紙つぶて 細く永く

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数多く語られた物語

次週水曜日に某さんの送別会を執り行います。
某さんは若くして店長となり、その見識ある意見から将来を嘱望されていました。期待をになって米国への研修にもでかけ、まさしく未来の幹部候補生でありました。
某さんはそのスキルをかわれて新しく展開した事業部を起ち上げられ、引っ張ってこられました。組織・本人にとって前途洋々たる景色が広がっていました。
人によってはクール過ぎるという側面もありましたが、その前に広がるいわば実りは仔細をかまわずその事業部に取り込まれようとしていました。

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よくある話ではありますが、有機的に組織されていない=まとまりのない組織ではその指向性を多数で決定します。ことわざにいう「船頭多くして船山に登る」となります。
少しの間違いを恐れず大義を信じ進むことがリーダーシップということになるかと思いますが、某さんにはそれがありました。新しい事業部をそのリーダーシップ・見識でひとつにまとめる、すなわち有機体として機能させる。その有機体が組織のなかで育ち始めた時に、「多くの船頭」がさまざまに櫓をこぎ始めました。
その櫓の一つが当たったのです。某さんは他の船に乗り移るべく弾かれました。

発展のないものが組織に安住するこれほど楽なことはありません。同じような思考、同じような仕事ぶりで給与は人並みに支給されるのです。大きな失敗も組織がカバーします。
某さんはそれが向かないということもあったのでしょう、自分の能力を試すことができない環境には耐えられなかったのかもしれません。ある意味能力を信じる某さんはその能力を発揮する場を求めて組織外に飛び出しました。
その結果無機的な組織とその改革を目指した某さん双方が大きな損失を得ました。
かつて世の中で何百万編あるいは桁外れにそれ以上、語られてきた物語です。その物語を数多く眺めてきたものとして某さんへのせめてもの活力となるよう次週「中山」でささやかなしかし「有機的」送別会を開催いたします。

 


REMENBER3.11