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日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 3

2017年4月旧シリーズ名「鉄道運賃はこのままでいいのだろうか」をタイトル変更しました。

ICカードのスマートな利用

交通系のICカードはソニー製のFelica(フェリカ)という素材が使用されてつくられている。
 そのフェリカには改変できない「出荷鍵」という唯一無二のID番号が割り振られている。したがって世界のどこで発行されようと同じカードは存在しない。

 またフェリカの特長として一枚のカードに複数のカード機能を持たせることもできる。

www.sony.co.jp

 以前勤務していたとき所持していたフェリカには通勤定期券と交通系ICカード双方の機能があり、例えば

通勤エリア内の乗降は通勤定期券としての扱いで出改札のDATAのみ記録され、

通勤エリア内からエリア外までの乗降では通勤定期範囲の最後の駅から該当地までの運賃が、

まったく通勤エリア外の乗降であれば定期扱いではなくICカードとして区間運賃プリペイドから処理される、ということであった。

具体的には
1.自動改札機にカードを接触させると定期券のエリア内か否かを確認
2.定期券のエリアかつ有効期限内なら入退場記録を記憶し処理終了
3.定期券でなければ入場記録有無を確認する。
4.入場記録がなくICカードに最低区間運賃分の残高が無ければ入場を拒否し
5.残高があれば入場駅名と入場時間を記録し処理終了、
6.入場記録があれば接触させた自動改札機までの運賃計算
7.残高から引き去り残額を記録し処理終了
8.通勤定期の期限切れであればプリペイドからの引き去りでいいか否かをたずねる
9.エリア外であれば通勤定期の最後から出場駅までの区間運賃を計算し
10.プリペイド金額から引き去り処理終了
11.プリペイド金額が不足するなら、警報を出してチャージを依頼し処理終了
これらの処理を0.1秒で行うという。

この機能を使えば通常の交通系ICカードと、青春18きっぷの双方を乗せることが可能になりそうだ。
青春18きっぷで実際の運用に即して考証すると、
1.青春18きっぷ発売は発売期間がありその期間内にフェリカに購入記録する
2.フェリカで自動改札機にタッチし、青春18きっぷか否かを確認する
3.青春18きっぷでなければ通常の交通系ICカードとして処理
4.青春18きっぷなら有効期間の判定
5.有効期間内なら入場記録の有無確認
6.入場記録が無ければ1回の使用歴記録の諾否を確認する
7.青春18きっぷとして使用OKなら入場駅名と入場時間を記録(使用履歴1/5回)
8.入場記録があれば日をまたいでいないか確認
9.またいでいなければ出場駅と時間を記録(使用履歴回数は増えない)
10.日をまたいでいれば有効期限を確認し次の使用諾否を確認
11.利用者が青春18きっぷの使用を許可すれば2回目記録(使用履歴1回追加)
12.利用者が使用を拒めば、通常の交通系ICカードとして処理(その場合は最終入場駅から出場駅までの運賃となる)
13.青春18きっぷの登録使用回数までは青春18きっぷで承認

ただしこのパターンであれば人数をカウントできない、というか自動改札機はそもそも一人についての利用を確認する機械だ。
JRが青春18きっぷに設定する「1枚のきっぷを1人で5回までご利用いただけるほか、5人で1回などのグループでのご利用も可能です」という条件を生かしての場合は少し困難になる。
 複数で使用する場合は、購入の時に使用しようとする各人それぞれのICカードを使い一度に購入する。たとえばAさんが3回分購入、Bさんが2回分購入という具合だ。もちろんAさんBさんCさんDさんEさんの5人が1回購入でも同じ金額で購入可能とする。
 これで可能になれば通勤定期と交通系ICカードの例と同じように、青春18きっぷのエリアでは青春18きっぷの機能が働き、エリア以外では交通系ICカードとして処理することもできる。(ここでのテーマは青春18きっぷが全国で通用するという課題だが、それはのちに論ずる)

最後の問題はJR各社でもICカード対応の自動改札機普及率が低いということ。JR東日本ではHP企業情報に自動改札導入駅の記載がある。それによると1689駅の中で自動改札機設置駅は520駅(30.8%)ということになる。

JR東日本:東日本旅客鉄道株式会社
ちなみにJR四国では259駅のうち13駅(5.0%)に2014年という近年に設置された。

ICOCAガイド | JR四国

 しかし現在でも無人駅からの乗車では青春18きっぷの改札は行われていない。乗車後移動中に車中で改札してもらうか、当日最初の有人駅退場で改札してもらうことになっている。有人駅での改札という点は上記フェリカでもはぼ同じ結果となる。
 無人駅の場合を比較すると、無人駅に順次自動改札機設置が進み、現時点でも自動改札機の対応でよりきめ細かな対応というものが可能になる。IT技術の進化と、自動改札機の低価格化により、まちがいなくここ数年で自動改札機の設置も全国的にかなり広まる。この普及を期待したい。

【都道府県】ICカードが利用できる駅の割合ランキング 2015年版! : 関西と風景と未来のブログ

 各車掌が下記felicaPasori機能

www.sony.co.jp

を所持すればICカードへの書き込みが可能になるので、現在と同じく車中で履歴改札の対応が可能になる、車掌用Pasoriが開発実用化されないものだろうか。

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