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憲法違反訴訟リスク

OCNブログ人終了に伴って移動してきました/元ブログhttp://greengrass.blog.ocn.ne.jp/

今回閣議で(違憲憲法解釈決定がなされたことについて、次に来る課題は訴訟リスク。

安倍内閣が、旧来の政府見解で認められていた「個別自衛権」ではなく「集団的自衛権」に進もうとして、憲法修正を考えていたことは事実である。
「国民の生命や幸福の権利を尊重する」憲法13条を根拠にし、その手段として「自衛隊」による「個別自衛権」をある意味主張できたのであるが、自国民ではなく結果として他国民を守るという解釈がでてくる「集団的自衛権」は違憲である、ということから「集団的自衛権」を行使しようとするとその壁を乗り越えなければならなかった。
このような理由から、昨年は「憲法改正」を主張していたのであるが、国民に根強い反対論と、公明党からの強い危惧とで訴訟リスクは高いが公明党が飲める「憲法解釈変更閣議決定」を行った。

この経緯から安倍内閣としても当初は、「個別自衛権」は合憲だが、「集団的自衛権」は違憲という立場であったことは明白であろう。
したがって本日からは、訴訟リスクの高い「憲法解釈変更閣議決定」段階になったのである。

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以下木村草太氏の論点
集団的自衛権の行使を容認するのか、その手段として解釈改憲が適当か。二つを分けて考えるべきだ。
登山にたとえると、政府は「あの山(集団的自衛権の行使)にこの崖(解釈改憲)から登ろう」と言っている。
山に登るかは意見が分かれるが、憲法学者として、そもそもこの崖からは登れないと指摘したい。
登ろうとすると、訴訟リスクが待ち受けているからだ。
国家は、憲法で禁止された行動ができないだけでなく、憲法に根拠規定がない行動もできない。違憲だと訴えられたら致命的だ。
憲法学者の間に「自衛隊違憲論」は根強いが、従来の政府解釈は、国民の生命や幸福の権利を尊重する憲法13条を根拠に、個別的自衛権は許容してきた。
しかし集団的自衛権を基礎づける文言は、憲法上にない。
つまり、集団的自衛権の行使の結果、政府が訴えられれば、巨額の賠償責任を負う可能性があるということだ。
たとえば命令を拒否して懲戒処分になった自衛官や、本土への報復攻撃で被害を受けた人々から、国家賠償訴訟を提起される可能性がある。
不安定な法的基盤のもとでは、首相は不安を抱えて集団的自衛権を行使することになる。
情勢が緊迫しているから憲法を無視してもいいと開き直るのは、自ら違憲と認める自白に等しい。
司法の現場では、政府がどれだけ必要だと言っても、違憲違憲
多くの法学者が解釈改憲違憲だと言っているのは、政治的な反対ではなく技術者としての忠告だ。
国内の憲法を無視すると、国際法もないがしろにすると見られ、外交上もリスクが高い。
三権分立をやっていない国はあるが、国際社会で信用されていない。その仲間入りをしてもいいのだろうか。
支持を得る自信がないから解釈改憲に行くのだろうが、
本気で集団的自衛権が必要だと考えるなら、真正面から憲法改正を提案するしかない。

一票の価値訴訟でも大変保守的な判断しかできない最高裁判所です。荷が重いでしょうがいよいよ憲法裁判所としてのあなたの出番がきっとやってきますよ。
その際には政府に「集団的自衛権」という戦争容認政策を伝授した、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会 (御用学者)有識者http://greengrass.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/05/post_357b.htmlもどうぞ対象に。