紙つぶて 細く永く

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青春18切符での出会い

友が亡くなった。私など比べ物にならない毀誉褒貶の生涯だった。ここ数年はO県から青春18きっぷでやってきて出会うことが何よりのかつ少ない楽しみであった。いつもは携帯電話で出会う日程を打ち合わせるのだが、この青春18きっぷシーズンには電話がなかった。その後私の携帯電話が壊れていたこともあり、たぶんまた連絡があるだろうと思っていた。
 ところが今日携帯電話に連絡をすると、「現在この電話は使われていません」と案内が流れた。怪訝に思い縁者の事務所に電話をしたところ昨年夏に亡くなったとの案内。

京都洛星高校では野球部、そして大阪大学経済学部に進み伊藤忠商事に入った。輸入材木を扱う部署で海外とくに東南アジアへの出張もあったそうだ。
しかし脱サラ、デザイン関係の商売を始めた。これがうまく行かなかった。親からの相続資産もつぎ込みその果てに離婚、子供たちとも離れ離れになった。
生来の好みだったということもあるだろうが酒が好きで、酔うとカラオケに誘われた。ポケットから裸の札をだしいなせに勘定を支払うカッコよさも・・。
年代は同じだったがいたってアナログ好みだった。
唯一のデジタルが携帯電話、しかし老眼の影響かメールやSNSは嫌い音声通話だけだった。年に3、4回ほど一緒に酒を交わしていたが間違いのない酒肴を選べる酒の上のグルメだった。
数年前には四国遍路八十八か所を競いあって回ったが車の弾丸遍路であるわたしが早かった。そのあと結願したか否かはききそびれた。また四国のあとは奥の細道を楽しみに大学の市民講座にも参加準備をしていた。東北では山寺がいいよという呑気な会話もしていたことを思い出す。
まったくの一人住まいとなってからはより晩酌が過ぎたのだろう、酔っ払って自転車ごとO市の用水路に転落、水死したとの話だった。
一人住まいであったが翌日、勤務する職場の方が不審におもいアパートを訪ねてくれた。捜索の結果用水路で溺死したことが分かった。

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件の市では用水路の整備が課題となっているようで、昨年1年間で10人近くの方が用水路に転落死亡しているとのこと。それを聞き、水路の横をふらつきながら歩く友の姿が思い描かれた。携帯電話は流されたのだろうか、警察で聞く所持品にはなかった。事情で分かれ分かれになっている子息の連絡先もその携帯電話の中にしかないとのこと。
夢かうつつかさびしく流れゆく携帯。        合掌

REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

 

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