阿佐海岸鉄道DMVが走り出す
この春にも運行予定だった阿佐海岸鉄道のDMV(デュアル・モード・ビークル)は運行開始が少し延びている。
東京オリパラ前を目標にDMV営業運行開始に向けての準備を進めていたが、2021年6月25日開催のDMV技術評価検討会(国主催)で、車輪アームの補強等の対策が必要との評価を受け延期となった。
しかし年内にも運行される予定とのこと。
同社HPに大変詳しいQ&Aがあったのでご紹介。
DMVのルート
- Q1 鉄道(モード)は、どこを走るのですか?
- A 阿佐東線は海部ー宍喰ー甲浦の3駅8.5kmでしたが、DMV導入後は一つ北側の阿波海南駅が起点となり、阿波海南-海部-宍喰-甲浦の全4駅10kmとなります。
- Q2 バス(モード)は、どこを走るのですか?
- A 平日は阿波海南文化村ー阿波海南駅までと、甲浦駅ー海の駅東洋町ー道の駅宍喰温泉までを走ります。土日祝は1便のみ、むろと廃校水族館ー室戸世界ジオパークセンターー室戸岬ー海の駅とろむまで走る予定です。
- Q3 鉄道(モード)、バス(モード)はどの駅から乗降できますか?
- A 鉄道モード時は途中駅の海部駅、宍喰駅で従来のホームの傍に新設されたDMV用ホームから乗降できます。
- 阿波海南駅と甲浦駅はモードインターチェンジがあるので、ホームではなく新設の停留所で乗降できます。
- バスモード時の阿波海南文化村、海の駅東洋町、道の駅宍喰温泉、むろと廃校水族館、室戸世界ジオパークセンター、室戸岬、海の駅とろむは、新設の停留所で乗降できます。
- Q4 高知東部交通バスや徳島バス南部への乗り継ぎを甲浦駅でしていますが、どのようになりますか?
- A DMVでの運行開始後は乗り継ぎ場所が変わります。徳島バス南部や高知東部交通バスへの乗り継ぎは海の駅東洋町で行われる予定です。
- Q5 DMVは舗装していない道路を走ることはできますか?
- A 走行は可能ですが、走る予定はありません。
- Q6 DMVは街中や山道など狭い道路でも走れますか?
- A DMVはマイクロバスを改造している車両なので、マイクロバスが走行可能な道路は概ね走れます。(ボンネット<700mm程度>の分だけ、マイクロバスより長いです)
DMVの時刻
- Q7 JR牟岐線との乗り継ぎ時間はスムーズに行えますか?
- A ダイヤの検討にあたっては、JR牟岐線との乗り継ぎがスムーズにいくよう協議して参ります。
- Q8 営業時間は従来と同じですか(始発-終着)
- A 阿佐東線の利用状況(9時~15時の利用者が多い)を鑑みて運行時間は6時~19時とし、日中の運行を充実させる予定です。
- Q9 バスと鉄道を走ることでダイヤの時刻がずれることはありませんか?
- A 鉄道はバス以上に定時制が求められるため、ダイヤの検討時に注意が必要だと考えています。
DMVの運賃
- Q10 運賃はどうなりますか?
- A 平日ルートの片道運賃は大人800円を予定しております。(小人は半額、100円未満切り捨て)
- Q11 開業時に記念切符などの販売はありますか?
- A 前向きに検討いたしております。
- Q12 通勤・通学等定期券はバスモード、鉄道モード共通利用可能ですか?
- A お客様のニーズに応えれるよう検討して参りたいと考えています。
- Q13 予約指定は出来ますか?
- A 開業時の混雑や、ツアー、積み残しへの対応の為、乗車予約システムの導入を予定しております。
- Q14 Suicaなどの電子マネーは使えますか?
- A 現段階では検討内容に入っておりません。
- Q15 整理券、運賃箱はありますか?
- A 整理券、運賃箱は設置する予定です。
- Q16 両替機はありますか?
- A 車内が狭いため、両替機はございません。
DMVの車両
- Q17 定員は何名ですか?また座席数は何シートですか?
- A 定員は乗務員を入れて23人です、乗客用座席は18席あります。(定員数と座席数の差は、立ち席となります)
- Q18 バスと鉄道の切換(モードチェンジ)はどこでもできるのですか?
- A 阿波海南駅と甲浦駅にモードインターチェンジが設置されていて、そこでモードチェンジを行います。途中駅の海部駅と宍喰駅は道路に降りる事が出来ない為、モードインターチェンジは無く、モードチェンジも出来ません。
- Q19 鉄道からバスにモードチェンジ後はシートベルトが必要ですか?
- A 現時点で高速バスはシートベルトが必要、路線バスはしなくて良い事になっていますが、DMVではバスモードで走行中はシートベルトの着用を促す対応を予定しております。
- Q20 トイレは設置されていますか?
- A 車両にトイレはありません、各停車場近くのトイレをご利用ください。
- Q21 DMVは何台ありますか?これから台数が増える予定はありますか?
- A 運行開始時は3台です、増車については現時点では予定はございません。今後、運行状況に合わせて検討してまいります。
- Q22 DMVのサイズ・重量を教えてください。
- A 全長8060mm、全幅2090mm、全高2780mm、車両重量5850kg、車両総重量7115kgです。
- Q23 鉄路での操作はどのように行いますか?
- A 線路上はハンドル操作は必要ないのでハンドルは固定します。アクセルやブレーキは鉄道と違いバス同様のペダルを足で操作します。
- Q24 DMVは線路ではどのように走るのですか?
- A 線路上ではDMVの後部タイヤ4本の内、内側の2本が線路に乗り駆動して走ります、またブレーキもそのタイヤで行います。前鉄車輪には補助としてブレーキ機能がありますが鉄車輪(前後)には駆動力はなく、脱線しないようにガイド役となっています。
- Q25 DMVは連結運行出来るのですか?
- A 国が示す前提条件に「連結運行はしてはダメ」という記述があるため、連結運行は出来ません。しかし、車両の故障時に備えて簡易な連結器は備えています。
- Q26 DMVは鉄路でバックはしないのですか?
- A DMVは通常の鉄道車両と違って片運転席のため、非常時以外でのバック走行はしません。(バック走行の機能はあります)
- Q27 脱線はしないのですか?
- A DMVの鉄車輪は、脱線しないようフランジの角度を大きく(ほぼ直角)になっています。また、駆動輪であるゴムタイヤと後鉄車輪は、脱線しないよう常に荷重配分を変えながら走っています。
- Q28 DMVのエンジンと燃料の種類は何になりますか?
- A ディーゼルエンジンで燃料は軽油です。
- Q29 乗降のドアはどこになりますか?
- A DMVの乗降口は1か所で進行方向に向かって左側の車体中央部にあります。
- Q30 助手席には乗れますか?
- A 助手席は、DMV運転保安システムや鉄車輪の制御器などを搭載しているため、座席は無く乗れません。
- Q31 モードチェンジは自動ですか?
- A モードチェンジは安全を確認後、運転士がボタン操作で行います。モードチェンジは15秒程度で切り替わります。
- Q32 現在の車両とDMVの両方走るのですか?
- A 国が示す前提条件に「通常車両と混在して走らせてはダメ!専用線区として走らせること」という記述があるため、DMV車両のみの運行となります。
DMVのバリアフリー
- Q33 バリアフリー対応ですか?
- A 車両はバリアフリーの基準に対応できていない部分があります。ただし、DMVは車両が道路に降りることが可能であることから、例えば甲浦駅などは高架線上のホームではなく、駅舎の近くの停留所での乗り降りが可能となります。
- Q34 車いすの乗車は可能ですか?
- A DMVはマイクロバスをベース車両としていることから、車いすでの乗降は不可です。但し折り畳み式の車いすを収納して乗車することは出来ます。車いすでの乗降の際にはお問い合わせ下さい。
- Q35 障がい者の介助は対応可能ですか?
- A DMVはワンマン運行が基本となりますので、可能な限り介助者同伴でのご乗車をお願い致します。介助が必要な方はお問い合わせください。
- Q36 ノンステップですか?
- A ノンステップではありませんが、乗降用のステップが停車時に乗降口から出てまいります。
DMVの災害
- Q37 一般参加できるDMVでの防災訓練予定はありますか?
- A これまでは地域の小中学校生に参加頂き、避難訓練を実施しています。DMV運行後も要望などあれば町と相談して参ります。
- Q38 台風などで運休になる時はどちらかが運行する場合もあるのですか?
- A 鉄道・バスともに運転取扱が決定しておりませんので未定ですが、安全第一の運行を心がけたいと考えています。
DMVの観光
- Q39 団体利用は可能ですか?学校遠足利用時など台数を増やすことは可能ですか?
- A 貸切運行は路線バス事業の為出来ません。ただし団体利用に対応する為、運行台数を増やし事前予約での乗車システムを導入する予定です。
- Q40 バスガイドはいますか?(観光コンシェルジュ等)
- A 基本は、ワンマン(運転手のみ)での運行を考えております。
- Q41 通常運行以外での観光ツアーはありますか?
- A 観光事業者の意見も伺いたいと考えており、観光ツアーに合わせた運行計画についても今後の検討課題であります。
- Q42 県南以外で走行する機会はありますか?
- A 台数が3台であることから、通常ダイヤを守るため阿佐東線以外での運行は不可です。またDMVは、DMV以外の車両との混在運行が禁止されているため、専用線区である阿佐東線以外の鉄路を走ることは出来ません。
- Q43 DMVでも天の川列車のような季節のイベントはありますか?
- A DMVで出来るイベントを企画検討して参ります。
DMVのルール
- Q44 県をまたぎますが、県ごとで交通の条例に違いはありますか?
- A 違いはありません。
- Q45 バス運転手と鉄道運転士は入れ替わるのですか?
- A 阿佐海岸鉄道の運転士(同一)が、鉄道もバスも運転いたします。
- Q46 DMVは道路交通法と鉄道事業法、どちらに則って営業するのですか?(モードチェンジの都度切り替わるのですか?)
- A バスモードは道路交通法で、鉄道モードは鉄道事業法に基づき営業することとなります。
- Q47 運転士の1日乗務時間は何時間ですか?
- A 交通事業は年中無休で運行するため、通常の業務時間(8:45~17:45)とは違いますが、労働基準法に基づいた勤務となります。
- Q48 ペットを乗せることは可能ですか?
- A 介助犬以外のペットの乗車は出来ません。
- Q49 自転車は乗り入れできますか?(手荷物サイズだと可能ですか?)
- A 自転車の乗り入れは出来ません。手荷物サイズなら可能です。
- Q50 サーフボードは入りますか?
- A サーフボードの持ち込みは出来ません。
- Q51 大型手荷物は持ち込めますか?
- A 車内スペースが狭いため、大型手荷物の持ち込みはご遠慮下さい。
- Q52 子供(未就学児)のみで乗車することはできますか?
- A 保護者同伴でのご乗車をお願いします。安全上子供(未就学児)のみでの乗車は出来ません。
DMVの施設
- Q55 JRとの乗継駅である阿波海南駅は有人改札となりますか?(窓口はありますか?)
- A 基本的には、これまでと同様無人駅となります。宍喰駅はこれまでとおり有人駅となります。
- Q56 R牟岐線から乗り換えなしで阿佐東線に乗ることはできますか?
- A 阿波海南駅のJR牟岐線と阿佐東線のDMV専用線区である線路は切り離され、繋がっていません。その為、JR牟岐線の終点阿波海南駅から阿佐東線をご利用の場合は乗り換えをする必要があります。
- Q57 駅舎は新しく建設されるのですか?
- A 新しく駅舎を建てる予定はなく、既存の駅舎等を活性化させる予定です。
- Q58 DMVになったら駅のどこで乗り降りできるのですか?
- A 海部駅と宍喰駅は、現ホームに隣接する場所にDMV用のホームを整備します。阿波海南駅と甲浦駅は線路上ではなく、駅舎の近くに停留所として乗降施設を整備します。
- Q59 DMVが降りられない駅にはエレベーターかスロープはありますか?
- A 宍喰駅には、エレベーターがあります。海部駅は、今後検討します。
DMVの旧列車
- Q60 鉄道車両はもう走らないのですか?
- A DMVが専用線区である阿佐東線ではその他の車両との混在運行が禁止されているため、走ることは出来ません。
- Q61 阿佐鉄車両「しおかぜ」「たかちほ」はどうなるのですか?
- A 「しおかぜ」は海部駅に停留していて今後観光資源として活用していけるよう検討中です。「たかちほ」は他社への移設案や自社での観光活用案などを協議中です。
阿佐海岸鉄道
- Q62 阿佐海岸鉄道は社名がかわるのですか?(バス会社になるのですか)
- A 現時点では変更予定はありません。阿佐海岸鉄道株式会社というバス事業者にもなる予定です。
- Q63 阿佐海岸鉄道の運転士は何名ですか?バスも運転するのでしょうか?
- A 阿佐海岸鉄道の運転士がバスも運転いたします。運転士は現在7名体制で、全員運転資格(バスは中型2種免許)を取得しています。
その他
- Q64 DMVはワンマン運行ですか?
- A そのとおりです。
- Q65 デメリットはないのですか?
- A 通常車両の定員約100人と比べて乗車人員が定員23人と大幅に少なくなります。ですが、今までの乗車人員を考えると身の丈に合った乗り物となり、車両維持費等を比較するとメリットの方が多くなります。
- Q66 自動運転をする予定はありますか?
- A 現時点ではありません。
- Q67 DMVグッズ販売の予定はありますか?
- A 今後検討していきたいです。今現在、四国の右下観光局等が主となりDMVグッズの制作、販売を開始しております。
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