紙つぶて 細く永く

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方言

最近の書評にこんな文章が載っていた。少し違和感を覚えた。

「ひったくり許しまへん」。11月20日付本紙(大阪本社版)の京都市内ニュース面に、こんな見出しが躍っていた。京都市のひったくり発生件数が全国ワースト2という記事だが、驚いたのは中身よりこの見出し。
いやぁ、京都育ちのうちかてこんな古くさい言葉使わしまへんぇ。って、使うてるがな。
 これが、今や全国区になった方言コスプレの一見本である。この京都方言は私のような中高年でもほとんど使わないが、他地方の人に「いかにも京都らしい」感じをわかりやすく伝える。
日常的に京都方言を使用している私が、「いかにも」な方言でコスプレしているのだ。

「許しまへん」を最近の京都人は使わないと言う趣旨だろうが、これが
「ひったくり、いやあいかんわ」だとどうだろうか。
方言で「コスプレ」しているといえないのではないか。
これは程度の問題であり、東北山形の人が「・・・でがす」といっているのか否かは当地の人あるいは当地に詳しい人でないと判断が付かない。
方言というものはそういうものなのではないだろうか?
離れた地方の人は方言(らしきもの含め)でその地方の文化や情緒を味わうのであり、
「そんなんあかんのに決まっとるやろ」というような極端な京都方言がある、というような説があるとこれは違うということになるが、「その地方の文化や情緒を味わう」という趣旨を逸脱していなければ表現として結構ではないか。
また主題の「ひったくり許しまへん」も深層京都人で使っている人は、いはりますえ。