紙つぶて 細く永く

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安部晋三

プレッシャーに負けず再起を遂げた。その強さはかなりのものである。
潰瘍性大腸炎を患い、意に反して辞めざるを得なかった総理の職
「運」が味方したとはいえ、その芯の強さは認めざるを得ない。
「運」とは、自身が総理を降りたあと、その後の自民党体たらくにより自民党が信を失った。
しかし信なき自民党の総裁の責を担わずに済んだのである。
また、民主党という実体のない党に政権が移ったことも「運」といえる。
民主党に小沢氏がいればまた違った展開になっただろう。

総理となる人材には思考形成や政策立案に人脈が必須と聞く。
かっての総理は学閥でその人材をまかなったと思われるが、
彼には学閥はない。その人脈作成は異なるようだ。
父「安部晋太郎」そしてなにより祖父「岸信介」からのつながりによる思考形成や政策立案という面が強い。
ことのほかその思考形成には、祖父「岸信介」の影響が色濃く反映しているようだ。
祖父岸信介は1960年前後に彼自身経験した戦前(1920年から45年ころ)を理想とする時代錯誤政策をとり、そして安保条約改定を機に辞職した。
安部氏は当時6歳、祖父がなくなる1987年(安部氏32歳)までその薫陶をうけただろう。その間派閥領袖として多忙な政治家であった父安部晋太郎よりも影響力がつよかったのではないか。

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信じがたいほど多くの有権者(数万人から数十万人)からの意思を受ける選良であるから政治家の能力には格段の素養が求められる。
野球にたとえるなら研ぎ澄まされたスポーツ能力、それも現在行われている拙い高校野球ではなくいわば、プロ野球程度の素養が求められる。
一億を超える国民のなかから3代続き優れたプロ野球選手が生まれないように
3代続いたすぐれた政治家業の能力というものを信じないが、
日本特有の終身就職官僚に支えられ難局は無事超えられるかもしれない。
野党の時に多くの人材が去った自民党であるから当面のライバルは少ない。
安部氏にとって政権の維持は脇の甘さ(軽はずみなツイッター/戦前回帰思想/NHK問題/勝共連合etc)と支える終身就職官僚の根競べになるのかもしれない。