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日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 34 線路は続く20

線路は続く 目次

JR北海道にみる鉄道路線

JR北海道から「維持できない線区」が発表されJR北海道単独としての対応はこれ以上難しい状況になった。下記維持困難な路線の解説図。

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以下はJR北海道現在の路線図。2266.5km 2018年9月現在

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その上に維持困難な路線(黄色と赤色)をGISで現すとこうなる。1237kmf:id:greengreengrass:20180820105234p:plain

2031年に予定されている新函館北斗駅から札幌駅への延伸工事が完成すると並行在来線となる函館線(函館-小樽間)は第三セクタ-に移管される。

その結果将来JR北海道鉄道路線はこうなる。

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上記が半減した路線図だ。

縮小するJR北海道
  • 現在の路線。2552.0km
  • 発表された維持困難な路線 1237km
  • 存続する路線 計1315km
  • 2030年北海道新幹線延伸(新函館北斗-札幌間211km)にともなって切り離す函館線の函館-小樽間 252.5km 差引マイナス41.5km
  • 計1315km-41.5km 1356.5km 1273.5km
 差引2030年の総延長 1273.5km 現路線に比べて49.9%

えりも岬や網走知床、宗谷岬はもちろん富良野でさえJRではたどり着けない。

 

2018年8月16日の新聞社説で以下のように取り上げられた。

経営再建中のJR北海道に対し、国土交通省は2020年度までの2年間に400億円超の財政支援を行うことを決めた。
人口減と過疎化が著しい北海道で、維持費のかかる鉄道網をだれがどう支えていくのか。
この2年半の間に、解を見つけなければならない。
JR北は16年11月、道内の全路線の約半分にあたる1237キロ(10路線13区間)を「単独では維持できない」と表明した。
高速道路網がJR発足時に比べて6・5倍以上に延びるといった環境変化も踏まえ、利用者が少なく構造的な赤字路線の存廃を地元と共に考えたい、との判断からだった。
それから1年9カ月。5路線5区間の311キロは廃止の方針を固めているが、来年4月1日の廃止が決まった石勝線の夕張―新夕張間以外はなお、沿線自治体との協議が続いている。
JR北はかつて、脱線事故やレールの検査データの改ざんなどの不祥事を起こした。
その会社が経済合理性をたてに路線廃止を迫ることに、納得いかない利用者は少なくないだろう。
北海道新幹線が30年度に札幌まで延伸するのを見据え、島田修社長は「不退転の覚悟で取り組み、なんとか31年度に経営自立を果たしたい」と語る。
年間400億円前後の営業赤字が続く経営をどう立て直すのか。地元との協議を進めるためにも、人件費抑制など経営改善の計画や実績をわかりやすい形で示す必要がある。
自治体や住民も、当事者として知恵を絞りたい。
乗り合いタクシーや、乗り降り自由なバスになったら、利便性はどう変わるのか。
鉄道を続けるのなら、だれがどう費用を負担するのか。結論を先送りすれば、事態は悪くなるばかりだ。
国もこの機会に、31年前の国鉄の分割民営化のしくみを検証するべきだ。

強調したいのは最後の一節「国もこの機会に、31年前の国鉄の分割民営化のしくみを検証するべきだ」とういう一文だ。

しくみすなわちJR7社体制を根本的に再考すべきだ、との論調だ。

それは7社体制を維持しながら工夫を凝らす観点から7社体制そのものを再考する観点まで幅広く知恵を出すということになる。

そして次のような記事もある。

夕張市役所企画課の冨永啓治課長は「市民の中にも廃線に反対する意見はあった」と話す。
「ですが、支線のインフラは老朽化が激しく、乗客が増える見込みもない。それらを踏まえた上での攻めの選択でした」。
廃線後はバスが代替するが、運行本数は倍になり、利便性は向上する。

 原さんが反論する。「でも、バスに乗るために外から人が来ることはない。バスは地域を閉じさせてしまうんです。一方、鉄道はインバウンドを含め、それ自体が観光資源になる。そこが根本的に違うんです」

 原さんによると、鉄道からバスやBRT(バス高速輸送システム)に切り替えた路線の多くが現在、さらなる乗客減少に直面しているという。「短期的にはバス転換で息がつける。でも、地域人口が減っている以上、その先は危うい」

(視界良考)原武史さんと @廃線決まった夕張支線:朝日新聞デジタル より

安易に代替バス路線への切り替えも、短期的な視点で考えると誤る。

単純に一線区の採算性のみを考慮することなく、その線区の過去の貢献度やこれからの社会的必要性等を視点にいれた論議が必要だ。

参照 日本の鉄道はこのままでいいのだろうか 21 - 紙つぶて 細く永く

国は鉄道政策を如何に考えているのだろう。

JR北海道を筆頭に、JR四国、JR九州と、いわば国鉄分割により劣悪営業収支の路線を多く抱えたところ(JR貨物は置く)が継続して赤字となっている。

東海道新幹線利益額5398億

2017年の決算(東海道新幹線は推定)

JR北海道の赤字「-525億7600万円」

JR四国の赤字「-119億0900万円」 

JR東海東海道新幹線における利益額「5398億6000万円」

東海道新幹線の鉄道収入「1兆2119億円」の44.5%になる。

日本はどこまで、国土の神経ともいえる鉄道を腐らせて萎縮させるのだろうか。

東海道新幹線という強力な心臓ですみずみまで活力をめぐらせる方策も一考だろうに。

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