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日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 64 最長片道切符2

最長片道切符

1961年最初の「旅」から、最長片道切符というものがいろいろ研究されている。

JR(旧国鉄)の路線に限定し、同じ経路を通過しない最も長い距離の切符

当然ながら新駅開設や路線新設・廃止により変化する。

宮脇俊三氏による「最長片道切符の旅」。 1978年10月13日から12月20日までの34日間の旅行。その後半18日目から

鉄道路線・河川図はいずれも国土数値情報をもとに加工

中部の行程続き

第十八日目 小出駅5時36分発から十日町駅20時31分着まで

只見線を通過。「只見川はダムが連続しているので、川というよりは青緑色に淀んだダム湖の数珠つなぎになっている」

昔習った「日本版TVA」をおもいだすなあ。

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只見線・只見川ダム群

会津若松から新津まで急行乗車。

所要時間14時間55分

第十九日目 十日町駅6時21分発から津20時21分駅まで 直江津糸魚川間は特急乗車 糸魚川-松本は急行乗車 松本から名古屋は特急乗車

14時間

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1978年最長片道切符・中部2

近畿の行程

第二十日目 津駅8時20分発から京橋駅(時間不明)まで 多気駅から新宮駅間は急行、新宮駅和歌山駅間は特急、和歌山駅奈良駅間は急行にそれぞれ乗車。

 

第二十一日目 京橋駅6時42分発から高山駅18時05分着まで。柘植駅からオーバーラン山科駅ではなく京都駅まで急行乗車。京都駅からこれもオーバーラン近江塩津駅ではなく敦賀駅まで特急乗車。敦賀駅から米原駅まで特急乗車。岐阜駅から高山駅まで急行乗車。

11時間23分

第二十二日目 高山駅6時04分発から敦賀駅10時34分(所用で通過・米原駅)まで 富山駅から敦賀駅(所用で通過、米原駅まで)は特急乗車

4時間30分

第二十三日目 敦賀駅11時22分(通過)から京都駅18時31分着まで 米原駅から豊岡駅までと豊岡駅から京都駅間は急行乗車

7時間09分

第二十四日目 京都駅7時42分発から倉吉駅着18時23分まで 

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1978年最長片道切符・関西近辺

京都駅から西明石駅までは新幹線特急こだま乗車 再度大阪駅に戻り、大阪駅加古川駅は急行乗車。

「時刻表には新幹線こだま西明石駅の発車時刻は8時35分とのみあるが、こだまの新明石駅到着はそれよりも数分早い。新明石駅でこだまは後続のひかりに抜かれるダイヤのため4分停車するから推理できる」

西明石駅発8時37分の東海道線線上り快速に乗車し、大阪駅まで。そして大阪駅発9時50分の急行「だいせん1号」に乗車。

この結果大阪駅-尼崎駅間を往復することになるが、旅客営業取扱基準規程で指定された区間については、同区間のキロ数は含めないで運賃計算をします(定期券は除きます)。ただし、折り返し区間内では途中下車はできません、とあるので乗車OKとなる。

(JR・国鉄時代ともに同じ)

宿は倉吉駅から一つ手前の松崎駅まで戻った。

10時間41分

中国の行程

1978年最長片道切符・中国2

第二十五日目 昨夜の宿近くの駅「松崎駅」6時14分発から江津駅18時10分着まで。この列車は福知山駅発6時14分の普通列車である。

11時間56分

この時代は福知山発浜田行きという普通列車があったらしい。

1976年2月の時刻表で調べると、

福知山駅6時12分発、浜田駅19時42分着とある。距離384.8km13時間30分、これは現在の長距離普通列車リスト 1位 308.4km8時間19分 より大幅に長距離・長時間だ。

第二十六日目 江津駅6時24分発から岡山駅22時17分着まで

15時間53分

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1978年最長片道切符・四国

四国から再び中国の行程

第二十七日目 岡山駅6時7分発から北宇和島駅(不明・乗り越しで宇和島駅18時46分着)まで

宇野-高松間は宇高連絡船 高松駅徳島駅徳島駅阿波池田駅間は急行乗車

12時間39分

第二十八日目 北宇和島駅(不明・宇和島駅7時20分発)から三原駅着15時27分まで(所用で東京へ) 北宇和島駅(宇和島駅から乗車)-松山駅間は特急乗車 堀江-仁方間は仁堀連絡船乗車

8時間07分

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1978年最長片道切符・中国・九州

第二十九日目 三原駅11時7分発から益田駅18時39分着まで 小郡駅から津和野駅間は特急乗車

7時間32分

第三十日目 益田駅7時11分発から城野駅23時22分着まで 益田駅門司駅間は急行乗車

途中上り824列車(門司駅発5時20分福知山駅着23時51分)とすれ違う。

距離595.1km走行時間18時間31分 こちらが当時の長距離普通列車日本一。

小倉で宿泊

16時間11分

九州の行程

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1978年最長片道切符・九州北部

第三十一日目 城野駅(時間不明・小倉駅7時19分)発から佐賀駅21時14分着まで 

13時間55分

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1978年最長片道切符・北九州近辺

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1978年の九州北部付近国鉄路線

この部分についても上国鉄路線1978年と下JR路線を見比べると随分廃線になったところがある。

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現在の九州北部JR路線

第三十二日目 佐賀駅6時49分発から志布志駅20時36分着まで 熊本駅から大分駅までと、大分駅から宮崎駅までは急行乗車。

13時間47分

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1978年最長片道切符・九州

第三十三日目 志布志駅7時23分発から八代駅20時37分着まで

13時間14分。

宮脇氏はこの旅では途中風邪で寝込んだこともあり、最長片道切符の有効期限はこの日12月19日までだった。

八代駅まで着いた。ここで宿泊したいが、21時57分発の出水駅行があり、駅員から規則で下記旅客営業規則の継続上車船の手続きはできないと言われた。

継続乗車船 第155条
 乗車船中に通用期間を経過した当該使用乗車券は、下車船しないでそのまま乗車船する場合に限つて、その券面に表示された着駅までは、第147条の規定にかかわらず、これを使用することができる
この場合、接続駅において設備又は時間の関係上、旅客を一時出場させて、列車等に接続のため待合せをさせるときは、指定した列車等に乗り継ぐ場合に限り、継続乗車船しているものとみなす。

その駅員に「上記規定は、その日の列車のある限り、行けるところまで行ったお客様にしか継続乗車は認められないのです」、と説明され納得した。

第三十四日目 八代駅6時12分発から枕崎駅18時30分着まで。出水から川内間特急利用。ここで最長片道切符は完了した。

12時間18分

最長片道切符3へ進む

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2017/18/19年JRの決算より
  • JR北海道
    2017年3月決算赤字「▲525億7600万円」
    2018年3月決算赤字「▲559億8200万円」
    2019年3月決算赤字「▲520億円」
  • JR四国
    2017年3月決算赤字「▲119億0900万円」
    2018年3月決算赤字「▲123億3300万円」
    2019年3月決算赤字「▲128億6400万円」
  • JR東海
    2017年3月決算利益額「5870億円」
    2018年3月決算利益額「6127億8400万円」
    (2018年3月決算リニア新幹線関連投資額2500億円)
    2019年3月決算利益額「7097億7500万円」
    (2019年3月決算リニア新幹線関連投資額3100億円)

REMEMBER3.11