紙つぶて 細く永く

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浪人の悲哀 下

時間と労力を(多くはないが少し)かけて貰った年金見込み額表を息子の社会保険に提出した。家計をどのようにやりくりしているか等を記載した書面を添えて「窮状」を訴えたが、結論は「扶養しているとは認められない」との返事。
結論は思いと異なった。さてどうするか・・
我が家は3人暮らし。連れ合いは働きに出かけ自身で社会保険に入っている、息子は大手企業でこちらも社会保険に入っている。私に残された選択肢は浪人で国民健康保険に入るという方法がまず考えられる。地元の市役所へ「相談」に行った。指摘されたのは「日本では国民皆保険となっています、このような場合無保険期間が発生するので、退職後2週間以内に国民健康保険加入の手続きをすることが必要です」といわれた。いわばこちらの計画等に関係なく退職後はまず国民健康保険申し込みの手続きをしなければならないということ。退職してからあれやこれやですでに2か月近く経っている。そして国民健康保険は申告に関係なく、入るべき状況になった日からいわば保険料のカウントが始まりすでに3か月分の保険料(多分数万円×3か月)が発生している。これは浪人としてはかなり大きな出費である。困った・・
市の窓口に連絡をすると、(昔の私が知っている加入時に経過分を一括して支払う方法とはことなり)年度末まで、すなわち次年3月までの月数で案分し支払うとのこと。10月から3月までの国民健康保険料(数万円×6)を現時点なら12月から3月の4か月で支払うことらしい。一挙に数万円×3を最初の月にまとめて支払うことはなさそうだ。

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さらに問題はあった。国民健康保険料は資格発生日までさかのぼって徴収するが、申告以前に受診・診療を受けた医療費への給付はしない、とのこと。へぇっと驚いた。
それでは何のための保険料なのかわからない。1自治体だけの問題なのか他の自治体にも確認した。神戸市保健福祉局 高齢福祉部 国保年金医療課「遡及して給付しますよ」財政に余裕のある?市だからであろうか。自治体によって対応が異なるようだ。
 Web検索すると質問箱には届け出が遅れたことに対するペナルティー、病気やけがになってから加入すれば元気な間の保険料が助かる云々という説明もされている。しかしことの本質は、実害がどのように発生したかで比較するという方法もあるのではないだろうか。遡及給付する場合当然国民健康保険を主管する自治体で申請者の診療履歴を確認できるのだたから、その間多額な医療を受けたか否かにより状況を考慮するなど合理的な解決法がほかにもあるはずである。また、例えば1年間きちんと保険料を収め病気にかかった場合とその間保険料を納めていなくて受診後に1年間分の保険料を納めた場合の差異は申告が遅れたという程度のことだけ(あえていうなら金利程度の差)でありそのペナルティとするにはあまりに大きな額となる。
したがって保険料は経過分もいただきますが給付は全く遡及しないということは私企業なら「詐欺」といわれる筋合いのものではなかろうか?
厚労省保険局国民健康保険課にも電話で確認をした。
私「各自治体によって保険料はさかのぼって徴収するという点は一致するが、給付の遡及有無が異なるのはなぜか?」
担当官「自治体によって給付の遡及有無に違いがある、そんな話は聞いたことがない。遡及給付しないのはあまり例がないのではないか」
最後に行政相談の窓口である行政評価事務所に聞いた、電話に出た担当者はこの事情をよくご存知のようで開口一番「よくきく指摘です」とのことであった。ただ解決は難しいようで国民健康保険地方自治体の主管で自治体によって対応が異なっている。「私も遡及給付するという方向が好ましいとおもいますが改善できていない」との話であった。 

 

 

REMEMBER3.11

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