後二條(ごにじょう)天皇 1285 1301 1308 1308 23 北白河陵 京都府京都市左京区
95 花園(はなぞの)天皇 1297 1308 1318 1348 51 十楽院上陵 京都府京都市東山区
96 後醍醐(ごだいご)天皇 1288 1318   1339 51 塔尾陵 奈良県吉野郡吉野町
97 後村上(ごむらかみ)天皇 1328 1339   1368 40 桧尾陵 大阪府河内長野市
北朝 光厳天皇 1313 1331 1333 1364 51 山国陵 (常照皇寺内)
光明天皇 1322 1336 1348 1380 58 大光明寺陵 京都市伏見区桃山町
崇光天皇 1334 1348 1351 1398 64
天皇名 生年 即位 退位 崩御 年齢 陵名 所在地
98 長慶(ちょうけい)天皇 1343 1368 1383 1394 51 嵯峨東陵 京都府京都市右京区
99 後龜山(ごかめやま)天皇 1350 1383 1392 1424 74 嵯峨小倉陵 京都府京都市右京区
100 後小松(ごこまつ)天皇 1377 1382 1392 1433 56 深草北陵 京都府京都市伏見区
101 稱光(しょうこう)天皇 1401 1412   1428 27
102 後花園(ごはなぞの)天皇 1419 1428 1464 1471 52 後山国陵 京都府京都市右京区
103 後土御門(ごつちみかど)天皇 1442 1464   1500 58 深草北陵 京都府京都市伏見区
104 後柏原(ごかしわばら)天皇 1464 1500   1526 62
105 後奈良(ごなら)天皇 1497 1526   1557 60
106 正親町(おおぎまち)天皇 1517 1557 1586 1593 76
107 後陽成(ごようぜい)天皇 1571 1586 1611 1617 46
108 後水尾(ごみずのお)天皇 1596 1611 1629 1680 84 月輪陵 京都府京都市東山区
109 明正(めいしょう)天皇 1624 1629 1643 1696 72
110 後光明(ごこうみょう)天皇 1633 1643   1654 21
111 後西(ごさい)天皇 1638 1655 1663 1685 47
112 靈元(れいげん)天皇 1654 1663 1687 1732 78
113 東山(ひがしやま)天皇 1675 1687 1709 1710 35
114 中御門(なかみかど)天皇 1702 1709 1735 1737 35
115 櫻町(さくらまち)天皇 1720 1735 1747 1750 30
116 桃園(ももぞの)天皇 1741 1747   1762 21
117 後櫻町(ごさくらまち)天皇 1740 1762 1771 1813 73
118 後桃園(ごももぞの)天皇 1758 1771   1779 21
119 光格(こうかく)天皇 1771 1780 1817 1840 69 後月輪陵 京都府京都市東山区
120 仁孝(にんこう)天皇 1800 1817   1846 46
121 孝明(こうめい)天皇 1831 1846   1867 36 後月輪東山陵 京都府京都市東山区

中世の朝廷を調べると武家政治となった鎌倉・室町以降の朝廷の財政は思った以上に困窮であった。

皇室と公家は戦国時代に所領を実効支配する力を失ったため、収入が途絶えた財政は窮乏することになった。

織田信長・豊臣秀吉は皇室に所領の一部を献上し、漸く朝廷として7千石分の禁裏御料を確保した。

また1601年に徳川家康は改めて1万石を禁裏御料として確定させ、以後江戸幕府は1623年と1705年にそれぞれ1万石ずつ所領を献上して以後3万石の禁裏御料となった。

つまり武家幕府により朝廷の財政は支えられていたことになる。

3万石というと同様の大名としては以下となる。

 

各藩石高1864年の石高
国名 藩名 石高
美濃 高須 3万石
出雲 広瀬 3万石
陸奥 磐城平 3万石
陸奥 福島 3万石
上野 安中 3万石
志摩 鳥羽 3万石
下野 烏山 3万石
上総 久留里 3万石
信濃 高島 3万石
美濃 今尾 3万石
下野 壬生 3万石
美濃 岩村 3万石
出羽 上山 3万石
安芸 広島新田 3万石
因幡 鹿奴 3万石
但馬 出石 3万石
伊予 吉田 3万石
陸奥 一関 3万石
肥後 宇土 3万石
越後 村松 3万石
蝦夷 福山 3万石

 

御料

下図は資料 旧高旧領取調帳データベース から作成した、御料(天皇領)の所在した村を地図上に載せた。

資料は江戸時代の最末期、幕府滅亡時点での分類。

村全体ではなくその一部が御料となる。

参考までに同時に天皇陵も記載した。

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現在の京都府山城地方から京都市山科、左京、京北、亀岡、園部位のエリアになる。

江戸時代になるともはや現奈良県内に御料はなかった。

中世朝廷の日常

江戸時代のころは、奈良戦国時代とは異なり、庶民にとって天皇は全く意識の中から消えていた。

天皇が御所の外に出ることはほとんどなく、庶民の目に触れることもなかった。

そうであるなら、多くの市民の脳裡には武家の姿は認められるが、公家やまして天皇のすがたはなかったに違いない。

江戸時代に入り、1651年4月15日(慶安4年2月25日)の後光明天皇による朝覲行幸以後、1863年4月28日(文久3年3月11日)の孝明天皇による上賀茂神社・下鴨神社行幸まで212年間行幸は行われなかった

天皇の「外出」高埜利彦は江戸幕府が社会に広く天皇の存在と権威を直接示すことを拒む朝廷統制策(「江戸幕府による行幸禁止政策」)があったとする。
 これに対して藤田覚は行幸の衰退・廃絶傾向は鎌倉時代後期から一貫して見られる現象であり、なおかつ財政的な問題もあったことから、それが江戸時代における朝廷側の行幸への消極的な姿勢につながっているとする。
また、鎌倉時代後期から行幸の衰退・廃絶について、佐古愛己は財政的な問題に加え、行幸に際して随行した公家たちの対する叙位が行われたことで、随員に選ばれず他者に超越される(位階を越される)ことになった公家の反発を招いて公家社会内部でのトラブルが深刻化したことにより、徳政の目標として「公平な人事」を求める声が高まり、叙位発生の原因となる行幸そのものが抑制された可能性を指摘する。   ウィキペディアより
  • 藤田覚『近世政治史と天皇』(吉川弘文館、1999年)第6章「天保期の朝廷と幕府-朝覲行幸再興を中心に」
  • 佐古愛己『平安貴族社会の秩序と昇進』(思文閣出版、2012年)補論2「中世公家社会における叙位の一考察」

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REMEMBER3.11