紙つぶて 細く永く

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東北2回目の旅 その2

肘折温泉

肘折温泉は芥川賞小説「月山」の舞台である。

芥川賞と音楽 - 紙つぶて 細く永く


昨年の鶴岡=藤沢周平についで山形文学史の旅である。
当時盛んにテレビに駆り出されていた朴訥な森敦の話を昨日のように思い出す。
今年の東北は梅雨の名残?が強く7月中旬でも長雨が続いていた。
送迎の運転手=大友屋旅館の番頭さんに数日前にも、かなりの雨が降り宿の宿泊キャンセルもあったと聞かされた。
今回の山形駅信号機故障も大きく影響しただろう。いろんなところに余波がでるものだ。
肘折温泉開湯は大同2年である。豊後国出身の源翁がこの地を訪れた際、
老僧より肘を折った際に治療した温泉を教えられた、という開湯伝説が残る。
温泉名もこれに由来して肘折温泉となったとされるが、
柳田國男は銅山川がここで大きく曲折していることによる地形からの命名としている。

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時間が遅かったこともあるが風呂もゆったりと過ぎ行く時間を楽しめた。
食事はやはり土地柄か山菜のてんぷらが美味。
翌日朝に貸切風呂(空いていれば予約無しでOKとのこと)に入ったところ桧の湯船で
これまたのんびりできた。

 

五能線


奥羽線
  五能線

滞在
時間
新庄
秋田
09
ウェスパ椿山
11時 12 1600
E
12時 2h
49
13時
14時 01
  10 リゾート
白神5
15時   2h
06
16時   16

滞在
時間
新庄
秋田
09
ウェスパ椿山
経路データ
区間
km
150.1
  112.7
所要
2h49
  2h06
時速
km
53.5
  53.7
停車
駅数
27
  8
駅間
km
5.6
  14.1
駅間
6'15"
  15'45"

 

その日は青森県不老ふ死温泉までの行程。余裕があるので朝8時過ぎに新庄駅まで送ってもらった。
新庄駅周辺を散策した。昨年訪れた鶴岡もそうであるが、東北・雪の多いところでは
雪の重さがそうさせるのか、各家々がしっかりと地に根ざして建っている。
夏に訪れた雪の積もらない地からの観光客では計り知れない冬の厳しさがあるのであろう。
翌日訪れることになる、津軽・弘前も同じ顔であった。
11時過ぎに出発の奥羽本線秋田行きで出発。
横手から秋田と米どころを走る。途中線路の左右に緑豊かな田が広がる。
そして秋田からは五能線「リゾートしらかみ」に乗った。

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「リゾートしらかみ」は青春18キップでも乗ることができる、快速列車で全席指定である。
車内座席はゆったりした広さで少し高く景色がよく見える。
動き出してまもなく最近はあまり目にしない車内販売がやってきた。
コーヒーをたのみ支払いをと財布を探ると小銭がない。
一万円札を見せるとまだおつりが用意できないとのこと。
降りる駅を訪ねられ、ウェスパ椿山までと告げると、降りるまでにおつりが用意できるだろうといってそのままいってしまった。平日で車両には私たちともう一組しか乗っていないので、覚えていられるのだろう。一度往復して横を通り過ぎた。
ふと思い出した。ICカード通行券があった。
エリアは異なるが最近全国統一で使用できるようになった。
そこでそれを提示すると無事支払いができた。なんのことはなかった。
小銭もいらずこのような時にICカードは便利だ。
私は寡聞にして知らなかったが、後に調べると「リゾートしらかみ」はJR東日本がかなり力をいれてつくった列車らしい。
さきほどの車内販売を始め、列車によって地元津軽三味線の演奏や各種催しがある。
http://www.jreast.co.jp/akita/gonosen/
途中深浦岩崎地区というところに座礁船があった。すぐ沖で遠くから見ると港に停泊しているのかと見間違うほど航行の途中でそのまま座礁したらしい。
http://www.mutusinpou.co.jp/news/2013/06/26575.html

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 (後日2回目の五能線では津軽三味線の生演奏があった 

雪の津軽Ⅲ章 - 紙つぶて 細く永く

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不老不死(不老ふ死)温泉はウェスパ椿山という不思議な名前の駅にある。
正確にいうともっとも近い駅は「艫作(へなし)」
艫作はかつては臨時列車の快速「リゾートしらかみ」が停車していたが、ウェスパ椿山駅の開業により通過駅となり、普通列車のみ停車する。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%89%AB%E4%BD%9C%E9%A7%85
不老不死温泉は海岸に接した位置にあり、宿と日本海の間に露天風呂がある。
茶褐色の湯に浸り打ち寄せる波音を聞いていると思わず温泉の心地よさにうなる。
この露天風呂は混浴と女性用が背丈ほどの壁で分かれている。当然混浴に女性は入ってこない。
しかし日本海を展望する関係か女性用の床が1段高い。婦人でも頭一つ壁から上にでる。
なぜか女性用からずっと日本海をそしてわれわれがいる混浴風呂をも眺めている婦人がいた。
青森県とあって夕食には少しだが大間のマグロが出た。
100人ほどが入れる夕食の場だけで4,5箇所はある大きな宿である。
平日であったが海水浴客シーズンとあってかなり大勢の宿泊客が見受けられた。
しかし名前ほどの有形みは無く町の巨大なドライブインという風情であった。
翌朝は最寄の艫作駅から一番列車(といっても7時25分)で岩木山・白神山地へ向かった。
(東北2回目の旅 その3

greengreengrass.hatenadiary.jp

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2017年
JR北海道の年間赤字「-525億7600万円」
JR四国の年間赤字「-119億0900万円」
JR東海東海道新幹線の年度利益額「5398億6000万円」

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