紙つぶて 細く永く

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R君への便り3

今日は恒例となった登山靴の足慣らし。京都市内を歩きました。新緑の哲学の道を散策しようと出かけました。そしてもちろんNIKONの試し撮りということもあります。梅雨の合間で時より青空ののぞく散歩日和でした。
天王町から哲学の道そして法然院へ。少し埃っぽい哲学の道でしたが、思ったより人出は少なく、午後に人出がおおくなるのかなと話ながら法然院に入りました。

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R君も行ったことがある法然院には福井謙一九鬼周造河上肇谷崎潤一郎といった著名人の墓があります。静かで山に抱かれたようなお寺です。
その写真ですが、そこはまだ試し撮りの段階です。少し露出過多の1枚もありますが、これからの精進をまつということで・・

法然院から銀閣寺・浄土院の横をとおり大文字山へ登ります。約40分で大の字の火床です。子供たちも多く登っていました。頂上寸前で小さい子が泣きながら座り込んでいましたので「もう少しだよ」と声をかけるとさらに大きく泣き始めました・・。
頂上では京都市内を眺めながら何人かが心地よい風に吹かれ下界を眺めています。そして汗を止めてから下りです。 

上では「歩こう会」のようなメンバー一団複数に出会いました。手ごろなハイキングとして人気なのでしょう。ふと気づくと登山用のステッキが忘れられていました。先ほどのグループだろうと思いましたが、山の上ですから忘れた人が気づいても登ってこなければならないので途中までもって降りようと考えました。途中で忘れた人が登ってきました。少し意外なことに若い男性でした。一瞬あなた(=私のこと)が盗ったのではと怪訝な様子でしたが事情を説明するとニコッと笑いありがとうと聞こえました。

さらに下り、別の一団に追いついた時のことです。老齢のグループで歩みも遅く、一番後部のメンバーを抜いた時のことです、最後尾近くの人が聞こえよがしにいいました。「よけることはない。声もかけずに横をぬけるなんて奴は無視すればいい。マナー違反だ!」
登山ではいくつかのルールがあります。登りの人と下りの人が出会った時は登りを優先(下りより登りがきつい)、崖を登るときは三点保持、石を落さない(落石となったら大変危険)、置いてくるのは思い出だけ(ごみは残さない)、それぞれの疲労が少ないペースを維持をする(自己のペースより遅すぎても早くても疲労感は増す)みたいなことです。しかしこのような場合は暗黙の了解のもと、追い越される側が脇によけ、追い越すほうは「ありがとう」といって横を抜けるということで解決する問題です。聞えよがしに云った方の言葉は山のマナーは置くとしても人間社会関係のマナー違反です。
抜かれることで少し気を悪くしても皆の山です、当然他人との触れ合いの中でこのルールも生まれます。人間らしいマナーで過ごす・・

とここまで書いてきて、これは国と国の関係についてもいえるなと、昨今の最高権力者の振舞にも考えが及びました。憲法というルールを無視し、「了」とするのはほとんどその人の周囲にしかいない自己憲法解釈を押し通す。山の上でのことは少し気分を害する程度ですがこちらは武力を行使する=人が死ぬということになります。
そんな感慨を持った半日でした。 

最後に少しだけ人間らしい思いを述べさせてください。件の人間社会関係のマナー違反の輩には、一緒にいた仲間の人たちには酷でしたが、つい知らずきつい罵声を浴びせていました。