紙つぶて 細く永く

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官僚

公務員の中でも、特別公務員たる国会議員は選挙で選ばれる。
そしていわゆる官僚は一般職であり、採用選考によって任命される。

昨年来、政権が官僚を使い切れていないという意見が喧しい。
「政治主導の意味を取り違えて、官僚を排除しようとした。閣僚に政治主導の能力もなかった」
「サポートする有能で信頼できる自前のスタッフもいない」
「政府にとって官僚は企業の社員に当たる。どんなダメ企業の経営者でも、社員を敵視しない」

はたして、国会議員たる閣僚は企業経営者とイコールだろうか?
選挙で選ばれ、政権の運営を任されているのであるから、閣僚が気に入らないといって
官僚がソッポを向いていいわけが無い。
国会議員には企業でいう株主と同様の一面もある。
企業やその企業経営者に向かって物言う立場である。
株主の総意が決まれば、それに従うしかない。

たとえば東京電力株主総会で「脱原発」提案が可決した場合を考えればいい。
企業としては、原発無しでは安定的電力供給が立ち行かないと考えても、株主総会での議決が優先する。
太陽発電や風力発電にも取り組む、スマートグリッドや効率的な発電所運用を考える。
脱原発としての営業をするわけである。
当然その脱原発としての面での営業努力が足りなくて、営業不振におちいれば
糾弾されるのは企業経営者である株主ではない。株主としては所有する株価が下がる被害を蒙るのである。

いまの官僚に現政権に対し、距離を置く姿勢が強いとすれば、結果としての「失政」にたいする非難は
政権・閣僚・官僚ともに及ぶことを自覚しなければならない。
「失政」の結果政権が変わることもあるだろう、そのときには新しい閣僚がくるのである。
「選良」たる上司を常にサポートし全力を尽くす、これが職務である。
ましてやこの火急時に、分けて様子見をする事など許されるわけがない。
(批判は心の中に留めておく)

また、公務員は等しくわれわれ国民の負担する税金から給与が支給されていることも忘れてはならない。