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日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 63 線路は続く29

線路は続く 目次

鉄道にも業種がある。

鉄道事業法には鉄道事業を 「第一種鉄道事業」「第二種鉄道事業」「第三種鉄道事業」 に分類している。

そして第三種鉄道事業とは「鉄道路線を敷設して当該鉄道線路を第二種鉄道事業を経営する者に専ら使用させる事業」と定義している。

直通運輸(連絡運輸)

JRと民間鉄道やJR同士の直通運輸(連絡運輸)は以下のような形態で行われている。

直通運輸(連絡運輸)
  1. 郊外の鉄道線と地下鉄など、新規開業路線との直通運転
  2. 地下鉄や私鉄が本来のエリアを出たなどの場合に別会社が立ち上げられたもの
  3. JRと私鉄、または私鉄同士など、既存路線同士での直通運転
  4. 国鉄時代の未成線を開通させた、または国鉄・JR の不採算路線を引き継いだ第三セクター鉄道と JR 線との直通運転
  5. 整備新幹線の並行在来線として経営移管された第三セクター鉄道とJR 線、または第三セクター鉄道同士での直通運転

一橋大学鉄道研究会資料より

直通運輸か連絡運輸か

鉄道事業法第十八条には「連絡運輸」「直通運輸」という言葉が使われている。

鉄道事業法第十八条 鉄道運送事業者は、他の運送事業者と連絡運輸若しくは直通運輸又は運賃に関する協定その他の運輸に関する協定をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

鉄道事業法でいう、直通運輸・連絡運輸の解釈は、

「直通運輸」 鉄道会社同士が乗り入れする場合

「連絡運輸」 運輸事業者が連絡をとりながら運行 定期を1枚で発行等も含む

となるようだ。しかし

一般的解釈

多くの鉄道会社(相互)乗り入れは、免許とは関係なく直通運輸・連絡運輸を利用して行われている。

またそれを一般的に「連絡運輸」と総称している。

ようだ。

連絡運輸の実体

そこで連絡運輸の実体はどうか。

JR東海からメールで返事をいただいた。

「ご意見の中にもあります通り、一部弊社の列車が他社エリアに乗り入れを行っておりますが、事業はそのエリアを管理する会社が行っております。 そのため、米原~金沢間や新宮~紀伊勝浦間の事業はJR西日本が行っておりますので、上記区間での弊社の第二種鉄道事業者としての登録はございません。」

つまり車両を借用し運行する。

乗務員は境界駅で交代する。

この方式を「連絡運輸」と総称しているのだ。

片方向乗り入れ=直通運輸

まず下記北海道の例

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道南いさりび鉄道区間(木古内駅-五稜郭駅)は道南いさりび鉄道だけが走っている。

そして路線所有は道南いさりび鉄道だ。

JR北海道函館線と記したエリア(函館駅-五稜郭駅)は路線所有はJR北海道で、その上をJR北海道の車両と道南いさりび鉄道の車両が走っている。

つまり片方向乗り入れとなる。

区間 路線施設所有 鉄道運行会社 鉄道事業
木古内駅-
五稜郭駅
道南いさりび鉄道 道南いさりび鉄道 道南いさりび鉄道 第一種鉄道事業
五稜郭駅-
函館駅
JR北海道 JR北海道・
道南いさりび鉄道
道南いさりび鉄道 JR北海道
第一種鉄道事業
「直通運輸」

第三種鉄道事業

次に能登半島の例

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2000年4月にのと鉄道七尾線(輪島駅-穴水駅)が廃止となり、2004年4月に同じく能登線が廃止になった。

これによりのと鉄道所有の路線は無くなった。

そして現在JR西日本所有路線である七尾線一部区間(穴水駅-七尾駅)に、のと鉄道の車両が走っている。

この和倉温泉駅から穴水駅までは非電化区間で、JR西日本の車両も特急だけが和倉温泉駅まで乗り入れを行っている。 

この部分はJR西日本所有として残り第三種鉄道事業となっている。

のと鉄道HPに下記記載がある。

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上記ならすんなり行くところだが、JR西日本のHPには下記記載がある。

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のと鉄道HPでは

「第二種鉄道事業を七尾-穴水間で行っている」

となっている。

JR西日本HPでは

「第三種鉄道事業 七尾線([和倉温泉-穴水間])」

となっている。

ここでは第三種鉄道事業の定義「鉄道路線を敷設して当該鉄道線路を第二種鉄道事業を経営する者に専ら使用させる事業」に当てはめると、和倉温泉駅-七尾駅間が宙に浮く。

区間

路線施設所有 鉄道運行会社 鉄道事業
穴水駅-
和倉温泉駅
JR西日本 のと鉄道 のと鉄道第二種
鉄道事業区間
JR西日本第三種
鉄道事業区間
和倉温泉駅-
七尾駅
JR西日本 JR西日本 第一種鉄道事業

のと鉄道第二種鉄道事業区間は「穴水駅」から「和倉温泉駅」までで、和倉温泉駅から七尾駅間は直通運輸(一般的には連絡運輸)ということが正しいのではないか。

鉄道事業の各形態

第三セクターとJRに関して第二種・第三種鉄道事業・直通運輸・連絡運輸についてまとめると。

事業形態 第三種鉄道事業 連絡運輸 直通運輸
第二種鉄道事業 第一種鉄道事業 青春
18
きっぷ 
路線 他社第三 JR  
車両
職員
交代
列車
運行
JR 第三
青森県 本四備讃線 JR四国   ×
青い森鉄道 若井-窪川
JR西日本     のと鉄道 ×
のと鉄道     和倉-穴水
  のと鉄道
七尾-和倉
  紀勢線   道南いさりび鉄道
新宮-紀伊勝浦    函館-五稜郭
北陸線   しなの鉄道
米原-金沢   長野-篠ノ井
  しなの鉄道   ×
長野-豊野

「直通運輸」に関していえば青春18きっぷの使用可か否かは、保線費用が念頭にあるのだろう、路線がJR所有か否かで判断しているのではないか。

 この区間上記ならば青春18きっぷ使用可能と思われるが、のと鉄道和倉駅、穴水駅間はのと鉄道単独運行区間としてあえて不可としている。

(青春18きっぷ配分金が繰り入れられないのだ)

線路は続く 目次

 

2017/18/19年JRの決算より
  • JR北海道
    2017年3月決算赤字「▲525億7600万円」
    2018年3月決算赤字「▲559億8200万円」
    2019年3月決算赤字「▲520億円」
  • JR四国
    2017年3月決算赤字「▲119億0900万円」
    2018年3月決算赤字「▲123億3300万円」
    2019年3月決算赤字「▲128億6400万円」
  • JR東海
    2017年3月決算利益額「5870億円」
    2018年3月決算利益額「6127億8400万円」
    (2018年3月決算リニア新幹線関連投資額2500億円)
    2019年3月決算利益額「7097億7500万円」
    (2019年3月決算リニア新幹線関連投資額3100億円)

REMEMBER3.11