紙つぶて 細く永く

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教養を捨てた政治に驚く

最近地方の私鉄電車2系統に乗った。IT化の流れに逆らわずICカードを採用した乗車システムであった。
地域の住民数は減少し、また高齢化に伴って若年層も減っている。
その中で乗客数を維持することに努力している様子がひしひしと感じられる。
富山地方鉄道ではICカード「Ecomyca(エコマイカ)」を利用すると運賃1割引で、それこそ高校生から町へ買い物に出かける主婦まで多数が利用していた。
琴平電鉄では「IruCa(イルカ)」こちらもこのカードを使用すると電車やバスの運賃割引が受けられ、また地元の商店でも電子マネーとして使用できる。
しかしながらこれから北陸新幹線が金沢まで延伸する富山はともかく、高松の琴電は将来性・発展性においてかなりの苦戦であろうと見受ける。
何度も訪れている東北をはじめ多くの地で多数の企業・商店が経営努力を続けている。
さらにまた私たちの身の回りにも、非正規雇用なるいわば新しい搾取制度がはびこり、話題になった「自爆営業」のようにさらに身銭をきった生活がある。
今日より明日の暮らしに希望が持てる社会を、これが「日本(社会)を取り戻す」政治ではないだろうか。

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以前にも書いたことだが、国内で消費される商品・サービスは一定である。それを買うために消費するコストが消費者価格である。
財政当局によって流通する通貨を操作(過剰に通貨を発行する)ことで名目上消費するコストが上がる。
100ある商品・サービスを1000単位の通貨で買う場合は1商品10単位であるが通貨発行が2000単位になれば1商品が20単位となる。
100%UPの(財政)インフレーションである。この手法をとったいわゆる「アベノミクス」がインフレ気分から経営者に明るい未来を訴えかけはしたが、ことは実体経済がどうかである。
われわれの周りからいわゆる非正規雇用(ついでに云うならボランティアさえ利用方法により搾取となる)が少なくなり、ブラック企業が姿を消し、
正確に計算すればはるかに高いコストであった原子力発電を停止する等、未来に希望がもてる端緒となる政治が行われているのだろうか。

仮にである、無法者の隣に住んでいるとして「俺たちも無法者になれば平和になる」とは考えない。
国際関係は引っ越しのできない隣人関係である、好ましい地域環境を作るために適正な改善策を考えるはずである。
それがこの時期にA級戦犯を祀った靖国参拝とは安倍の知性教養の欠けた行動には呆れ果てる。
報道によると、防衛外交官僚からの制止を恐れ事前には少数の身内仲間にしか知らしめていなかったそうである。
よほど自身でもその行動に国民から信頼をえられるとは考えていないのだ。
彼には知性教養よりも薫陶を受けた祖父直系の戦前回帰思考しか持ち合わせていないのであろう。

明日に希望をと考える市民、社会に貢献すべく努力している企業・商店はなんと不幸な、そして哀れな権力者(この言葉がこれほど似合う権力者もいない)をもったことだろう。