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長州藩と東北

今年の日本シリーズ楽天対巨人となり、楽天気迫の勝利に終わった)
この戦いはどこか戊辰戦争会津藩を中心とする東北列藩同盟対薩長を主体とする明治新政府軍との戦ににていると言えなくもない。
(略)
それだけではない。問題はむしろ東日本大震災にたいする現安部政権の姿勢にある。
先日、福島出身で会津にもゆかりのある高橋哲哉さんに指摘されたことだが、戊辰戦争のときに政府軍の一兵士が言ったとされる「白河以北一山百文」ということばに示されている東北蔑視の姿勢、これが近代日本をリードした薩長人のメンタリティを露骨に表現している。
(略)
安倍晋三首相が2007年に会津におもむき「長州の先輩が会津の人々にご迷惑をかけた」と謝罪したことがあったらしいが、
それが選挙のための遊説のついでに軽く触れてみるような説法でしかなかったのはその後の経緯をみても明らかである。
わたし(西谷能英)は明治維新後の現代へとつながる国造りに薩長、とくに長州藩山口県)の野望が貫かれてきていることに大いなる危惧をずっと抱いてきた。
(略)
明治政府はもとより日本軍国主義的拡張路線を押し進めてきたのは長州藩出身者だったし、戦後にかぎってみてもA級戦犯岸信介、その弟の佐藤栄作、そして岸の孫の安倍晋三まで長州藩出自の系譜が現代日本をいまだに支配しているのである。
岸などは戦後、アメリカCIAの庇護によって日本を反共の砦にすべくA級戦犯を免除(注1)されて首相にまで成り上がっているのだが現在の安倍晋三首相はそのDNAを継承しているとされている。(注2)
(略)
岸はヒットラーほどの大物ではないまでもさしづめゲーリング級の戦犯であって、そうすると安倍首相はそうした戦犯の孫であり、もともと長州藩がもっていた好戦性、自己中心主義、民衆蔑視、支配欲の前時代的な妄想の持ち主である。
だからそうした人物が原発再稼働(核武装の準備)、憲法改悪にによる自前の軍隊の所有(自衛ならざる侵略軍設置)といった軍国主義復活の野望をもっているとしてもこうした長州藩出自の侵略的DNAからすれば、すべて納得がいく。
「(いわば)ゲーリングの孫」たる安倍首相が東アジア、とくに中国、韓国にたいして敵対的なのは、これらの国がそもそも友好の対象であるのではなく深層心理における侵略の対象予定国であるからにすぎない。
こうした出自をもつ人間が東北地方にたいしてほんとうに共感をもつことはありえまい。
安倍の会津詣でが会津若松市長によって一蹴されたのは当然であり、残虐な殺戮の爪痕がそんな便乗的な手口で解消されるはずもない。
そこに民衆蔑視ゆえの軽薄さと不真面目さが露呈していることは明らかだ。
ともあれ、この亡霊のような長州藩出身者の横暴と野望にわれわれはもうそろそろ敏感にならなければならないし、(略)亡霊から解放されるべきではなかろうか。
西谷能英(未来社代表取締役)-出版文化再生8- から

参照(「安倍晋三」)


(注1 東條ら7名の処刑の翌日の1948年(昭和23年)12月24日に釈放、公職追放となる)
(注2 安倍晋三首相は岸信介の長女洋子の婿安倍晋太郎の子
若干の追伸(その後の経緯)は以下で
http://www.miraisha.co.jp/shuppan_bunka_saisei/2013/12/76.html