紙つぶて 細く永く

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ジャーナリズムの矜持

中国で信じられないような事故がおきた。
停まっている列車に、後続列車が(高速で)衝突するという技術的根本にかかわる事故です。
まず、前方に障害物があるならブレーキをかけ停まるように設計するのが基本的技術要件ではないか。
報道のままに推理すると、相当のスピードで衝突したらしい。すなわち日本で言うところの自動列車停止装置ATSが作動しなかったとも思われる(これは推理)。
この段階で、上記推理(自動列車停止装置ATSが作動しなかったとも思われる)は間違っているとは思われない。
この事故原因の追究が終わっていない時点で、1日半などという拙速な時点で通常運行を開始したという。
それこそ信じられない決定に、安全は確保されているとだれも納得するはずが無い。
翻って、福島の原発事故で30km圏内からいち早く逃げ出したのはNHKをはじめとする報道カメラ=テレビ取材クルーである。
今日のニュースによればNHK中国駐在記者は再開された中国高速鉄道に乗車し、件の事故現場を通過して取材している。
まだ事故原因の究明が済んでいない列車に乗車する記者もいかがかとおもうが、取材を命じるNHKもいい加減な判断をしたものと思う。ことは事故再発すなわち人命にかかわる取材である。
再び事故が起きたときだれが責任を持つのであろうか(乗った記者の責任?)

彼我の事故にたいする対応が異なるのは、我々の僻みかもしれない。
しかしそれにしても脱線転覆の恐れと、30km圏内からの待避は余りにもことの大小に違いがある。
権力が決定した二つの事実
     危険であるから30km以内からは待避を求める。
     事故は終わった安全だから列車運行を再開する
には素直に従う。
このような二重基準を平然と受け入れ権力には従う報道機関にふさわしい名称がある。
「権力の犬」。