紙つぶて 細く永く

2014年6月以前の記事は旧Blog(OCN)からinportしたものそのままです。鋭意改善中です。<(_ _)>

落とし前

北朝鮮との関連でいうなら、今この危機を解決するには関係五か国の中で、米国ロシア中国韓国の状況から、日本が主体的に交渉の前面に立たないと事は解決に進まないという論がある。
 しかし悲しいことに我が国のリーダーには「前科」があり対北朝鮮の交渉では役に立ちそうにない。
北朝鮮訪問時に当時の小泉首相とともに官房副長官として随行した、小泉総理一行は5人の拉致被害者を連れて帰国した。
 安倍晋三氏にはこの平壌訪問は戦場に向かう兵士の気持ちだったのだろう。戦いの後いわば「戦利品」を和平後に返す戦術など頭の隅にもなかった。平壌では帰すとして同意していた5人を帰国後は日本にとどめるとし、交渉結果に反した。
 その経緯について福田氏は、(凱旋帰国した日本では)「日本の国内世論も違った。小泉氏も私も世論を読み違えた」下記福田氏インタビューと述べている。

 

下記は外務省のHPにある当時の竹内 行夫外務事務次官のくるしい言い訳会見。

事務次官会見記録 (平成14年10月28日(月) 17:00~ 於会見室)(問)日本に戻ってきた人5人の方の北朝鮮にいる家族が日本に帰ってくるということについて、日朝間でそれに同意できてないということですが、この10日間ぐらいでだいぶ事態が急に動いてしまったというような印象を持っているのですが、次官御自身のお言葉でこの10日間ぐらいの間に急速に事態が、ある意味で硬化したというのは何故だったというふうに思われますか。

(次官)元々、私が先ほど言われたようなことを申し上げたときは、5人の方々が1~2週間を目処に一時帰国されるということで前提があったわけです
金正日国防委員長の発言にしろ、一時帰国ないしは帰国について便宜を図ると、保証するということがあったわけです。更には9月17日の北朝鮮外務省のスポークスマンの談話の中にも。5人の方々とは言っていませんが、生存者について帰国、又は故郷訪問について、保証しますということが唱われていましたし、更には斎木調査団の際には家族の方々についても本人の意思がそうであれば帰国を保証しますということがあったわけです。それを念頭に置いて、私に限らず政府としてはそういう説明をしてきたということです。ただ、ここで非常に重要なことは自由な意思の確認というか、恐怖とかいうこと無しに自由な選択をされる環境を設定するということが非常に重要になってきたと、日本の中に於いてそういう状況が出てきたということだと思います。従って自由な意思を確保する環境の設定ということからして、5人の方々の滞在を延長し、更には北におられる御家族の方々にもこちらに来ていただくということを日本政府として求めるという決定をしたわけです。それに対して北朝鮮の方がそれは元々の話とは違うではないかというのが今のこの状況だろうと思います。拉致というのは言うまでもなく非常に非道なむごいことです。これは日本の主権が侵害されたということがありますが、更に加えて被害者の方々が全く暴力的に自由を奪われて、連行されたということに非常にむごさ・非道さというのを感じるのだろうと思います。大事なことは従って被害者の方々が自らの自由を回復されるということがやはり重要なことだろうと思いますので、その自由を回復するに当たって、まさに自由な雰囲気で、自由な環境で自らの選択を行えるということを設定するというのが、今我々に課せられている仕事であり、政府としてそのために努力をしているということで北朝鮮に対してもその点を引き続き求めていくということです。

 

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平壌宣言では、5人はあくまでも一時帰国であり、事が済めば5人は北朝鮮に帰ることを前提として合意された。
しかし、国民の中にある「5人を返すな」という大勢意見に押され「自由意思による確認」云々という得体のしれない言い訳で、「やっぱり返すことをやめます」となったわけだ。

この5人を返さないという方針を主体的に決定したのが当時の安倍晋三官房副長官だった。下記サイトの動画で24分15秒からの部分に言及されている。

北は攻めてくるのか/前原民進、おっとっと・・・/10.22 何が起こる? 平野・早野・鈴哲の永田町フ~ゥン録 - YouTube 
平野氏はこの裏切りがなければ北朝鮮は現在のように意固地にはならなかったし、また拉致問題も当然変わっていたと述べている。

そんな中、当時の安倍晋三官房副長官の上司、福田康夫官房長官のインタビュー記事(福田元首相「小泉氏も私も世論読み違った」 拉致問題:朝日新聞デジタル )が先日(2017年9月17日)掲載された。その中でも

北朝鮮との交渉で最も気をつけた点は。
-「北朝鮮に限らず、国と国との深刻な交渉問題は、かなりの信頼関係がないと進まない。
 北朝鮮は『実行対実行』が行動の基本にあり、日本が信頼できるのかをみていた。
 北朝鮮のトップが拉致という自らの過ちを認め、謝罪したという「重み」を考えると(帰国した5人を約束通り北朝鮮に戻さなかったことで)首脳間の関係は完全に壊れた。
北朝鮮との交渉は、もう一度首脳同士の信頼を紡ぎ直すことからまず始めなければならない

と福田氏は述べている。

外交でこのような事後言い訳を認めるのなら協議そのものが成り立たない。
(韓国での慰安婦問題「蒸し返し」と同じようなことを日本でも結構やっているんだ・・

【韓国新政権】慰安婦問題「人権」前面に蒸し返し 日韓合意再交渉を検討(1/2ページ) - 産経ニュース )

日本が主体的に交渉の前面に立つとしても、10月に予定されている総選挙で政権首脳を変えるか、それとも(できないだろうが)まず「返さずに済みませんでした」ときちんと謝り「首脳同士の信頼を紡ぎ直す」ことでしか・・・
とここまで考えて、お互いに両国指導者は「厄介者」同志、交渉も徒労になりそうでなんだか暗雲ただよう日本と世界の未来が浮かんできた。

 

REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」