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絶えず愉快なカルル氏 続

トランプの評価もやっと少しづつ出てきたが、その評価の幅は米国大統領予備選の各メディア評とはそう変わらない。みんな資料が無くて苦慮している。その中で寺島実郎氏の以下のコメントがトランプの人となりを少し理解しやすく解説してくれている。

彼の、ビジネス界で学んだ流儀に因んで「人生を貫く価値は「ディール(取引)」だけでしょう」
まずはったりにより相手を威嚇し、相手との力関係から落としどころを学び、それで自身の結論を学んでゆく手法 もちろんその流儀に思想や哲学はない。

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取引には駆け引きが必須で、たとえば実質100円で売れればいい品物があるとすると、ビジネス界ではこれをもちろん100円では提示しない。安く見積もっても120円、2割増しから自信のある(ない?)商品なら200円か300円で提示する。これを吹っ掛けるという。交渉相手との力関係で価格が決まってくる。もちろん単なる売り手買い手だけの関係もあれば、国と国を代表する外交官まで交渉の困難度はまちまち。昔最大のセールスマンは「外交官」であると教えられた。
 ビジネス界にはこのようなジャンルの人種が多いと思うのだが、彼はその手法で幸運にもビジネス界の「より強者」に出会わずに叩きのめされることなく雪だるま式に資産を蓄えたのだ。
その手法で政治の世界に打って出た。そして今までのところ、共和党内の候補者が相手の予備選を戦い勝利、次にクリントンを相手に戦い大統領選勝利と奇跡的にうまくいった。いずれもすねに傷もつ相手で残念なことに充分な体力ではなかった。
つまり、共和党予備選では「もうお前らのような旧体制に依存する共和党首脳部を相手にはしない。われわれは忘れられたアメリカ国民を救うために戦う」と、決別されたのはどちらかというような威勢のいいはったりで、結果的に予備選で候補に選ばれなければ捨て台詞のひとつもはいて、「私の主戦場=ビジネス界にもどる」といえば済むし、もし候補になれればそれ見たことかと、相手=共和党首脳部をなびかせることができる。
同じ戦略で大統領選挙も戦った。
今度は相手候補クリントンはもちろん大手メディアや大統領選の討論会司会者等がやり玉に上がった。彼らを十把一絡げにウォール街の回し者とののしり、彼らを「エリート」(エスタブリッシュメント)として祭り上げ、「大衆」を味方に引き入れた。
ここまではビジネスの手法が生かされたがこれからは国際政治の舞台である。百戦錬磨の強者が数多くいる。その相手に氏独特のはったりが通じるか否かが試される。

いまのところ、予備選挙終盤に決別した共和党指導者層とは結果OKということで政権作成について意見交換手打ちができ、そのはったり手法が効き首脳陣もこのままではいけないときずいたようだ。
幸いにして上下両院ともに共和党が過半数となったので、共和党の指導層とうまくやって行ければという制限付きになるのだろう。
といっている尻から、ニュースで「バノン氏」起用にさざ波が立っているようだ。

【米大統領にトランプ氏】次期政権の首席戦略官に「人種差別主義者」起用 民主、共和両党内から非難の声 - 産経ニュース

大丈夫かなこの人物。


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