紙つぶて 細く永く

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マッチポンプ

マッチポンプ。マッチで火を付け、ポンプで消す。単独で同じ役割をする。
多くは自身で悪を行い自身で自制しているように見せ賞賛や利益を得ることである。

今の政権ではこの役割分担がうまくこなせているようだ。
まずは声の大きな人が、「憲法改正」と唱える。驚く人を見据え、後ろに控える自民党議員の中から、表立っては「憲法を変えるのは時期尚早」と火消しをはかる、内実は「憲法改正」で走れると判断すればそのまま突き進むという選択も可能と捉えていた。
憲法96条でも同じ手を使った。その次は集団的自衛権である。
声を大に叫ぶ人はこの問題でも日替わりカレンダーのように次々と新しい基準案を発表し自衛隊の活動範囲を広げようと画策している。
そしてこの問題でのポンプ役は安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会だ。
「(声を大にして発言する)私の意見を(一応民意をくみ上げた懇談会の答申で)修正しました」

ていたらくなマスコミも相まって舞台では狂騒曲が奏でられている。
いつだったか記事にも出ていたが、選挙で選ばれ喧しく「無法者を成敗せよ」と主張している人の多くは、すでに徴兵年齢をはるかに超えている齢だ。
平和憲法のもと自衛隊に入った若者は、どのように考えているのだろう。
入隊したのはあくまでも専守防衛の「自衛隊」である。日本が戦闘することにならない限りは武力を行使することはなく防衛に徹するとしていたが、他国の意志で始まった戦闘に巻き込まれる可能性が出てきたのである。
やがて非戦闘地域から戦闘地域に入り命を賭してこのような日本を守るのだ。
そんなときでも外野席という安全地帯からは「無法者を成敗せよ」と杖を突きながらマッチ役が叫んでいるのだろうか・・
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前回選挙ではそんなマッチポンプのポンプ役としての存在で国民の信頼を得るべく期待されていたのが公明党であろう。
しかし思いのほか自民党当選者が多く少しその存在感は減少している。自民党の踏むアクセルが結果として強すぎて、必死でブレーキを踏もうとしているのだろうが指揮系統の乱れから右往左往するばかりで実際にはブレーキを踏んでいない。
ある日の聖教新聞第一面は「アルゼンチンアンジェ市がSGI会長に卓越した人物証授与」「憧れの地に広がる希望の光彩・韓国済州島」てな記事で埋め尽くされている。公明党とその母体である創価学会(その機関紙が「聖教新聞」)の軋轢など微塵も掲載されていない。

現在のところマッチは元気だがポンプが機能不全である。