紙つぶて 細く永く

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分かりやすい文章

「このところ籠もりきりだと知っている編集者の旧友が、写真撮影を口実に都心へ呼び出し、
それが終わると、赤坂のパリ式カフェに連れて行ってくれました。
気後れしている老人に、国籍不明なほど若々しい身なりの老人が歩み寄って、力強く、
ー裁判、おめでとう!
 私は跳び立つとサングラスにジャンパーの相手の肩口を摑みました。」

この文章には何人の登場人物が出てくるでしょうか?
最大の登場人物としては下記の6人が考えられます。
先ず「このところ籠もりきり」のAさん
その「旧友の編集者」Bさん
「気後れしている老人」Cさん
「若々しい身なりの老人」Dさん
「私」Eさん
「サングラスにジャンパーの相手」Fさん

次に考えられるのは
「このところ籠もりきり」のAさんと「私」Eさんは同一人物A'さん
「旧友の編集者」Bさんと「サングラスにジャンパーの相手」Fさんが同一人物B'さん
とすると、4人です。

さらに違う形を考えてみると
「このところ籠もりきり」のAさんと「私」は同一人物らしいので
その「旧友の編集者」Bさん
「若々しい身なりの老人」Dさんと「サングラスにジャンパーの相手」Fさんが同一人物D'さん
そうです、「気後れしている老人」Cさんも「このところ籠もりきり」のAさんも「私」も
同一人物なのです。

以下のように書き直すと分かりやすいのでは

「このところ籠もりきりだと知っている編集者の旧友が、写真撮影を口実に(私を)都心へ呼び出し、
それが終わると、赤坂のパリ式カフェに連れて行ってくれました。
気後れしている私に、国籍不明なほど若々しい身なりの老人が歩み寄って、力強く、
ー裁判、おめでとう!
 私は跳び立つとサングラスにジャンパーの相手の肩口を摑みました。」

ノーベル文学賞受賞者の文章を手直しするなんて・・・)