紙つぶて 細く永く

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無題 カラ兄5

震災の苦難 悲しい思い出
これらは癒されるべきなのか・・
という根本的哲学問題はある。

ましてや忘れようなんて呼びかけは反倫理的とさえいえる。
昨今のすさまじい、震災にも負けない高校野球キャンペーンに違和感を覚える。
高校野球だけに「苦難を乗り越え練習に打ち込む姿」や「悲運の監督に初の勝利を」
「避難所からユニフォームで駆けつける子ら」「困難にまけない球児魂」なんてキャッチフレーズが踊っている。
朝日新聞拡販の施策がありありだ。

以前にも書いたが、「高校野球」と「読売巨人軍」は新聞紙拡販の一大武器なのである。
それぞれの記事掲載紙をもって、プロのフリー勧誘員が主体となって凌ぎを削っている。
購読の契約にはびっくりするほどのサービス品(ビール1箱や半年間無料)をつける。
以下の記事参照
http://greengrass.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/01/post_69cb.html

これにも困ったもんだが・・

野球だけを大きく取り上げる差別を勿論指摘したいが、それを置くとしても
そもそも地方の予選には目を見張る良い試合が少ない。いや、稚拙な試合のほうが多い。
購読拡販キャンペーンに他ならない記事が目に入ってくるのである。
「A高 笑顔忘れない」「のびのびプレー有終」で負けたのである。
スポーツは結果がすべてである。観覧した観衆が「よくやった」という評価をするのは自然であるが、
掲載する記事の主要な見出しが「この1点僕らの希望」「笑顔プレー病に負けぬ」(そして試合には負けた)
では何をかいわんやである。

報道までが稚拙になった。こんな駄文を書かされる記者も堪ったもんではものではないが、
その記事に見出しをつける、整理部も辛いだろう。
とここまで書いて、はたと気づいた。
結局適切に試合を見る目を持つ記者が少ないのでは・・

あのプレーは練習不足からくる、足腰の弱さで今一歩追いつけなかった、
この投手のスピードについてゆこうとするとなら日ごろからバットスイングのスピードを増す訓練を
それがないとセンター方向へ弾き返すのは無理だ。
打者は引っ張らずに、反対方向への打球を心がけることが大事である。
ダブルプレーのフォーメーション練習がたりないので挟殺プレーになったときにカバーする選手がいなかった。
なんて記事があれば自然と読むであろうと切望する。

困ったときには、負けたチームがよくやった記事にしておけば無難なのであろう。

自然界にはね、こっけいなものなんて何ひとつないのさ。
いろんな偏見にこり固まった人間たちにはどう見えようとね。
ぼくたち人間のほうが、はるかに愚劣なことが多い。
-ドストエフスキーカラマーゾフの兄弟亀山郁夫訳-