紙つぶて 細く永く

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論駁

立花隆の力作「論駁」そこにこんな一節が。
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法律問題というのは、数学や物理の問題のように答えが必ずしも一義的に出るわけではない。ひとつの論点について三つか四つの議論が同時になりたちうる場合すらある。どの立場をよしとするかは見解の問題、選択の問題である。
 それぞれの論理を追っていけば、A説もB説もC説もそれなりの論理的成立基盤を持つということはいくらもありうる。
 従って法律のプロが議論していて相手の見解を「誤り」ときめつけるときは、理論的にはそういう主張が成り立ちうるとしても自分はその主張にくみしないという意味の主観的「誤り」を意味している。一方こうした主観的「誤り」に対して、1プラス1を5としてしまうような客観的(=絶対的)「誤り」はプロ同士の議論においては極めて少ない(Blog加筆 「が素人には多い」)

手始めに渡部昇一氏の著書「暗黒裁判論」から引用すると

暗黒裁判論」渡部昇一朝日新聞に掲載された岡原昌男元最高裁長官のインタビュー記事を読んで慄然とした。 そこで岡原元長官は「無罪推定論は、一審判決の重みを全く理解しない論だ。控訴審、上告審は審理のやり直しではなく、新事実の主張があれば、その点だけを調べるにすぎない。上級審で逆転無罪となるケースはほとんどなく、一審判決はそれほど重い」
私(渡部)はこの発言を読んで本当に肝っ玉の潰れるほど驚いたのだ。何人も裁判所において裁判を受ける権利を奪われない、(憲法第32条)ということはだれでも知っていることだ。日本の裁判では第一審に不服なら控訴、それに不服なら上告できることもまた常識である。最高裁長官までやった人が田中角栄に関しては控訴・上告して争うことを「司法軽視の姿勢」だといっておられるのである 元最高裁長官の「予断に満ちた発言」を読んで、ハッとして「目から鱗が落ちる気がした」

 

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 田中有罪の予断を捨てると、この裁判が暗黒裁判であることがわかってきたというのである。
 私は渡部氏のたぐいまれな博識ぶりとレトリックの駆使能力にはかねて敬服しているのだが、そのひとが時々イカサマ論法を使うことをこの人のために大変残念に思う。
 元長官は一審を受け入れて控訴・上告するな、などという意味のことは一言もいっていない。政治家田中角栄の身の処し方について意見を述べているのであって、被告人田中角栄の処し方、すなわち控訴すべきか否かについて意見を述べているのではない。
この程度が理解できないで、慄然と目から鱗が落ちる大学教授も大学教授である。

 渡部氏は引用による論証が人一倍お好きな方(Blog注1)で「角栄裁判論」に限らず、氏の書く文章はいつでも多彩な引用にちりばめられている。
 しかし引用する場合には「引用のしかたにおいて正しい引用である」「引用された内容が客観的に正しい」「引用が論理的に正しく論証の一部を構成している」という条件が守られなければならない。

俵幸太郎氏(Blog注2)の発言の中に「よしんば田中角栄氏が若狭得治氏に電話をしたとしても、それはまさに内閣総理大臣たる田中角栄個人の行為であって、総理大臣には運輸大臣の権限を代執行する権限は持っていない」
 これを受けて林修三氏(Blog注3)は「こんどのローッキード事件は前の事件より職務権限については理由は薄弱です。判決では田中角栄氏が若狭氏に電話をかけて機種の変更を頼んだ。それを仮に若狭氏が聞かなければ、今度は田中氏は開き直って、運輸大臣に対して、あの閣議了解を使って『おまえ行政指導しろ』ということが言えるはずだ、だから密接関連行為だという論法なんだ。実際にはやっていない」
 しかし裁判で田中の働きかけの事実として認定されたのは小佐野経由の働きかけと、総理官邸における、若狭、渡辺に対する直接の働きかけの二点である。総理大臣官邸執務室で執務時間中に働きかけをしたのである。この二人のやり取りの中で法律の専門家林氏は「それは総理大臣たる田中角栄の力じゃなくて田中角栄個人の力ですよ」と言い換えている。
 おそらく俵氏は、中曽根首相が靖国神社参拝にあたって、「総理大臣たる中曽根康弘個人として」と玉虫色の答えをした例にならったのだろうが、法律の世界では玉虫色は通らない。「総理大臣である田中角栄が個人的に行った職務行為」であれば問題なく田中角栄の職務権限は成立する。
 賄賂罪の規定は公務員の「職務の公正」と「職務の公正に対する国民の信頼感」を保つためにある。
 賄賂を貰っても、職務は公正にやりましたという場合、前者の「職務の公正」は保たれても、後者の「公正に対する信頼感」は破壊される。ゆえに職務権限の行使に実効がともなっていなくても処罰されるのである。
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Blog注1 わたしもそうだなあ
Blog注2 俵孝太郎 - Wikipedia
Blog注3 林修三 - Wikipedia

 職務権限に基ずく行為をやったかやらなかったかは関係がない。職務権限(職務密接関連行為を含む)を保持しているならば、その権限が行使できる範囲で賄賂を貰うと賄賂罪に問われる。
 このことは多分合州国大統領にもあてはまるのではないか。各メディアでトランプ大統領がFBIにたいして捜査の中止を求めた(希望した)ことにたいしてFBIがその捜査を中止した様子が無いことを司法妨害の立証が困難とうたっているが、実効だったか否かでなく、総理大臣(大統領)が官邸(ホワイトハウス)執務室で執務時間中に捜査中止の働きかけをしたことが重いのである。
(当然同様にどこやらの国の「官邸最高レベル」が行ったことも実効性云々と関係なく考えるべきだ)

 

 

REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 14 

線路は続く 目次

線路は続く4 経費増大の中での生産性向上運動の挫折

1964(昭和39)年に創設された日本鉄道建設公団(現在は独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構となっている)が建設した路線図が下記図

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鉄道新線建設を積極的に推進するため国鉄とは別個の組織日本鉄道建設公団をつくり新線建設事業にあたらせた。このことは反面、国鉄自身の経営的意志決定とは関係なく新線がつくられるということになり、路線は完成後国鉄に貸し付け譲渡された。
下記に日本鉄道建設公団(現独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構)が建設した路線一覧がある。
現行路線には右端に一日あたりの通過人員を記載した(2014年度)。ここの数字が4000人/日以下の路線は旧国鉄で定義された採算が厳しいという特定地方交通線に当てはまる。4000人/日以下の路線は該当数字を赤色にしている

鉄建公団建設路線ver2-1.pdf - Google ドライブ

鉄建公団建設路線ver2-2.pdf - Google ドライブ

鉄建公団建設路線ver2-3.pdf - Google ドライブ

鉄建公団建設路線ver2-4.pdf - Google ドライブ

鉄建公団建設路線ver2-5.pdf - Google ドライブ


日本鉄道建設公団の上記図には含まれない「未成線」という定義の路線がある。

1980(昭和55)年、国鉄再建法施行にともなって運輸省は、開業後見込まれる輸送密度が1日当たり4,000人未満の路線については、受け皿となる第三セクターなど国鉄以外の運営主体がない限り建設を凍結することを決めた。以下のサイトに詳しく掲載されている

マボロシ鉄道(未成線) - 未来鉄道データベース

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戦後の混乱期に引揚者を受け入れ、かつ朝鮮戦争をきっかけに盛んになった経済状況を受け運送需要が増大した国鉄は主体的人員計画もなく職員数最大で61万5千人となった。
敗戦後国鉄の中身は疲弊していた。
 国鉄の労使関係が極端に悪化したのは1967(昭和42)年からの反合理化闘争からである。70%もの列車を牽引していたSLを廃止し電化・ディーゼル化が進むにつれ機関車に乗る機関助士が不要になった。また、ボイラー用の水と石炭を補給するために50から100キロごとに設置されていた動力車基地も不要になった。
 しかし国鉄の労働者は要員効率化機関助士廃止に反対した。
この当時の国鉄には国鉄労働組合=国労(281800人)、鉄道労働組合=鉄労(74500人)、国鉄動力車労働組合=動労(62100人)の3組合があり、中でも国労は1949(昭和24)年には575800人と国鉄職員の9割以上の組織率であった。この組織率が強気を生んだ。

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  結局この反合理化闘争は国鉄経営側が折れて大幅な妥協となった。
その後1969年(昭和44)年磯崎叡が総裁に就任すると、再度合理化を徹底し企業らしい経営を求める「生産性向上教育」略してマル生と呼ばれた、が開始され、その教育を依頼されたのが日本生産性本部である。

そして磯崎総裁は実施にあたり現場管理職に向かってこう述べた

昭和解体-国鉄分割・民営化30年目の真実-牧久著より磯崎総裁は就任早々から始めた全国行脚で、現場長を前に
「職員は労働組合員である前に国鉄職員であること。国鉄を愛するということと、国鉄を利用してくれる方々に対して誠意を持つこと」
 「現場には国鉄のおかれた現状を理解しようとせず、意図的になんでも反対しようとする、本当に質の悪い職員がいます。こういう職員を良くしようとは思っていません。次元の違う職員、国鉄を利用して(日本に)革命を起こそうと考えているような職員を改心させようとするむだな努力は止めた方がよい。国鉄を愛することも、利用者に誠意を持つこともできず、列車を止め、お客さんを困らせ、国鉄をつぶしてしまってもいいと考えるような職員は放っておいてもよい(略)。数字を上げれば二%ぐらいが質の悪い職員ではないでしようか。残る九八%の中で、管理者が何も言わなくてもわかっている職員は半分ぐらいしかいません。残りの半分は黙っていてはわからない職員です。このどっちつかずの職員をキチッと指導することが大事なのです」

しかし、国鉄の現場は一般の工場労働者とちがって「生産性向上」の実績を数字で表せない業務が多い。必然的にその”矛先”は、仕事の足を引っ張る組合活動家に向けられ、国労・動労の組合員を減らすことが目的になっていく。それが各地の現場で「不当労働行為」を引き起こした。
国鉄の生産性向上運動は、労使協調という、”愛の哲学”をたてまえに敵対する組合員を排除する”憎悪の哲学”を裏面に同居させながらスタートしたのである。(上記昭和解体-国鉄分割・民営化30年目の真実-より)

また「国鉄改革の真実」葛西敬之著には、
「国労・動労はマスコミと野党を動かして反撃を試み、いくつかの行き過ぎを不当労働行為として訴えることにより、生産性向上教育を政治問題化することに成功した」とある。
 教育を引き受けた日本生産性本部が実施する、生産性向上運動の原則は以下の三点であった。

  1. 「生産性の向上は究極において雇用を増大する。過渡的な過剰人員は配置転換などで失業を防止する」
  2. 「生産性向上のための具体的方式は労使協力して研究、協議する」
  3. 「生産性向上の成果は経営者、労働者、消費者に公正に分配される」


なぜかその日本生産性本部のHPに今も当時の総評の宣言「生産性増強運動にたいする基本的態度」が掲載されている。

公益財団法人日本生産性本部 綱領・宣言集 「生産性増強運動にたいする基本的態度」
その中には
「それらのことの結果、日経連が本年2月発表した数字を基礎としてみても(昭和)28年9月以降、労働生産性が7%の上昇をしめているときに、賃金はわずかに3%の上昇にすぎず、反対に生計費指数は9%あがり、失業は増加している。このことは,半面において大資本家の手中にはいる利潤の増加をしめすものといわざるをえない。最近大資本家の主張するいわゆる労働生産性の増強なるものが、誰を利益し、誰の負担を増加させるのであるかは、おのずから明らかである」
とある。

線路は続く 目次

2020・21年発表JR各社の決算比較

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/g/greengreengrass/20210729/20210729102747.png

各社2021年運輸収入数字後は2020年比
  • JR北海道 
    2020年3月発表決算
    運輸収入「875億円」:赤字「▲521億円
    2021年3月発表決算
    運輸収入「510億円」58.3%:赤字「▲814億円
  • JR四国
    2020年3月発表決算
    運輸収入「260億円」:赤字「▲136億円
    2021年3月発表決算
    運輸収入「146億円」56.2%:赤字「▲231億円
  • JR東海
    2020年3月発表決算
    運輸収入「1兆4222億円」:鉄道部門利益額「6167億3300万円」
    2021年3月発表決算
    運輸収入「5274億円」37.1%:鉄道部門利益額「▲1819億9600万円
  • JR東日本
    2020年3月発表決算
    運輸収入「1兆9692億円」:鉄道部門利益額「2540億9500万円」
    2021年3月発表決算
    運輸収入「9543億円」48.5%:鉄道部門利益額「▲6508億2700万円
  • JR西日本
    2020年3月発表決算
    運輸収入「9318億円」:鉄道部門利益額「1054億1200万円」
    2021年3月発表決算
    運輸収入「4807億円」51.6%:鉄道部門利益額「▲2476億3400万円
  • JR九州
    2020年3月発表決算
    運輸収入「1652億円」:鉄道部門利益額「200億8900万円」
    2021年3月発表決算
    運輸収入「897億円」54.3%:鉄道部門利益額「▲366億1000万円
  • JR貨物
    2020年3月発表決算
    運輸収入「1429億円」:鉄道部門利益額「85億500万円」
    JR貨物
    2021年3月発表決算
    運輸収入「1336億円」93.5%:鉄道部門利益額「▲90億6400万円
  • 2020年7社
    運輸収入合計 4兆7680億37百万円
  • 2021年7社
    運輸収入合計 2兆2515億28百万円  47.2%
    営業損益合計 ▲1兆2306億25百万円

Excell和暦と西暦

Excellの小技です。
また書籍の表をOCRにかけたところ、「s39.5.26」という表記があった。
もちろん昭和39年5月26日という意味ですが、これをセルの書式設定で西暦に変換できる。

f:id:greengreengrass:20170607122433p:plain


当初はこれで読み替えても駄目であった。
しかたなくいったん「s」を外したがsが無いことには年号と認識できない。
なぜ読み替えないのか、なんのことはないここにも見えない改行符合が入っていた。

「=VALUE(TRIM(CLEAN(A1)))」でその符合を削除したところ綺麗に読み替えた。

f:id:greengreengrass:20170607123246p:plain

補足
上記画像の中に「s39.11.5」と見えるセルがあり、これがエラーとなっているが、これもOCRのなせる技で、「11」を「II」と読んでいる。
さすがにこれは手入力で「11」に変えました。そして無事「1964年11月5日」となりました。 

 

REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

Excell消えない半角スペース

書籍の表をスキャンしエクセルに取り込む。
印刷されたものはワープロ(古いな)で打ち込んだものとは少し異なるスペースがある。
 たとえば改行のタイミングで句読点「、」や「。」がある場合は、行頭に句読点を用いずに、少し行の長さ(文字と文字の間の空間)を短縮し句読点を行内に納め、他の行と高さを合わせる。
 今回は表を取り込もうとした。上下にしか罫線がないという、罫線が少ない表だったのでなおの事、OCRが利かなかった。
 wordに変換すると、(計算結果が異なった時に)修正がし辛いので、エクセルに読み込んだ。
スキャンしOCRをかけたところ下図のようになった。

f:id:greengreengrass:20170606155533p:plain


このままエクセルに吐き出すとひとつのセルの中に青線内の文字がすべて入ってしまう。そこで補助線ツールで補助線を引いてやる。

f:id:greengreengrass:20170606155859p:plain


こんな具合だ。
そしてエクセルに吐き出すと、修正は必要だが労力ははるかに少ない。
ところがエクセルで半角スペース削除の修正をかけたもののどうしても修正できないセルが出てきた。下図のようにSubsutitute関数を使い、半角スペースを削除するができない。

f:id:greengreengrass:20170606160346p:plain


見えない改行符号かと思い、改行符合の削除も行った。

Office TANAKA - Excel Tips[セル内の改行を削除する]


これでもダメだったので、そこでCODEにより文字コードを表示した。

f:id:greengreengrass:20170606161949p:plain


結果上図のセルC2は「160」と表示つまり、セルB2後ろから3文字目はchar(160)の改行符合だった。OCRの結果こんなものが入るんだ。そこで次にchar(160)を削除する。

f:id:greengreengrass:20170606162948p:plain

これで完了。
下記サイトを参考にさせてもらいました。

www.excel.studio-kazu.jp

 

 

REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 13

線路は続く 目次

線路は続く3 日本鉄道史から

(いわば政治に「もてあそばされた」国鉄との視点を持っている)

政府は第二次大戦後の引揚者を国有鉄道としての国鉄に受け入れた。その実数は定かではないが、参議院の答弁書に政府として以下の回答がある。

1

「運輸省五十年史」によれば、国有鉄道において、1944(昭和19)年には、職員数が1936(昭和11)年の約二倍のa45万5千人に達し、その後、1952(昭和27)年度には、  職員数がb61万人に達したとされている。

また、日本鉄道共済組合作成の「共済年金四〇年史」によれば、 1956(昭和31)年度末の国鉄共済年金の受給者数はc15万2430人、1987( 昭和62)年度末(JR7社発足の年)の国鉄共済年金の受給者数はd46万3776人とされている。

( 質問主意書:参議院 )

1から計算すれば、b610000-a455000=155,000人となり、

2から計算すると、d463776-c152430=311,346人となる。

資料「国鉄の収支状況の推移及び将来試算」には1978(昭和53)年から退職金支払いに伴う異常値が計上されている。

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また資料「立法過程の一事例研究-国鉄経営再建法を素材として」には、退職率は通常30年勤続で年率平均3.3パーセント程度であるが、1954年からは10年間で現在43万人いるうち20万人が退職することが見込まれる、となっている。

8の字路線:日本鉄道史1933(昭和8)年に京都駅ー幡生(はたぶ)駅間の山陰線が開通し東海道、東北、奥羽、羽越、信越、北陸、山陽、山陰各本線が「京都」「米原」を接点として本州を8の字で結んだ。


敗戦時国鉄は運輸逓信省として国営であった。それでも敗戦直後の昭和20年9月に、鉄道復興5か年計画を立案したが、資材確保難等に より計画を変更しなければならないような状態であった。21年からの傾斜生産方式の採用に伴い、23年には国有鉄道の輸送業務を国の超重点政策とすることが閣議決定され、日本国有鉄道法により、労使関係の民主化及び経営効率の向上とう面から公共企業体とされ、優先的な資材の供給等がなされた結果、同年以降にはようやく激しい戦後の混乱も緩和されるように至った。
戦時中に大幅に増加した職員の人員整理や創業以来初めて経験する赤字対策等の難問に新た に直面することとなった。
 1948(昭和23)年国家公務員法が施行され、GHQは公務員の争議権を否認、同時に国有鉄道・専売事業については、国家権力の行使に関係するものではなく、企業運営にすぎないものであるからその職員の労働権は一般公務員より緩和するほうが望ましいとして公共企業体という独特の企業組織に変更するよう指示した。(マッカーサー書簡7月付)
 その中で最も問題となったのは新しい公共企業体組織の内容だった。GHQ内部でも経済科学局は、国有鉄道は規模も大きくかつその運営は国家財政にも影響があるということから法律で財政面から拘束すべしという意見であった。かくして日本政府は、形式的には企業的色彩の強い面を持ちながら財政面については政府機関に近い拘束を受ける組織として「日本国有鉄道」を発足させた。
 国有鉄道では、敗戦とともに軍招集者・引揚者の採用増加と共に新規採用もあって1947(昭和22)年には職員数が61万人にも達した。このような状況のもとで1949(昭和24)年7月行政機関職員定員法に基づき国鉄職員95000人の人員整理が行われた。

1950(昭和25)年に勃発した朝鮮戦争をきっかけに特需景気が起こり日本経済は本格的な復興から発展への軌道にのり、鉄道輸送も著しく増加した。
 旅客輸送人員(注1)は1936(昭和11)年が10億6000万人、1955(昭和30)年が38億5000万人と3.4倍、
 貨物輸送量(注2)1936(昭和11)年が163億トンキロ、1955(昭和30)年が426億キロトンと2.6倍

そしてこの輸送量増加に合わせて老朽化した施設の取り換えと電化を進めることを目的に第一次五か年計画が実行された。この第一次五か年計画は財政的にも窮迫した環境での計画であり政府として満足のゆく結果ではなかったこともあり、1961(昭和36)年から第二次五か年計画を実行した。
第二次五か年計画は東海道新幹線の建設と主要幹線の複線化を主眼に、1兆3千億円強の規模で投資を行うものだった。
 その結果、
列車キロ(注3)は1955(昭和30)年の3億8499万キロから1964(昭和39)年には5億7624万キロ、1.5倍、
旅客輸送は912億人から1642億人、1.8倍
貨物輸送は426億トンキロから589億トンキロ、1.38倍、となった。

注1 旅客輸送人員 旅客人キロ(輸送人キロ)各駅間通過人員に各駅間のキロ程を乗じて全駅分を集計したもの。
注2 貨物トンキロ 各駅間通過トン数に各駅間キロ程を乗じて全駅分を集計したもの。
注3 列車キロ  列車が走行したキロ数の累計。


従来鉄道の新線建設については鉄道敷設法(1922年大正11年)により鉄道建設審議会の着工の建議に基づき国鉄が行うものであった。しかし当時日本国有鉄道は独立採算制ということもあり、既設線の整備増強に力を注いだ。

 1964年大蔵大臣であった田中角栄の肝いりで日本鉄道建設公団(鉄建公団)が創設された。鉄建公団は国鉄に変わって鉄道新線建設を行い、完成後は国鉄に貸し付けまたは譲渡した。建設予定の工事線は地方開発線(A線)、地方幹線(B線)、主要幹線(C線)、大都市交通線(D線)、青函トンネル海峡連絡線(E線)、整備新幹線(G線)、民鉄線(P線)の7つに区分されたが建設路線の大半を占めた地方開発線及び地方幹線(AB線)は計画段階から黒字が見込めないローカル線で、これも国鉄の経営を圧迫するもととなった。
参考資料 (「日本鉄道史」http://www.mlit.go.jp/common/000218983.pdf

いわば親方日の丸政策は政治の方から持ち掛けられたのである。

線路は続く 目次

2020・21年発表JR各社の決算比較

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/g/greengreengrass/20210729/20210729102747.png

各社2021年運輸収入数字後は2020年比
  • JR北海道 
    2020年3月発表決算
    運輸収入「875億円」:赤字「▲521億円
    2021年3月発表決算
    運輸収入「510億円」58.3%:赤字「▲814億円
  • JR四国
    2020年3月発表決算
    運輸収入「260億円」:赤字「▲136億円
    2021年3月発表決算
    運輸収入「146億円」56.2%:赤字「▲231億円
  • JR東海
    2020年3月発表決算
    運輸収入「1兆4222億円」:鉄道部門利益額「6167億3300万円」
    2021年3月発表決算
    運輸収入「5274億円」37.1%:鉄道部門利益額「▲1819億9600万円
  • JR東日本
    2020年3月発表決算
    運輸収入「1兆9692億円」:鉄道部門利益額「2540億9500万円」
    2021年3月発表決算
    運輸収入「9543億円」48.5%:鉄道部門利益額「▲6508億2700万円
  • JR西日本
    2020年3月発表決算
    運輸収入「9318億円」:鉄道部門利益額「1054億1200万円」
    2021年3月発表決算
    運輸収入「4807億円」51.6%:鉄道部門利益額「▲2476億3400万円
  • JR九州
    2020年3月発表決算
    運輸収入「1652億円」:鉄道部門利益額「200億8900万円」
    2021年3月発表決算
    運輸収入「897億円」54.3%:鉄道部門利益額「▲366億1000万円
  • JR貨物
    2020年3月発表決算
    運輸収入「1429億円」:鉄道部門利益額「85億500万円」
    JR貨物
    2021年3月発表決算
    運輸収入「1336億円」93.5%:鉄道部門利益額「▲90億6400万円
  • 2020年7社
    運輸収入合計 4兆7680億37百万円
  • 2021年7社
    運輸収入合計 2兆2515億28百万円  47.2%
    営業損益合計 ▲1兆2306億25百万円

ペナントという長期戦の采配

1試合のなかで勝利をつかむという采配と、ペナントという長期戦で勝利する采配があると思うのだが。
その長期戦を見据えて阿部を4番から外したのだろうが、問題は4番ではない。
空回りしている、立岡・長野にあるのだろう。
最終ゴールで1ゲーム差、いや一厘差でもいい、差を着ければいいのだが、楽天に大敗するようじゃこれも心もとない。
新聞本紙のテコ入れに比べ子会社ジャイアンツへの活が足らないんでは、渡辺さん。

 

REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

小悪と大悪

高級官僚が「資料は見当たりません」「あったとしてもこの5月末で消去されます」と言い張る、
あるいは、私は彼と違って24時間謹厳実直ですと暗にいうひとが「調査はしません」と強弁するのを、信じられないか、

100歩譲って、24時間も謹厳実直でいられない品格の人が、真実について語るのを信じられないと考えるか、

の判断

 

REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

Chromeのやぼな新機能

chrome右肩になぜか名前が現れた。

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最初は出なかったが、昨年から始まった新機能らしい。そして先日拡張機能で背景画像の変更等を行たところ現れた。
非表示方法が分からず、net探索をしたがユーザーによって開示されている方法もまちまちで、どれを信じていいかわからず、結局一旦chromeを削除した。
ところがedgeに切り替え使うが、レスポンスが遅い(注)のが気になりストレスとなったので、再びchromeに戻った。

自身のサイト「紙つぶて」を表示させてみると、
edge 30.15秒

chrome 12.5秒
うんと違う


 実はchromeを削除するときに「お気に入り」がどうなるかを無視していた。
edgeからchromeのお気に入り復活を目指したが、「backup」ファイルが無くて断念。旧edgeのお気に入りを復活させた。
ところが上記のようにレスポンスの違いが歴然でやはりchromeを再インストールした。するとお気に入りも自動的に無事復活した。

上記の名前ですが、下記赤い矢印の名前をクリックします。するとアカウント情報が開くので下記図で下の青い矢印部分をクリック

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次に現れた下記画面で「名前」のところに無難な名称をいれればOK

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Googleさんもいろんなことをしてくれる。

 

REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

京都一周トレイル完歩か

京都一周トレイルを歩く。
今回は比叡山から二ノ瀬その間7時間程度ちょっときついコース、となる「北山東部コース」
 これで一周トレイル完歩の予定だったが断念、大原で止まった。残りは次回。
歩きながら鳥の声を録音したので写真と共にどうぞ。後ろに鳥の声が・・


 

REMEMBER3.11

不断の努力「民主主義を守れ」

花もも

少し胃が持たれていたので昼食に蕎麦を食べた。いつもの花もも
今日はすだち蕎麦。出汁まで完食。

先日ミシュラン(ビブグルマン)というらしいが、要するに軽く食事ができる店、みたいなジャンルがあるんだとか。
「いのうえ」に行ったときにその盾が置いてあったので分かった。

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「いのうえ」はもちろん魚も美味しいのだが、このナス田楽が美味い

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そこで調べるとビブグルマンは5000円程度で食事ができる店対象のカテゴリーらしい。

調べると、「花もも」始め「岡北」「ほかげ」「角倉」も掲載されている。各店すごい。
そしてミシュランも広いエリアを回っているんだなあと感心・・

丸太町界隈 - 紙つぶて 細く永く


もものマスターに聞いたところ、この盾は35000円で販売しているのだそうだ。
「もちろんうちは頼みませんでした」とのこと。したがって「花もも」には盾がありません。

 

REMEMBER3.11

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