「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命をかけてはしっていくときに、精神的にも高ぶっている
猛者集団を休息させてあげようと思ったら、慰安婦制度は必要ということは誰だってわかる」
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橋下君のいいたいことは隠れているんだ。
この文章にわずかに現れている、
「命をかけてはしっていくときに、精神的にも高ぶっている猛者集団」
にかれの主張の焦点が合っている。
「猛者集団」は命をかけてはしっていく、
この「猛者集団」は必要である、
「猛者集団」は精神的にも高ぶっている、
この「猛者集団」に休息を、
この「猛者集団」に慰安婦を、
かれの主張は「猛者集団」を至上に讃えたいことからの発想なんだ。
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その後の相手のわずかな誤謬をついて反論することは、(彼もそうである弁護士にとって)日常茶飯事なんだ。
またこの「猛者集団」に休息を与えるのが「パチンコ」でもよかったんだ。
しかし彼の、極論一点主義からつい(自らが信じている)「性による解決を」となったんだ。
いや違うか、
かれの主張は河野談話を「猛者集団」にたいする「侮蔑」と受け取り、
そのことが耐えられなかったんだ。
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この時代に「猛者集団」=アンシャンレジームを賞賛するアナクロニズムなんだろう。
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以下「敗戦後論」-加藤典洋-より抜粋