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日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 番外1

2017年4月旧シリーズ名「鉄道運賃はこのままでいいのだろうか」をタイトル変更しました。

JR秋の乗り放題パス(以下参照)を使った。

http://railway.jr-central.co.jp/tickets/autumn-pass/
名古屋から信州小諸、そして甲府身延線で富士経由東海道線を回るコース。

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ごやっかいになっている「Jordan青春18きっぷ検索」では当然JRの路線以外は選択できないので、選択結果は最短ではないルートになる可能性がある。
 その青春18きっぷ検索は松本の手前塩尻から小淵沢小海線経由で小諸までのルートを選んだ。丁度Nの字を描いての路線になる。当初このコースで旅程を組んでいたが小諸着が夜7時前になった。宿の食事を考えるともう少し早く着きたい。
そこで時刻表で調べた。小諸までは松本から篠ノ井線篠ノ井しなの鉄道で小諸へとたどれる。これで時間がなんと2時間も短縮できた。しなの鉄道では青春18きっぷ・JR乗り放題パスが使えないことになっているのでしなの鉄道の運賃が別途980円/人必要となる。

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米原駅の駅そば
 京都から快速で米原へ、朝食をとっていなかったので当然駅そばをと考えホームの駅そばに行くと湯気がたった鍋はあるが開店は8時45分という。この微妙な時間設定が決然と「その時間まではお断り」という姿勢を物語る。今は8時30分 次の列車が8時47分発。しかたなくおにぎり2個を手に列車に乗る。
 大垣からは快速列車で、休日だが勤務姿の人も大勢いる。そのためか乗客は多い。名古屋着は10時24分。朝食でもなく昼食にはまだ早い「中途半端な都市」、いや間違った中途半端な時間だった。のぞいたBellMartでなぜか思わずビールを買ってしまった。
名古屋 不思議な街だ 今まで通過したことしかない。いや一度中日-巨人戦を見に来たかな。(まだ落合が巨人の4番に座っていた)

なによりウイロウが口に合わない。メリハリがないのっぺらぼうな食感だ。そして「エビふりゃい」始めなんでもミソにする感覚もいただけない。「ひつまぶし」のネーミングとの落胆さ、上げれば切りがない?ので名古屋の悪ふざけはここまでで、現在の名古屋は日本で唯一上向きというイメージがする都市だ。市長も才能はないが元気だけはある。TOYOTAを筆頭に元気いっぱいあふれる都市。
(これで失点を回復できたろうか)

中津川までは中央線、山の中を走り、横を流れる木曽川をじっと眺めて、司馬遼太郎の「ヨーロッパ人から見ると日本の川は川ではなく滝だ」という一文を思い出した。急流のところどころに関電の発電所があった。昔はこのような落差でも発電のコストは賄えたのだ。
  中津川へは11時39分着で出発は12時。ここで少し中津川出発を遅らせようと考えた。しかし次の普通列車は13時発だが南木曽までの運行。結局それに乗ると松本へは2時間ほど遅くなるのでやはり12時発の松本行きに決定。
 急いで駅そばを注文し食べた。出てきたのは真黒なだしで「あー関東の出汁」と少しがっくり。熱海の駅そばでもここまで黒くはない。慌てて列車に駆け込む。最後1、2本は食べきれなかった。松本着は14時15分、2時間15分の乗車時間。

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写真は熱海の駅そばです。

実は当初東海道線から身延線を経由し小諸のルートを考えていた。つまり今のコースを半時計周りで回るルートを考えていた。この距離を普通列車で巡るとどうしても2泊3日になる。その2泊をどこにするかと考え、小諸ともう一泊温泉でと考えた。2泊の配置からすると山梨から富士や伊豆あたりになる。石和温泉と考えたが列車ダイヤを組んで見ると宿までの到着が少しきつい。そんなこともあり時計回りに変更した。
 松本を14時28分発で篠ノ井線篠ノ井へ15時28分着。途中日本三大車窓の駅姥捨駅を経由、

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あとで息子に教えられたがこの姥捨駅近くに美しい棚田があるという。

姨捨の棚田 〜日本の棚田100選から眺める善光寺平の朝焼けと夜景 | ピクスポット (絶景・風景写真・撮影スポット・撮影ガイド)

篠ノ井駅では丁度貨物列車が機関車EH200-22の方向転換をしていた。松本駅で長い連結の緑の貨物車両が待機していたが日本石油輸送JR貨物塩浜駅専用と表示されていた。その貨物が松本から篠ノ井線経由篠ノ井からしなの鉄道に入る。機関車EH200-22には前後に運転席が付いているので、ここで機関車を後ろに回すのだ。

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このEH200は愛称があり「ブルーサンダー」なんと国交省のHPでも紹介されている。 鉄道:車両紹介 - 国土交通省 1台で2台分の働きをするJR貨物のスターなのだそうだ。

篠ノ井駅から屋代高校のマークを胸にした生徒も同じ列車15時54分発にのった。次の駅が「屋代高校前駅」だった。

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列車は軽井沢へ向かう。しなの鉄道はJRから譲渡されたかっての169系を使っているのだという。

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小諸駅へは到着16時46分、改札では大勢の乗客の中で乗り放題パスを示すとどこからですかと聞かれた、篠ノ井からの料金980円を支払い改札をでると、小諸はどんよりとした天気だった。

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*本日の行程は普通運賃7880円相当 
 かかった運賃は7710円(秋の乗り放題パス:3日分)/3+980円(しなの鉄道料金)=3550円なので差引4330円黒字でした。
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REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

思い出の再来

NIKON D5200の解説本を探していたら、その棚から本がどさっと転げ落ちた。その中に大修館「New Standard Japanese-English Dictionary」があった。これは私の父「文さん」が使っていたもの。 拾い上げると中からひらりと紙片が舞い落ちた。

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「文さん」は1985年に79才で亡くなった。メモの一枚には1975年の書き込みがあった。文さんは警察で通訳をしていた。資料を通訳するときのために当時の「ニュースの人」各人の英語読みを控えていたのだ。 文さんは外事課というところに所属し定年後も嘱託として仕事をしていたのだ。当時某有名歌手が国籍取得をする際などの苦労話をちらほら聞かされたものだ。

メモは上から「張春橋」「鄧小平」「廖承志」「張香山」「林 簾韞?」「孫 平化」「王暁雲」「江華」「呉桂賢」と読める。
張春橋は1960年代半ばからの文化大革命において大きな権力を握った4人組の一人

鄧小平は、1976年1月に周恩来没後天安門広場で行われ周恩来追悼デモが上記4人組から反革命と批判されその首謀者とされて失脚した。しかし彼はのちに大逆転党中央軍事委員会主席となり最高権力者となった。

廖承志は中日友好協会の設立時から死去まで会長を務めた

張香山は中国の元外交官、対日国交正常化交渉を担当

林 簾韞 は調べるも不明

U先生からのご教授 正解は林韞 元周恩来総理秘書だった下記に記載あり

孫 平化は元中国日本友好協会会長

王暁雲は元卓球選手で中国卓球代表団副団長対日政策の有力ブレーン

江華も不明(江青なら毛沢東夫人で上記4人組の一人)

呉桂賢は中国初となる女性副総理
新聞のコラムも綴じてあった。

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金大中事件は1973年8月8日
 その2年後の新聞記事から「口上書」についてのコラム  「note verbal」(正確にはnote verbale)は現在でも外交文書として定義があるらしい。


 

REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 5

2017年4月旧シリーズ名「鉄道運賃はこのままでいいのだろうか」をタイトル変更しました。

鉄道の社会的価値という研究がある。鉄道が走ることにより、社会的にその効果が波及するという研究。よく対比されるのは鉄道と自動車の比較による社会的費用の算出である。
 まず自動車には燃料の面から「温暖化」「原油依存」、走行面から「大気汚染」「混雑」「事故」「道路損傷」等の外部費用(注1)が上げられる。その自動車交通と鉄道の場合を比較する研究である。
(注1:発生者が負担せずに第三者が負担する費用を外部費用という)

信州上田交通別所線という地方交通の存続における費用対効果の試算結果がある。下記url参照
http://www.jterc.or.jp/topics/josei_shinpo3.14/3_chiho_tetudo.pdf 

(ちなみにこの線は「第18作 男はつらいよ 寅次郎純情詩集」に登場する丸窓が特徴の車両がある。ここでは関係ないか)

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それによれば地方鉄道存続による効果としては、「供給者への利益」「地域社会への効果」「鉄道利用者への効果」が考えられるとしている。

  • A「供給者への利益」

つまり鉄道運営者の利益 

  • B「鉄道利用者への効果」

自動車利用と比較した場合の時間短縮効果
交通費用の削減効果

表面的にはこの辺りまでが存続の価値として考えられてきた。しかし鉄道には以下の面もあるというのが論点

  • C「地域社会への効果」

自動車交通の削減による時間短縮
走行経費減少効果
交通事故削減効果
環境改善効果
付随して鉄道が走っているという景観をみる満足感・いつでも利用できるのだという安心感・送迎の心理的な負担の回避・鉄道を後世に引き継ぐという満足感・地域のイメージアップ効果・市街地や地域拠点とつながるという満足感

上記の項目ごとに以下の対比で費用便益を分析した。

  • A「供給者への利益」 マイナス6.2億円
        鉄道事業者の収益 
  • B「鉄道利用者への効果」 44.5億円
        自動車利用との時間比較自動車交通利用との費用の削減
  • C「地域社会への効果」 78.7億円
       その内訳
          訳道路交通混雑緩和 57.9億円
          交通事故削減   10.9億円(環境改善便益含む)
          存在効果     9.9億円(注2)
結論

便益計 117.0億円

一方費用は鉄道の維持改良費として8億円と分析

差引 109億円の存在価値 

があると結論づけた。

その結果、上田交通全額出資の子会社「上田電鉄」として存続

2005年3月(財)運輸政策研究機構『活力ある暮らしを支える鉄道を目指して~第3回 鉄道整備等基礎調査報告シンポジウム~』資料より
(注2)存在効果の測定にはCVMという測定法以下参照がとられた

http://kkuri.eco.coocan.jp/whatis/cvm1.html


数値的には多くの研究者による疫学的環境的調査から数値がはじき出されている。日本における先駆的な研究は、「日本における自動車の外部費用の概算」運輸政策研究 / 運輸政策研究機構 [編] 兒山 真也 岸本 充生という論文(以下がそのPDF)で、

http://www.jterc.or.jp/kenkyusyo/product/tpsr/bn/pdf/no13-03.pdf

自動車交通の外部費用(円/km)大気汚染の外部費用        0.8円から1.8円 中位推計1.3円
気候変動の外部費用      0.04円から12.5円 中位推計1.6円 
騒音の外部費用          1.0円から3.7円 中位推計2.5円
事故による外部費用                       5.0円
インフラ整備の過小負担                     5.0円
                         中位推計での計14.0円

2001年7月(財)運輸政策研究機構『運輸政策研究』Vol.4 No.2より
自動車1台あたり中位推計で14.0円(円/km)とはじき出された。これを使って別所線の例のように鉄道がある場合とない場合すなわち自動車による移動との場合が比較されている。他にもえちぜん鉄道等の例がある。

公共交通の意味を住民が再認識 地域で走らせた「えちぜん鉄道」/北陸地域における公共交通の課題と展望 | 北陸の視座vol.21

 つまり鉄道が走ることにより、自動車の走行量が減る、自然に対する温暖化の観点や環境保護の観点からより自然にやさしい社会となる、自動車走行が減少し交通事故件数が減る等の便益が出ることになり、一概に鉄道路線営業収支が赤字だからという面から鉄道を存続させるか否かの判断は正しくないということだ。

 わかりやすく本州から知床半島へ行くとする、最寄駅から鉄道に乗り、さらに新幹線に乗り換え、(現時点では)函館に着く。そして函館から苫小牧へ苫小牧からは主に2ルート以下の図Aになる。旭川経由と釧路経由 図A吹き出しの中に書き込んだのは路線の営業係数つまり100円の収入を得るのにいくらの経費を使っているかという数字 双方どちらの路線にも100以下の数字がない。つまりこれら路線は100円の収入を稼ぐのに100円以上かかる赤字路線である。(残念ながら北海道には営業係数100以上の路線しかない)そしてこのうちいくつかはこの数字だけから判断すれば廃止されるかもしれないという線路である。知床には飛行機でしか行けなくなる。

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図A

そう結論づけていいのであろうか。

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REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」


(htmlだんだん手が込んできたなあ)

ゼブラゾーンに惑わされるな

今回は自動車について。
それもゼブラゾーンについて。

ゼブラゾーンは中を通行してはいけないと免許講習などで習うが、一律禁止という理不尽なことを信じてはいけない。

走っていて思ったことだが、道路上に引かれている多くのレーンは、道路の平面的図面寸法により便宜的に引かれていることが多い。そのため自然な走行経路から大きく反らされるということが多かった。

一例をあげると

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ここのレーンはAのところが異様に膨らみ上の走行レーンを押し上げている。ドライバーも走りにくいと思ってか、白線を踏みながら走行するのでこの部分が剥げている。

BからCまでの距離の中で最下段にあたる左行き路線の左折レーン(D)を設けようとして無理をしているのだ。経費をかけないでこのレーンを作ろうとするからこんなことになる。
 解決案としては、ゼブラゾーンの幅は一定でなければ安全性に問題があるなんてことはないので、Aにあたる部分のゼブラゾーンを細くする、そして右行き車両の走行をスムーズにつまり安全にする。もっとも根本的な解決はBの中央分離帯を短くし、BC間の距離を長くとり全体に緩やかなカーブにすることだ。

また右折レーンの手前にある導流帯(というらしい)も直進車のためのもので右折車はそのまま進行してよいのだ。そうゼブラゾーンに惑わされるな。

[ゆったり道路はいいけれど] 右折車線のゼブラゾーン



道路の白線については管轄が複数あるようで
「道路の白線のうち「停止線」「横断歩道」「文字(止まれなど)」などは警察(公安委員会)の管轄で、「センターライン」「外側線」「車線境界線」などはそれぞれの道路管理者(国、県、市)が整備しています」とのことらしい。
 すればここの地域の担当部局は安全より費用を優先してことを進めているようだ。

こんなことを思い出したのも、

記事より「(自転車は)車道の路側帯より内側を走ることが多いです。白線に乗らないぎりぎりの所です。 路側帯を越えてしまうと、ガードレールや側溝、段差にタイヤをとられて、こけてしまうかもしれないので」  
えっ!? 車からなるべく離れた方がいいと思って、端っこを走るようにしていたのに。 確かに、落ちているペットボトルを踏んだり、鳥の死骸に驚いてよろけたりしていました。 車に幅寄せされたときも、かなり端の方にいたような。スペースを空けすぎたのが、よくなかったのかもしれません。

なんて記事を見かけると大丈夫かなと思うからだ。路側帯は道路の広さに応じていないことが多い。道路が狭くなり広くなり幅が小刻みに変わる場所では一定の幅で引き続けている場所もある。余裕があるなら大いに道路わきに寄ったほうが安全だ。それを啓蒙しないといけないのでは。路側帯に惑わされず走りましょなんて記事はできないのだろうが、それならもう少し工夫しないと信頼できない。

最近はすっかり出かけるなら列車ということになっているが、以前は年間2万5000キロ走行のヘビードライバーでした。

greengreengrass.hatenadiary.jp

 

REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

秋色

htmlで枠を表示、枠の中に文章を書く、場合によっては活用でききれいに見える。そのコードを拾い出した。

これです
<fieldset><legend>タイトル</legend>中の文章</fieldset>

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昨年の秋の入り口 法然院

 

REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

一般的に言えば

東京とはどんな都市なのだろうか?
どのような人が住み、どのような生活をし、どのような考えで選良をえらび、どのような基準で職員を採用し、どのように税金を使っているのだろう?

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「また、招致レースを戦う上でライバル都市より突出した予算を見込むと市民から「無駄遣い」などの批判を浴びて支持率に影響しかねない。だから低めに設定されるのが招致の際の「常識」だという」
財務省出身の大会組織委員会中村英正・企画財務局長からこのような発言があったがこれって民間の常識で一般的にいえば詐欺という。
 税金を使うということは市民から預かっている公金を法に則って正しく使うということで恣意的にましてや個人の感情でちょろまかす、いや悪用していいわけはない。
 豊洲市場移転問題といい日本を代表する大都市のいい加減さは全国の公共団体・官庁関係者のレベル低下を表しているに違いない。
 オリンピックによって将来への「レガシー」(日本語で遺産といえばいいのに)を残すという意味もあるらしいが、今の東京に競技場は十分過ぎるほどにあるのでは。
 そもそもオリンピックに興味は沸かないが東京都も思い切って止めればいいのに。不可思議な街だ。

 

REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 4

2017年4月旧シリーズ名「鉄道運賃はこのままでいいのだろうか」をタイトル変更しました。

下記は日本の輸送機関別二酸化炭素排出量割合をグラフにしたもので圧倒的に自家用自動車が高比率を占める。
出典 http://sakam21.justhpbs.jp/kankyo/grad/fr/fr-g12.htm

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また単位輸送量(人キロ)当たりの二酸化炭素排出量も鉄道が群をぬいて優れている。
環境白書より

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鉄道はもっとも優れた公共交通機関といえる。
しかし近年旅客輸送の交通機関別分担率を見ると乗用車への依存が大いに進んできた。

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そして三大都市圏と地方代表で北海道の公共交通機関別の利用分担率が以下

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三大都市圏でも鉄道の比率は年々減少しているのだが、北海道では壊滅的な状況になっている。この中で全国的交通運賃体系はいかにあるかを考えなければならない。

JRは1987年巨額の赤字を抱えた国鉄を分割し発足した。本州のJR3社(JR東日本JR東海JR西日本)以外の4社(JR北海道・JR四国・JR九州・JR貨物)には当初から採算的に厳しいということからいくつかの支援策(経営安定基金や固定資産税減免等)がとられている。
 そうした中で2011年度JR東海は1328億円 JR東日本は1087億円 JR西日本は295億円の純利益を計上している。
 一方JR北海道はマイナス447億円 JR四国はマイナス102億円 JR九州はプラス208億円 JR貨物はマイナス5億円
JR全体でトータルすると2364億円の利益になる。
(新しいところでは2016年度JR東海は純利益3374億円になる見込みという)

 このようないびつな利益構造は前提条件を踏まえて推定すると、鉄道の利用分担率が高い地域ほど当然鉄道利用率が高く1列車当たりの乗客が多くコストパフォーマンスにも優れているため巨額の利益を上げ得るという結果になっている。利用分担率の低い地域はコストパフォーマンスの面とプラス地域人口の減少が重なってより採算が悪化している。今後も明るい展望は見られない。
 一説にJR各社を各地域電力会社にたとえる説がある。しかし電力会社には、いくら新電力会社が多数できたとはいえ上記のような圧倒的な利用分担率の差はない。ましてや鉄道には、エネルギー税を大量に投入して作られる道路を相手に、より少ない公費補助で運営してゆかなければならないというハンディがある。
 しかし採算が取れない路線は廃止することでいいのだろうか。たとえばJR東日本が多くの輸送密度2000人未満路線を抱えなお、山手線等首都圏の採算路線を含めた鉄道ネットワークとして存在するように、全国に張り巡らされた鉄道ネットワークをトータルでささえる発想が必要ではないか鉄道ネットワークは市民の移動に不可欠のシステムでもある。
 今のJR各社は経営的に別会社となっているため全国的交通運賃体系という思考はないのだろう。青春18きっぷの販売金額約70億円の利益も聞くところによると、全国のJR各社で丼勘定で配分しているらしい。下記参照

青春18きっぷの全国の発売枚数は67万枚。総売上は77億円。JR東日本のシェアは約38%と判明 - 旅行総合研究所タビリス

 ICカードによる数字面から経費的に分析する合理的全国運賃体系を考えてもいいのではないか。また北海道の保線にかかる経費をJR北海道のみが負担する必要性があるのか。JR東日本の鉄路も北海道まで続き、全国の旅客もその鉄路にのって移動する。北海道の路線は全国の旅行者が利用し恩恵を受けている。とすれば保線にかかる経費も見直すべきだ。それが2364億円の利益を全国で有効利用する方策と信ずる。
 また交通政策の面から大いに参考になるのはフランスの「都市交通税」という制度。フランスの都市交通事業者はその経営形態はきわめて多様(株式会社・公社・第三セクター等)であるが、全体として運賃収入は二割程度であり、その他は公的な「都市交通税」という制度による財源で運営されている。これは「一定規模以上の都市で事業を営む法人(雇用主)は公共交通システムの受益者であるから、その受益に対して適正な負担に応じる義務がある」という考え方により導入された制度である。都市共同体ごとに市町村の規模の大小により税率が決められ、都市圏内にある一定規模以上の企業から従業員の給与総額に基づき徴収される。ナント都市圏では、その税率は1.8%で、従業員12人以上のすべての企業が対象であるが、社員に他の交通手段を利用させている場合は免除される。
また、都市圏内の24の市町村が都市交通税の対象となり、周辺の農村部などは除外されているという。この都市交通税という特定財源や運賃収入などの一般財源と、運営費に対する補助金制度が公共交通システムの運営を支えている。
東京都議会 平成19年度海外調査報告(フランス) 
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REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 3

2017年4月旧シリーズ名「鉄道運賃はこのままでいいのだろうか」をタイトル変更しました。

ICカードのスマートな利用

交通系のICカードはソニー製のFelica(フェリカ)という素材が使用されてつくられている。
 そのフェリカには改変できない「出荷鍵」という唯一無二のID番号が割り振られている。したがって世界のどこで発行されようと同じカードは存在しない。

 またフェリカの特長として一枚のカードに複数のカード機能を持たせることもできる。

www.sony.co.jp

 以前勤務していたとき所持していたフェリカには通勤定期券と交通系ICカード双方の機能があり、例えば

通勤エリア内の乗降は通勤定期券としての扱いで出改札のDATAのみ記録され、

通勤エリア内からエリア外までの乗降では通勤定期範囲の最後の駅から該当地までの運賃が、

まったく通勤エリア外の乗降であれば定期扱いではなくICカードとして区間運賃プリペイドから処理される、ということであった。

具体的には
1.自動改札機にカードを接触させると定期券のエリア内か否かを確認
2.定期券のエリアかつ有効期限内なら入退場記録を記憶し処理終了
3.定期券でなければ入場記録有無を確認する。
4.入場記録がなくICカードに最低区間運賃分の残高が無ければ入場を拒否し
5.残高があれば入場駅名と入場時間を記録し処理終了、
6.入場記録があれば接触させた自動改札機までの運賃計算
7.残高から引き去り残額を記録し処理終了
8.通勤定期の期限切れであればプリペイドからの引き去りでいいか否かをたずねる
9.エリア外であれば通勤定期の最後から出場駅までの区間運賃を計算し
10.プリペイド金額から引き去り処理終了
11.プリペイド金額が不足するなら、警報を出してチャージを依頼し処理終了
これらの処理を0.1秒で行うという。

この機能を使えば通常の交通系ICカードと、青春18きっぷの双方を乗せることが可能になりそうだ。
青春18きっぷで実際の運用に即して考証すると、
1.青春18きっぷ発売は発売期間がありその期間内にフェリカに購入記録する
2.フェリカで自動改札機にタッチし、青春18きっぷか否かを確認する
3.青春18きっぷでなければ通常の交通系ICカードとして処理
4.青春18きっぷなら有効期間の判定
5.有効期間内なら入場記録の有無確認
6.入場記録が無ければ1回の使用歴記録の諾否を確認する
7.青春18きっぷとして使用OKなら入場駅名と入場時間を記録(使用履歴1/5回)
8.入場記録があれば日をまたいでいないか確認
9.またいでいなければ出場駅と時間を記録(使用履歴回数は増えない)
10.日をまたいでいれば有効期限を確認し次の使用諾否を確認
11.利用者が青春18きっぷの使用を許可すれば2回目記録(使用履歴1回追加)
12.利用者が使用を拒めば、通常の交通系ICカードとして処理(その場合は最終入場駅から出場駅までの運賃となる)
13.青春18きっぷの登録使用回数までは青春18きっぷで承認

ただしこのパターンであれば人数をカウントできない、というか自動改札機はそもそも一人についての利用を確認する機械だ。
JRが青春18きっぷに設定する「1枚のきっぷを1人で5回までご利用いただけるほか、5人で1回などのグループでのご利用も可能です」という条件を生かしての場合は少し困難になる。
 複数で使用する場合は、購入の時に使用しようとする各人それぞれのICカードを使い一度に購入する。たとえばAさんが3回分購入、Bさんが2回分購入という具合だ。もちろんAさんBさんCさんDさんEさんの5人が1回購入でも同じ金額で購入可能とする。
 これで可能になれば通勤定期と交通系ICカードの例と同じように、青春18きっぷのエリアでは青春18きっぷの機能が働き、エリア以外では交通系ICカードとして処理することもできる。(ここでのテーマは青春18きっぷが全国で通用するという課題だが、それはのちに論ずる)

最後の問題はJR各社でもICカード対応の自動改札機普及率が低いということ。JR東日本ではHP企業情報に自動改札導入駅の記載がある。それによると1689駅の中で自動改札機設置駅は520駅(30.8%)ということになる。

JR東日本:東日本旅客鉄道株式会社
ちなみにJR四国では259駅のうち13駅(5.0%)に2014年という近年に設置された。

ICOCAガイド | JR四国

 しかし現在でも無人駅からの乗車では青春18きっぷの改札は行われていない。乗車後移動中に車中で改札してもらうか、当日最初の有人駅退場で改札してもらうことになっている。有人駅での改札という点は上記フェリカでもはぼ同じ結果となる。
 無人駅の場合を比較すると、無人駅に順次自動改札機設置が進み、現時点でも自動改札機の対応でよりきめ細かな対応というものが可能になる。IT技術の進化と、自動改札機の低価格化により、まちがいなくここ数年で自動改札機の設置も全国的にかなり広まる。この普及を期待したい。

【都道府県】ICカードが利用できる駅の割合ランキング 2015年版! : 関西と風景と未来のブログ

 各車掌が下記felicaPasori機能

www.sony.co.jp

を所持すればICカードへの書き込みが可能になるので、現在と同じく車中で履歴改札の対応が可能になる、車掌用Pasoriが開発実用化されないものだろうか。

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REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

 

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 2

(2017年4月旧シリーズ名「鉄道運賃はこのままでいいのだろうか」をタイトル変更しました

JapanRailPass

日本では外国からの観光客に向けてジャパンレールパスなるものがある。

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JAPAN RAIL PASSとは? | ジャパン・レール・パス | JAPAN RAIL PASS

ジャパン・レール・パスは、JRグループ6社が共同して提供するパスで日本中を鉄道でくまなく旅行して回るのに最も経済的なきっぷです、とうたっている。購入に際して規定は厳格で以下のようになっている。

ジャパン・レール・パス

(1)外国から「短期滞在」の入国資格により観光目的で日本を訪れる外国人旅行者

日本の入国管理法が定める「短期滞在」の在留資格により、観光等の目的で15日間もしくは90日間の滞在が許されます。日本への入国にあたり観光目的の滞在を希望すると、入国審査官はあなたのパスポートに下記の「短期滞在」のスタンプ/シールを押します。※ジャパン・レール・パスは、パスポートにこのスタンプ/シールを受けた方だけが引換・利用することができます。<たとえあなたが引換証を携えて訪日しても、あなたがこの「短期滞在」の入国資格をもたないと、ジャパン・レール・パスとの交換は実行されません。(したがって、「研修」「興行」「再入国」等の資格で入国した場合は、ジャパン・レール・パスに引き換えることはできません。日本の入国管理法における「短期滞在」の概念は、一般的な意味での「短期間の滞在」とは厳密に異なるものであることをご理解ください。)

(2)日本国籍をもって日本国外に居住し、下記条件を満たす者

a. その国に永住権をもっている場合
b. 日本国外に居住する外国人と結婚している場合
備考:引換証の購入時とジャパン・レール・パス引き換えの際には、日本国のパスポートとともに下記の書類をご提示ください。

aの場合は次の2つを証明する書類
・ 永住権
・ 本人が日本国外に居住していること
bの場合は、次の3つを証明する書類
・ 外国人と結婚していること
・ 本人が日本国外に居住していること
・ 配偶者(外国人)が日本国外に居住していること

しかしいわば、上記に当たらない人が申請購入する場合の除外規定であり、大多数のまっとうに適合する外国からの訪問者にとっては関係のないことである。


この切符もやはり紙切符になっている。

引換証のおねだん(2016年3月現在)

種類
普通車用
区分
おとな
こども
おとな
こども
7日間
¥38,880
¥19,440
¥29,110
¥14,550
14日間
¥62,950
¥31,470
¥46,390
¥23,190
21日間
¥81,870
¥40,930
¥59,350
¥29,670

 特に観光客の多い京都駅烏丸口改札では係員のいる改札口でよく見かけるのだが、グループの場合いつも混雑長蛇の列が続く。

東海道・山陽・九州新幹線の「のぞみ」号・「みずほ」号は、自由席・指定席ともに、ジャパン・レール・パスでは利用できません。
  「ひかり」号・「さくら」号・「こだま」号・「つばめ」号をご利用ください」
となっている。なぜのぞみ・みずほを除外するのだろうか。外国からの観光客である、ホスピタリティの観点から乗車できるならこの制限はなくてもいいのでは。
のぞみ・ひかり・こだまの料金はどうなっているか、東京から新大阪の場合で比べる。

料金 のぞみ ひかり こだま
運賃 8750円 8750円 8750円
自由席 4870円 4870円 4870円
自由席料金合計 13620円 13620円 13620円
指定席 5700円 5390円 5390円
指定席料金合計 14450円 14140円 14140円

東海道新幹線のぞみ・ひかり・こだまの所要時間と停車駅と料金の違い

指定席に差がでるが運賃・特急料金は全く同じ。

ジャパンレールパスがこのようになった経緯を推理するに、コスト的な面からの制限ではなくメインで走らせるのぞみ・みずほは遠慮いただき、それ以外の利用をすすめるということなのかもしれない。
 JRといえども官僚的体質を備えているので案外これは、内部的にだれも指摘しない触らない旧来からの慣習になっているのではないか。
ここは単純にのぞみ・みずほに乗車の場合指定席の差額を徴収すればいいだろう。(現在の規定ではのぞみ・みずほに乗車の場合、乗車区間の乗車券と特急券を別途買わなければならない。これはパスそのものに比してかなりの割り増し料金になる)
 混雑した改札で改札職員が丁寧に対応しているとは思えない。複雑な上記の規定を咀嚼し説明できているのであろうか。

 ジャパンレールパスの発行窓口は置くとして、改札をICカード化すれば各駅の改札では自動改札により切り分けが簡単になる。そしてここでも青春18きっぷと同じように全国のIC自動改札機が設置された公共交通機関で利用可能となり利便性がうんと増す。
しかし「青春18きっぷ」や「ジャパンレールパス」等は通常の交通系ICカードと同じ使い方では混乱し乗れない。このような切符を購入したという勘定科目が別途必要になる。

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VBA備忘録 文字列曖昧検索

あるコントロール「抽出備考」に入っている言葉でデータを曖昧抽出する、というVBAを考えていたがうまく行かない。
stLinkCriteria = "備考=" & "*’”& Me.抽出備考 & "'*"
stLinkCriteria = "備考='" & "*" & Me.抽出備考 & "*" & "'"
なんてことを一生懸命考えていた。
二日後に気付いた下記が正解だった。

stLinkCriteria = "備考 Like'" & "*" & Me.抽出備考 & "*" & "'"

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*何年か後の9月11日の空

 

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