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京都歴史周遊 1 法然院1章

法然院

京都市左京区に法然院という京都としては小さな寺がある。

東山の麓。背後はすぐに山麓となる。

当時の京都(平安京)市中はいまよりもっと西にあった。

1000年頃は下図Aにあるように、都の中心は現在の京都市街の西よりにあり、鴨川から東は郊外、ほぼ原野で葬送の地だったようだ。

図A

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平安京条坊図 + Google Map | 歴史雑談録 より

図B

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法然院は名の通り法然上人が修行をした場所で、上の図Bで右側に赤い丸で大きく囲んだエリア付近にある。

そしてここは日本史で学んだ、承元の法難 - Wikipediaの場所でもある。

承元の法難1206年12月、後鳥羽上皇の熊野詣の折、法然門下の住蓮と安楽が東山鹿ケ谷で催した念仏集会へ宮中の女官数名が密かに参加した。この内数名の女官が感銘を受けそのまま出家、帰京しこの事を知った後鳥羽上皇が激怒し住蓮と安楽を逮捕し、主催の4人を死罪、関係未詳の親鸞を含む7人及びその師である法然の計8名を流刑とした。

承元の法難が1206年。さらにさかのぼると1177年上図Aの小さい赤丸付近で「」があった。

鹿ケ谷の陰謀俊寛は後白河法皇の側近で法勝寺執行の地位にあった。1177(安元3)年、藤原成親・西光らの平氏打倒の陰謀に加わって鹿ヶ谷の俊寛の山荘で密議が行われた(ただし、『愚管抄』によれば、信西の子・静賢の山荘で密談が行われたとされている)。だが、密告により陰謀は露見し、俊寛は藤原成経・平康頼と共に鬼界ヶ島(薩摩国)へ配流された。

この俊寛の地が法然院から近かった、と思い法然院へ行く寄り道に、俊寛山荘跡へ向かった。

俊寛山荘跡

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霊鑑寺の横に道案内の碑が立っている。

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この京都一周トレイルともなっている道を進む。少し坂になっているが舗装され散歩感覚だ。

京都一周トレイル東山コース - 紙つぶて 細く永く

しかし10分も進むと大いに変わる。

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ちょっとしたトレッキングです。特にこの近辺は、進む道は確保されているが台風の影響か倒木が多い。

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20分ほどで「楼門の滝」に到着。

そしてここに俊寛山荘跡があった。

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調べると

「この碑は俊寛山荘跡を示すものであるが、その根拠は碑文によれば建碑者西垣精之助の夢に出た場所であるという。」

しかしここは1935年西垣精之助氏によって建立された碑の意志を記憶しておこう。

そこで下山するつもりだったが、昔の記憶から大文字の火床まで近かった(んじゃないか)と思いさらに上を目指した。

この道は京都一周トレイルでもあるので、登山者は多い。

さらにトレイルランニングのご夫婦ともすれ違った。

この俊寛山荘跡にはそれこそ急角度の石段がある。よこに回り道が出来ているが殆どのトレッカーがこの急な石段を通る。

すれ違った高齢のご夫婦はご主人こそすっと下りて行ったが、長いスタジアムコート?を羽織った奥さんは少しふらつきながら危なっかしく下りていった。

今日はしっかり山の準備をしてこなかったが山用の靴だけは履いてきた。

そこから思った以上に歩いた。

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上図でみると「俊寛」の位置ですでに距離としては大文字火床を超えている。

京都一周トレイルを行くと大文字山三角点に到着した。

京都一周トレイル

京都一周トレイル東山は以下の部分を通る。

京都一周トレイルは大文字三角点から俊寛山荘跡経由、霊鑑寺から法然院前の洗心橋を渡って、銀閣寺橋へと向かう。

これは下図で分かる通り、途中哲学の道のごく一部になる。

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京都一周トレイルはこの哲学の道を挟むために俊寛山荘跡を経由としたのだろう。

この付近は急坂であったが、近辺の倒木の迂回等を考えると、大文字山三角点から大文字火床を経由、銀閣寺へ下りた後、銀閣寺から哲学の道を歩く方が安全だ。

とくに家族連れや高齢者にはそちらをお勧めする。

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哲学の道

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