紙つぶて 細く永く

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キャラの立った高齢者

昔から夫婦そろって、権力になびく人だなとは思っていた。
高慢なカソリックとも思っていた。そして今回人種差別主義者との「栄誉」も受けたそうだ。似た経歴がだれかいたなと思って心細くなった脳の中をまさぐったら、ジョージ・ウォーカー・ブッシュ、そう「子ブッシュ」が出てきた。少し宗派は異なるがいろんな面で「国家にも貢献した家族」という点など共通点は多いのでは。
以下の投稿に影響されて、私も彼女の人権回復の一助にと駄文を捧ぐ。

今回のコラムは「あの曽野綾子氏」が、いかにも「あの産経新聞」に書きそうな内容だった。つまり“平常運転”なのでニュースバリューはなかった。もし曽野氏が「格差解消のために累進課税の導入を」などと発言したら一大ニュースだ。人が犬を噛(か)んだらニュースになる、とはそういうことだ。
 曽野綾子氏は自他共に許す保守論客だ。しかも、たいへんキャラの立った言論人だ。過去にも「性犯罪に遭った被害者にも落ち度がある」「(震災直後に)放射線の強いところには高齢者を行かせよ」などの語録が知られており、まともな言論人なら、たとえ思っていても口に出せない“ホンネ”を代弁してくれる貴重な存在である。ついでに言えば保守論壇には、曽野氏に限らず、けっこう「濃いキャラ」の論客が多い印象がある。
 そして、ここに陥穽(かんせい)があるのだ。
 私たちは世界にもまれなキャラ文化の住民だ。キャラの立った保守論客のトンデモ発言すらも、「ああいうキャラだからしょうがない」と笑い、「ツッコむだけ野暮(やぼ)」と免責する程度には寛大だ。しかしこれは、「立ったキャラ」の言動については責任能力を問わない、という意味で差別であり、キャラの人権の否定にほかならない。保守論壇人といえども人権は尊重されなければならない。私は曽野氏の人権の回復のためにも、メディアが彼女をキャラとして差別し消費することに、強く反対するものである。
寄稿・斎藤環 24日

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