紙つぶて 細く永く

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尾瀬行Part2

至仏山からの下りは、大粒の雨から始まった。丁度握り飯を食べていたところであったので、しばらく様子をみようとレインウェアの上だけを着用しカメラをziplockで防護し握り飯を食べた。ところが雨は勢いを増すばかりで、ついには滝のような豪雨となった。慌てて山を下りながら立木の下で雨を凌ぎ、レインウェア下を着用し濁流の中を下った。
至仏山頂が12時30分その後昼食をとったので鳩待峠には2時ころについた。小屋には大勢の避難客がいた。小さな子供から80近い年配者まで、「大変な雨でしたね」と声を掛け合っている。中に2-3歳の子供の服を脱がせている母親がいた。聞くと上の子を探して父親が山の鼻方面にいったそうだ。携帯電話を忘れてきたので連絡が取れないとのこと。もっとも尾瀬山の鼻なら電波自体が届かないだろう。

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この雨の中を見晴まで行けるか分からないので小屋に電話を入れた。電話で事情を伝えると、相手も手慣れたものですぐに「キャンセルしますか」とのこと。特別な計らいで当日キャンセルでもキャンセル料は不要らしい。篠突く雨で戸倉に下り宿を探そうということになり、第二長蔵小屋はキャンセルをした。
しかしきょうは土曜日、雨宿りをしている鳩待山荘にも問い合わせたがきょうは団体で満員とのこと。鳩待山荘で東電系列の小屋を探せるとのことで依頼をした。

閑話休題 以下は私なりに実践少ない登山ではあるが横から眺め思いつく感想である。
山に登り何を求めるのか・・。
「日本の山小屋には快適さがない。もっと快適な欧州のような山小屋を望む」
という論があった。
山は基本単独の行動が求められる。単独行であってもパーティーであっても各個人は個人で行動できる能力がなければならない。そのような考えで登る人たちが登山に何を望むのか。いったいふかふかのベッドとふんだんにお湯の使える風呂、そして石鹸や洗剤が流せる水回り、夕食にはしゃれたワインなどが楽しめる、小屋に変わってそんな宿を求めるのか。
現状山小屋は宿泊料金8000円プラス税というところが多い。第二長蔵小屋の宿泊人数98人を元に考えると、現在の宿泊料金8000円+税から1000円値上げしたとする。
計算上稼働率(定員にたいする宿泊客の数/年間)が必要であるが、山小屋稼働率についての資料が見つからないが、一般的なホテルの稼働率が70%程度なのでこれより低いことは予想できる。そこで仮に一般的ホテルと同率として以下計算する。
98×0.70(%)×365(日)/2(年間6か月稼働とする)で1250万円/年間ほどになる。これでふかふかのベッドとふんだんにお湯の使える風呂、そして石鹸や洗剤が流せる水回り、夕食にはしゃれたワインなどが楽しめる山小屋として整備できるだろうか?
さらにここでもう一つ考えなければいけないのは8000円プラス1000円とすると宿泊料は9000円プラス税となり総額9720円である。いわゆる公共宿泊施設と変わらない金額で宿泊客がいままでと変わらないという保証はない。減るとすればなおさら採算見通しは悪くなる。
昔は山小屋で生ビールなんて望むべくもなかった。現在ではそれがいくつかの山小屋で可能となり、少しづつであるが山小屋事情も変わってきている。将来に期待をつなごう。そしてそれまでのあいだ石鹸や洗剤が流せる水回りを期待する人はぜひ欧州で実現していただくことだ。
閑話終了


一旦キャンセルをし宿を探している間に奇跡的に雨が上がった。再度第二長蔵小屋に電話をいれると宿泊はOKです、との返事。小屋に向かうことにした。その時点で鳩待15時前第二長蔵小屋に着くのは6時ころと予想された。食事時間を延長して待っていますとのことありがたい。
 鳩待から山ノ鼻へ下り、尾瀬ヶ原を歩く。前後に人影はない。尾瀬ヶ原を独占した。

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*Microsoft ICE(Image Composit Editor)で5枚画像をパノラマ加工してみた。
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