紙つぶて 細く永く

「イヴァンよお前にやる花はない」プラハの花屋

生きる人間は紙っぺらじゃないのだ

「新聞記者」

映画「新聞記者」を見た。

松坂桃李      「若き内閣情報調査室エリート官僚杉原拓海」

シム・ウンギョン  「新聞記者吉岡エリカ」

田中哲司      「内閣情報調査室参事官多田智也」

北村有起哉     「吉岡記者の上司陣野和正」

西田尚美      「元北京駐在の外交官の妻神崎伸子」

高橋和也      「元北京駐在の外交官で杉原の元上司神崎俊尚」

本田翼       「杉原の妻杉原奈津美

高橋努       「内閣情報調査室での神崎俊尚の後任都築亮一」

岡山天音      「新聞記者倉持大輔」

郭智博       「新聞記者関戸保」

宮野陽名      「神崎の娘神崎千佳」

長田成哉      「内閣情報調査室の同僚河合真人」

(こんな順だろうな)

町中のシネマコンプレックスだった。地下のスクリーン。

上映時間前に行くとスクリーン入り口に、4、50人の人が並んでいる。こんな映画は昔ならともかく近年では初めてだ。

YouTubeでも評判がいいのでこのあたりの影響もあるのかもしれない。

しかし残念なことに若い姿は皆目なし。(平日の昼間ということもあるかな)

待っているあいだ「ファンブル」を上映しているとなりのスクリーンからは、なにやらズドン、ゴーンてな音が漏れ聞こえていた。こちらに若い人がいるのかもしれない。

 一応指定席なので、客席数以上は入れないいのだがこんなに並んで溢れないないのかと疑ってしまう。

男女比では少し女性の方が多い。

この映画の原案となっている、「新聞記者」を書いた望月衣塑子東京新聞記者や、話題の(M氏こと)前川喜平氏も出演し、作中でニアリー現実について解説している。

映画が終わっても立ち上がる人は少なく、多くが無音の中で画面を注視していた。
(エンドロールは主題歌が流れるまでは無音だった)

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若い官僚が、先輩のリーク、そしてバッシングという事態に直面し考える。

その中で、上司から単純な作業、後ろめたい作業を指示される。

「民主主義なんて形だけでいいんだ」という上司の言葉。

その葛藤の中で若い彼も同じ道を選ぶ、という筋書きだ。

映画としては多くの「おや」と思える点はあった。

  • 主役である松坂桃李を除き、全員の役柄が紙のように薄かった。
    怖い奴は怖いまま、弱い奴は弱いまま、ずるがしこい奴はずるいまま、んっ何か非常に弱ってるなと思えばやはり自殺する、松坂演じる外務省から内閣情報調査室に出向している若きエリート官僚以外は全員役柄そのままの演技だ。
  • 元北京駐在の外交官という設定なら、その生涯の栄光や落胆を抱えているはずだからここは、最初から弱い人間として登場するのではなく、「えっあの人が自殺」と思わせる意外性がほしかった。
    そうであればこそ、「悪代官」役の多田内閣参事官の怖さが引き立つのではないか。
  • 妻であれば、出産について仕事とはいえ夫の不在をもっと嘆くはずだ。なぜ善人なのか?
  • 同じく主役「吉岡エリカ」役のシム・ウンギョンにはまだまだ日本語を勉強して欲しい。
    映画の中で意外な事実をきかされた時の受け答えに、「意外な事実」に直面したときの心底の驚きが顔に出ない。目は明るいままだ。
    これなら在米中の父と韓国系母親の出自いう設定なら母語は韓国語くらいを考えないと無理だ。
  • 映画の中の役どころ、日本語という言葉が武器の「新聞記者」なら、母語が日本語の役者でないと無理ではなかったか・・。
  • その意味からも、多くに出演拒否されたという日本の女性俳優の意気地なさが浮かび上がる。
    これだけの人が押し掛けている作品に躊躇することに、「貴女」は役者としてどうなのとなじられてもしかたがない。
  • シーンのつながりに無理がある。なので流れが読みにくい。(映画通ならわかるでは済まないのでは)

松阪桃李はいい役者だ。

国家を裏切る役にしては童顔過ぎるけど・・・

この映画が嚆矢になってほしいとは思うが・・

 ラストシーンは秀逸だった。それに救われた。

 

われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。

REMEMBER3.11