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日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 57 線路は続く23

線路は続く 目次

鉄道 ICカード導入のメリット

日本全国ではまだ交通系ICカードの普及地域は広くない。

その交通系ICカードを事業者が導入するようになる方策はあるのだろうか?

私は未来に向けて鉄道事業には交通系ICカードを広げる道しかないと思っている。

そこで交通事業者がICカードを導入することによるメリットはどのあたりにあるのであろうか。

以下に上げてみた。

多様な券種のIC化による高水準なサービスの提供
  • 乗継・回数・高齢者割引や1円単位の運賃等、柔軟な運賃設定が可能
  • 駅の改札通過やバスの乗降に要する時間の短縮、
  • 幹線の鉄道・路線バスとフィーダー輸送の路線バス等との間の乗換抵抗の抑制等による利便性の向上が図られる。
  • こどもパス、敬老パス、障害者パス等の福祉サービスへの展開
  • クレジット&キャッシュカード、学生・社員証オートチャージ機能等追加
  • 電子マネー機能の活用によるビジネスの拡大
運賃収受の自動化に伴う運用負荷の軽減
  • 係員による運賃・定期券等の確認作業解消
  • 正確かつ確実な運賃収受の実現
  • 現金の取扱減少による乗降時間短縮や現金管理に関する人的負荷の軽減
  • 改札の高速処理によるホームやコンコースにおける滞留時間の解消
  • IC化に伴う複雑な定期券ルールの整理
  • 前払いによる財務メリット 
効果的効率的な輸送の実現に向けた経営革新ツールとしてのODデータ活用
  • 定期券、福祉サービスのIC化による全券種のOD取得
  • GISデータとの関連付けによる多角的な分析・検討の実施
  • 経路・便数・乗換箇所・接続時間等、データに基づく運行ダイヤの改善
  • ベンチ設置数等の施設整備への活用や新たなビジネスの創出

特にコストの削減面では

リユース可能で非接触式のICカードの特性によるコスト削減
  • 環境負荷の軽減
  • 磁気式カードの発行廃止によるコストの削減と環境負荷の軽減
  • 磁気式と比較し可動部が少ないことによる保守コストの削減

というようなことが考えられる。 参照

利用者にとっては異なる乗車券をその都度購入するという煩雑さから解放され、一枚のICカードで多くの異なる会社路線に乗車することができおおいに利便性が高まる。

さらに運行会社にとっては確認作業量が減ることによる等により人件費の削減が可能になること、また「前払いによる財務メリット」すなわち乗車よりもかなり前に運賃収入が得られる金利収入や手元流動性が増える等鉄道会社に大きいメリットを持たせる。

(ひそかに思うことは使われなくなったICカードに残る残額は、鉄道会社にとって隠れた寄付金となる。いやカード発行会社だな)

いいことづくめのICカードであるがその導入にかかるコストはどの程度なのか?

 

ICカード対応自動改札導入費用

鉄道会社へのICカード対応自動改札の導入費用はどの程度か、

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試算1
国交省調べICカード導入費用 (2015年)の調べでは以下になる。

(鉄道各社)

JR東日本(424 駅) 総額 460 億円 (設備更新経費約 330 億円、システム関係経費 130 億円) 一駅当たり1億0850万円

JR西日本(253駅) 総額110億円 一駅当たり4350万円

阪急電鉄 総額 30 億円

京阪電鉄(56 駅) 総額 23 億円 一駅当たり4110万円

大阪市交通局 総額 46 億円

パスネット加盟各社(1098駅) 総額 130 億円 一駅当たり1184万円

平均 一駅当たり3950万円(加重平均)

(バス各社)

長崎県バス各社(1400 両) 総額 8 億円

鹿児島県バス各社(1050 両) 総額 8 億 6 千万円

共通バスカード各社(13000 両) 総額 100 億円

平均 一両当たり75万円(加重平均)

鉄道会社については駅間距離や路線の長さによってばらつきが考えられる。

それを考慮して考えるなら、駅数が少なく、路線の長さが短い鉄道は総額も比較的低コストになる傾向がみられる。

また一駅あたりの計算であり、多くの場合一駅に複数台数設置されるが台数当たりのコストは明らかではない。

(まあ一千万円以上はするだろう)

試算2

交通系ICカードの普及・利便性拡大に向けた検討会

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【方策A】は「10カードへの参加」

【方策B】は「地域カード+10カード片利用=利用許諾」

10カードKitaca、Suica、PASMO、TOICA、manaca、ICOCA、PiTaPa、SUGOCA、はやかけん及びnimoca
10カード片利用片利用とは10種類の交通系ICカード(10カード)は地域独自カードの導入エリアで利用できるが、 地域独自カードを10カードのエリアでは利用できないという仕組み


a社 【方策A】 バス 43 台 8500万円 運賃機等を代替。
b社 【方策A】 バス 76 台 9800万円 運賃機等を代替。
c社 【方策A】 バス 354 台  3億1300万円 運賃機等を一部改修。
d社 【地域独自】 バス 169 台 2億8000万円
     運賃機等を代替。地域独自カードのシステムを含む。
e社 【地域独自】 バス 129 台 2億6100万円
     運賃機等を代替。地域独自カードのシステムを含む。
f社 【方策B】 バス 137 台 1億3800万円
     運賃機等を一部改修。10 カードへの接続システムは既存のため費用発生せず。
熊本県バス協会等【方策B】バス 約1000 台+私鉄(18 駅、8 編成) 約8億円
     運賃機等を一部改修:約6億円
     10 カードへの接続システム:約2億円
注:a社~f社は、交通系 IC カードのの新規導入又は大規模更新を行った案件のうち主なものを掲げている。

a社~f社プラス熊本県バス協会のバス部分 平均 一両当たり129万円(加重平均)

2011年~2014年の地域公共交通確保維持改善事業による導入支援実績より。

なお、熊本県バス協会等に対しても、地域公共交通確保維持改善事業により、一部導入支援を行っている。

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http://www.mlit.go.jp/common/001141750.pdf

上記10カードとの利用環境を満たせば補助金が出る。参照

特に地方における中小鉄道ではほぼワンマン運転であることから車内にJRバスと同じようなICカードリーダーライターの設置は可能である。

線路は続く 目次

2017/18/19年JRの決算より
  • JR北海道
    2017年3月決算赤字「▲525億7600万円」
    2018年3月決算赤字「▲559億8200万円」
    2019年3月決算赤字「▲520億円」
  • JR四国
    2017年3月決算赤字「▲119億0900万円」
    2018年3月決算赤字「▲123億3300万円」
    2019年3月決算赤字「▲128億6400万円」
  • JR東海
    2017年3月決算利益額「5870億円」
    2018年3月決算利益額「6127億8400万円」
    (2018年3月決算リニア新幹線関連投資額2500億円)
    2019年3月決算利益額「7097億7500万円」
    (2019年3月決算リニア新幹線関連投資額3100億円)

REMEMBER3.11