いわゆる「リニア新幹線」中央新幹線は品川(東京都)─名古屋間の86%(品川─大阪間の全路線では71%)がトンネルとなる。
始発駅品川近辺の関東平野であっても大深度トンネルとなり地下深い路線となる。 時速500kmで走り抜け、トンネルを出たらすぐにまたトンネルという様相だ。
この路線であるなら、一時も早く東京へ行こうとするビジネス乗客(注1)はまるでチューブの中をコンベヤで運ばれる「荷物」になりそうだ。(注1 このような構造ゆえに観光客を選ぶことはなさそうだ。多分商機を逸したくないビジネスマンが最も利用するのだろう。照明にに助けられたチューブの中で必死にPCを打ち込む姿が目に浮かぶなあ)
静岡が中央新幹線にクレーム
下図を見るとリニアは静岡県下を通るが、南アルプスの山塊の下になり駅を作ることはできない。そこでマイナスの影響は困るが、案外お好きにどうぞというのが静岡県の心境なのかもしれない。さらに静岡県を通過する部分のみの経路断面を見る。(目視設定なので位置情報は誤差あり)標高は低いところで1430m、高いところでは2600mほどになる。
このようなところに駅は無理だ。したがって通過県のなかで静岡にのみ駅がないことになり、駅を作ってくれという強がりも言えず、静岡県を通らない路線に変更をとなった。
参照 【論文】大規模開発・リニア中央新幹線開発を問う ―静岡県に及ぼす影響を中心に―(川瀬 憲子)
しかしこの部分の土地は驚くことに「日本最大の一企業の所有地」(注2)となっており所有者はリニア建設にともなう土地利用(注3)にOKを出しているそうだ。このあたりが静岡県としても難しいところだろう。(注2 井川社有林の概要 | 井川社有林 | 環境 | CSR | 特種東海製紙株式会社 には「1団地」で日本最大の土地所有面積24,430haと書いてある。ちなみに東電の尾瀬国立公園所有部分は14,880haくらい)
(注3 上記川瀬論文にあるが、JR東海は「現在、南アルプスの荒川三山を貫く11kmにわたるトンネル工事によって、約360万立方mもの残土が出ることになっている。これを処分するために、大井川上流の燕沢に、高さ65m、幅300m、長さ500mもの「盛り土」を造る計画を策定している。」下図参照)ここの上流には千枚岳がありその山腹では千枚崩れという岩屑雪崩が起きたとのこと。
トンネル土砂置場としてこの場が使われると、今後も起きると予想される岩屑雪崩対策はどうするのであろうか。
全般に参照したサイト
リニア反対運動についての疑問 - 詳細表示 - リニア中央新幹線 南アルプスに穴を開けちゃっていいのかい? - Yahoo!ブログ
REMEMBER3.11