紙つぶて 細く永く

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ベトナム戦争その2

ベトナム戦争を遂行したアメリカの論理は、

南ベトナムが共産化すればドミノ理論により東南アジア全体に共産化の波が広がる」 「ここで南ベトナムの共産化は何が何でも避けねばならない」
「いかなる口実を使ってでも米軍の介入をすすめ、[ベトコン]を掃討せねばならない」 ところが、
「(地域核の使用も念頭に入れたが諸事情を考慮すると、核使用はできない?)」
地の利(地元民族には迷路のような熱帯ジャングルが米軍の追撃から身を守った)

(遠い異郷の地で過酷な戦場に駆り出される米兵と同じ状況でも自宅から?通える戦場の差)
等の不利も重なって、消耗戦となり、そしてついにはアメリカ国民の厭戦世論によって米軍撤退 となった。

その結果南ベトナム北ベトナムに併合された。 しかし、「ドミノ理論」は働かず、現在に至る。

ひとつの考え方として、仏軍撤退によりそのまま南ベトナム北ベトナムが併合していれば、 「ベトナム社会主義共和国」は誕生するが、「悲惨な戦争」は避けられたのではないか。
いわゆるベトナムシンドロームもなく、アメリカは違った道を歩めた。
それでも、彼らは再びの戦争を避けない、世界の警察としての役割を担おうと考える。 イラクでありアフガンであり、将来のどこかである。 彼らの出自は、ヨーロッパでもあるが、アフリカであり、アジアであり、 トナムであり、イラクであり、アフガンである。 いわば祖国をあいてに戦うその精神、不明な国だ。


NHK番組「叫び声が聞こえる~ジャーナリストたちのベトナム戦争~」で紹介されたように 現在長男が軍人、次男はアメリカ企業に勤める、 当時のベトナム民主共和国カメラマンが登場した。ベトナムは「ドミノ理論」が働かず、よりアメリカナイズされたのではないか?

-佐藤優「獄中記」-
  • 「人間の幸福は国家という器次第でいかようにもなる」
  • 「国家は学術的にみるならば想像の政治的共同体=人為的産物」
  • 「国家は国民に対して戦争という形態で死を強制することもできる力をもっています」
  • 「国家には、国民という擬制の下で共同体の利益を守るという機能と、 暴力に裏打ちされたエリート集団が自己の支配体制を維持するという二つの面がある」

 

ベトナム戦争その1 - 紙つぶて 細く永く