読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

紙つぶて 細く永く

2014年6月以前の記事は元のBlog(OCN)からinportしたものそのままです。鋭意改善中です。<(_ _)>

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 4

2017年4月旧シリーズ名「鉄道運賃はこのままでいいのだろうか」をタイトル変更しました。

下記は日本の輸送機関別二酸化炭素排出量割合をグラフにしたもので圧倒的に自家用自動車が高比率を占める。
出典 http://sakam21.justhpbs.jp/kankyo/grad/fr/fr-g12.htm

f:id:greengreengrass:20160927073902p:plain


また単位輸送量(人キロ)当たりの二酸化炭素排出量も鉄道が群をぬいて優れている。
環境白書より

f:id:greengreengrass:20160927073457p:plain


鉄道はもっとも優れた公共交通機関といえる。
しかし近年旅客輸送の交通機関別分担率を見ると乗用車への依存が大いに進んできた。

f:id:greengreengrass:20160927075854p:plain

そして三大都市圏と地方代表で北海道の公共交通機関別の利用分担率が以下

f:id:greengreengrass:20160927172250p:plain

三大都市圏でも鉄道の比率は年々減少しているのだが、北海道では壊滅的な状況になっている。この中で全国的交通運賃体系はいかにあるかを考えなければならない。

JRは1987年巨額の赤字を抱えた国鉄を分割し発足した。本州のJR3社(JR東日本JR東海JR西日本)以外の4社(JR北海道・JR四国・JR九州・JR貨物)には当初から採算的に厳しいということからいくつかの支援策(経営安定基金や固定資産税減免等)がとられている。
 そうした中で2011年度JR東海は1328億円 JR東日本は1087億円 JR西日本は295億円の純利益を計上している。
 一方JR北海道はマイナス447億円 JR四国はマイナス102億円 JR九州はプラス208億円 JR貨物はマイナス5億円
JR全体でトータルすると2364億円の利益になる。
(新しいところでは2016年度JR東海は純利益3374億円になる見込みという)

 このようないびつな利益構造は前提条件を踏まえて推定すると、鉄道の利用分担率が高い地域ほど当然鉄道利用率が高く1列車当たりの乗客が多くコストパフォーマンスにも優れているため巨額の利益を上げ得るという結果になっている。利用分担率の低い地域はコストパフォーマンスの面とプラス地域人口の減少が重なってより採算が悪化している。今後も明るい展望は見られない。
 一説にJR各社を各地域電力会社にたとえる説がある。しかし電力会社には、いくら新電力会社が多数できたとはいえ上記のような圧倒的な利用分担率の差はない。ましてや鉄道には、エネルギー税を大量に投入して作られる道路を相手に、より少ない公費補助で運営してゆかなければならないというハンディがある。
 しかし採算が取れない路線は廃止することでいいのだろうか。たとえばJR東日本が多くの輸送密度2000人未満路線を抱えなお、山手線等首都圏の採算路線を含めた鉄道ネットワークとして存在するように、全国に張り巡らされた鉄道ネットワークをトータルでささえる発想が必要ではないか鉄道ネットワークは市民の移動に不可欠のシステムでもある。
 今のJR各社は経営的に別会社となっているため全国的交通運賃体系という思考はないのだろう。青春18きっぷの販売金額約70億円の利益も聞くところによると、全国のJR各社で丼勘定で配分しているらしい。下記参照

青春18きっぷの全国の発売枚数は67万枚。総売上は77億円。JR東日本のシェアは約38%と判明 - 旅行総合研究所タビリス

 ICカードによる数字面から経費的に分析する合理的全国運賃体系を考えてもいいのではないか。また北海道の保線にかかる経費をJR北海道のみが負担する必要性があるのか。JR東日本の鉄路も北海道まで続き、全国の旅客もその鉄路にのって移動する。北海道の路線は全国の旅行者が利用し恩恵を受けている。とすれば保線にかかる経費も見直すべきだ。それが2364億円の利益を全国で有効利用する方策と信ずる。
 また交通政策の面から大いに参考になるのはフランスの「都市交通税」という制度。フランスの都市交通事業者はその経営形態はきわめて多様(株式会社・公社・第三セクター等)であるが、全体として運賃収入は二割程度であり、その他は公的な「都市交通税」という制度による財源で運営されている。これは「一定規模以上の都市で事業を営む法人(雇用主)は公共交通システムの受益者であるから、その受益に対して適正な負担に応じる義務がある」という考え方により導入された制度である。都市共同体ごとに市町村の規模の大小により税率が決められ、都市圏内にある一定規模以上の企業から従業員の給与総額に基づき徴収される。ナント都市圏では、その税率は1.8%で、従業員12人以上のすべての企業が対象であるが、社員に他の交通手段を利用させている場合は免除される。
また、都市圏内の24の市町村が都市交通税の対象となり、周辺の農村部などは除外されているという。この都市交通税という特定財源や運賃収入などの一般財源と、運営費に対する補助金制度が公共交通システムの運営を支えている。
東京都議会 平成19年度海外調査報告(フランス) 
5に進む 日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 5 へ進む- 紙つぶて 細く永く

3に戻る  日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 3 へ戻る- 紙つぶて 細く永く

 

REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」