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タテカンと大学、京都の自由

京都大学学生の自由

京大のタテカンが屋外広告物に当たるかは、京都市の条例に定義されている。
京都市の条例でいう「屋外広告物」は国の定める、屋外広告物法による以下の定義をそのまま採用している。

京都市屋外広告物等に関する条例による屋外広告物第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 屋外広告物 屋外広告物法(以下「法」という。)第2条第1項に規定する屋外広告物をいう

屋外広告物法第二条 この法律において「屋外広告物」とは、常時又は一定の期間継続して屋外で公衆に表示されるものであつて、看板、立看板、はり紙及びはり札並びに広告塔、広告板、建物その他の工作物等に掲出され、又は表示されたもの並びにこれらに類するものをいう。

そして京都市は上記の条例順守を求めて京都大学への申し入れを行った。

(この申し入れは、「京都市屋外広告物に関する条例を順守してください」という程度の申し入れだったようだ)

その申し入れによって大学側はタテカン一斉撤去に踏み切ったのだ。

大事なのはそこで、大学、ことに自由の学風を誇る京都大学であれば、京都市からの申し入れ時に、
「その申し入れについては、人の心に関わる問題=表現の自由という観点もありこちらで適正に管理させてもらいます」

とでも答えればよかった、ということだ。

京都市屋外広告物等に関する条例(表示を禁止する屋外広告物等)
第4条 何人も、次の各号に掲げる屋外広告物又は掲出物件を表示し、又は設置してはならない。
(1) 汚損、退色、はく離又は破損により都市の景観に著しい悪影響を及ぼすもの (2) 破損、落下、倒壊等により公衆に危害を及ぼすおそれがあるもの
(屋外広告物の表示等を禁止する物件)
第5条 何人も、次に掲げる物件に、屋外広告物を表示し、又は掲出物件を設置してはならない。ただし、法定屋外広告物、管理用屋外広告物及び公益、慣例その他の理由によりやむを得ないものとして別に定める屋外広告物並びにこれらの掲出物件については、この限りでない。

(6) 前各号に掲げるもののほか、電柱、公衆電話所、アーケードの支柱、擁壁、煙突、電波塔、高架水槽、彫像、観覧車その他の建築物等で、その物に屋外広告物を表示し、又は掲出物件を設置することにより都市の景観に悪影響を及ぼすおそれがあるものとして別に定めるもの
2 何人も、道路の路面に屋外広告物を表示してはならない。ただし、法定屋外広告物及び公益、慣例その他の理由によりやむを得ないものとして別に定める屋外広告物については、この限りでない

京都市屋外広告物等に関する条例

この条例からは、

第4条1項「(汚損、退色、はく離、破損により)著しい悪影響」は整備すれば該当しない。

同じく第4条2項「破損、落下、倒壊等により公衆に危害を及ぼす」も整備すれば該当しない。

ましてや第5条2項で「慣例その他の理由によりやむを得ないもの」と謳ってくれている。

結果、「適正に整備させます」くらいで良かったのでは。

この時期にそうできない何か(学内の締め付け等)が大学側にあったと勘繰られても仕方ない「京都大学立看板規定」だ。

それにしてもこれだけ世間の関心を呼ぶ「タテカン」問題について大学側の意見としては、HPの深いところにこそっとした見解だけというのはなぜか。
いま学内でその後の対応策に揉めている、ということなのか・・

この京都市の条例を読んでいて思ったのは表示される内容についての言及がないということ。「表現されたものが公共の福祉に反しない」という文言をいれるとさらに混乱する、という思いからか。

しかし、景観の点からも表示される内容は大いに著しい悪影響を及ぼすものになるのではないか。

京都市の条例では記載表現内容については問わない、適正な外形規格の屋外広告物は(許可を得たうえで)設置してくださいという条例でもある。

 

京都大学市民の自由

その条例京都市屋外広告物等に関する条例には「改修、移転若しくは除去」として下記記載がある。

京都市屋外広告物等に関する条例による屋外広告物改修、移転若しくは除却第39条 市長は、次の各号の一に該当する者に対し、この条例の規定によってした許可を取り消し、変更し、その効力を停止し、その条件を変更し、 若しくは新たな条件を付し、又は工事その他の行為の停止を命じ、若しくは相当の猶予期限を付けて、屋外広告物、掲出物件若しくは特定屋内広告物の改修、 移転若しくは除却その他違反を是正するために必要な措置を採ることを命じることができる
(1) この条例若しくはこれに基づく処分に違反して、屋外広告物を表示し、掲出物件を設置し、若しくは屋外広告物若しくは掲出物件の規模、 形態若しくは意匠を変更した者又はこれらを管理する者


下記YouTubeの動画にも、「学生がタテカンを立てる自由があるなら、大学がタテカンを壊す自由もある」なんてことが書かれているが、学生が所有しているものを不法に壊す自由は大学にはない。

www.youtube.com

大学が行為を行い、影響を受けるのは学生(達)のタテカンという構図なのでこの時点では、大学の行為と学生の表現の自由との優劣が比較される。

では京大の周囲に置かれた、第三者である市民のタテカンはどうなるのか?

上記条例の中にも

「屋外広告物を表示し、掲出物件を設置し、(略)た者又はこれらを管理する者」

と書かれている。

つまり、市民の作ったタテカンは、京都大学当局が「設置」したのでもなく、「管理」もしていない、となればこのタテカン撤去はおかしいのでは・・

現実に撤去された市民団体の声

タテカンを作成・設置した市民団体の声5月12日土曜日の午後4時ごろ、プラスチックダンボール一枚の大きさで百万遍に看板を出したところ、翌日早朝に一斉撤去が行われ、市民団体のタテカンも、大学に持っていかれてしまいました...

京大の擁壁外部に立てかけられていれば京都大学の管理下にある、というなら、100歩譲って、擁壁から離れた、自立している屋外広告物=タテカンは京大側では撤去できないのではないか。

京大:「タテカン」規制1カ月 反対の声、学外にも拡大 - 毎日新聞

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ユーモア賞:下部但し書きも笑った

REMEMBER3.11

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