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また再びの東北 付録 鹿踊り

岩手県には広く郷土芸能鹿踊りというものがある。花巻駅ホームに「鹿踊りの由来は、浄土教の普及を志す空也上人が衆生済度のため、深山の小庵に篭って勤行三昧の日々、小庵の囲りに来て遊ぶ鹿の群れがありました。そのうち猟師に撃ち殺された鹿の弔い供養のため踊り始めた」という解説があった。それ以外、いろいろ多種の起源伝説があるようだ。そして成り立ちとしてはWikipedia「鹿踊(ししおどり、しかおどり)は、江戸時代の南部氏領(盛岡藩)、および、伊達氏領(仙台藩・一関藩・宇和島藩)、すなわち現在の岩手県宮城県、そして愛媛県宇和島市周辺で受け継がれている伝統舞踊」が分かりやすい。素朴かつ勇壮でその舞姿になぜかものの哀れを感じる。

側で謳い文句に耳を傾けるのだがなかなか聞き取れない。Webで調べると「一礼申して 立てやわがつれ 立てやわがつれ 昔より三式礼とは申せども 一礼申して
 立てや我が連れ 立てや我が連れ」という内容のようだ。
演者が太鼓を含めた総装束15kgほどを身につけ、そして朗々と歌い上げる。

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2015年12月23日花巻駅SL銀河出発式にて。残念ながら動画を取り損ねた。

「鹿踊り」には流派が各地方にあるようで何々流という通称がついている。門外漢には装束の違い程度しかわからない。YouTubeに金津流獅子踊(躍)があった。



よく観ると手は太鼓を叩くので、足で踊っている。上に伸びた「ささら」が手のようだ。全身で表す表現が勇壮で哀愁を帯びているがとくに片足を上げ反転するしぐさに凛とした姿が美しい。

「鹿踊り」については古代の製鉄にその起源をたどる節(CiNii Articles -  An Inquiry into the Legends of "Shishiodori" (Dancing of "Shishi") : Beyond Kenji MIYAZAWA(II. Humanities and Social Sciences))が発表されている。古代からの製鉄方法の中で火力を強めるための「ふいご」に使われる皮革では鹿の皮が一番とされていたことに因んだかと。東北の民衆はそれをながく育て上げてきた。民俗芸能に疎い私の胸に初めて響いた民衆の響き。

 

 

REMEMBER3.11

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