紙つぶて 細く永く

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市バスにて2

紅葉狩にたくさんの人が京都につめかけている。
休日になれば行楽コースの市バスもほとんどが満員である。
ある土曜日の超満員バス。関西弁のおばちゃん数人のグループの、例によって大きな声
「○○さん、ここ空いたで、ここここ」
    (といって空いた隣の席に鞄を置き離れたところにいる同行者の場所を確保)
    (ほっとした様子で、5人くらいの大きな声の会話が続く)
「たくさんのってはるね」
「ほんまにね」
「やっぱりこの辺は大学が多いし、同志社の学生ちゃうか」
    (今日は休日で、学生らしき若い人はほとんど乗っていなかった
     本日満員なのはあなたたち行楽客です)
「家には、カレー作ってきたし。今日の晩と、なんやったらあしたもカレーや」
「そやそや、うちとこはおでんや。」
「そや、カレーかおでんやね。毎日でもええわ。食べられる」
「ここここ、ここが御所やで。ここ越えていけば丸太町へすぐいけるけどなー」
「そやけど歩くのしんどいし、乗っていこ。ディナーは予約してるのやろ?」
「うん、永観堂で降りたら電話するわ」
    (亭主は堪らんやろね)
    (ここで、突然赤ちゃんの鳴き声がする。じょじょに大きくなる)
「それでも、赤ちゃんなんで泣いてるのやろ。かわいそうに」
「そやそや、かわいそうに」
    (しばらく泣き止まない。だんだん激しく泣くようになる)
「そやけど、泣くのもしんどいやろけど、聞かされてるのも疲れるえー」
「うん、しんどいね」
「そやけど、お母さんも大変や」
「そやね。おちちやりゃええのになー」
    (立派なセクハラです。それならあなたはこの状況の中で胸を出せますか?)
「なにもこんな時間に乗らんでもええのになー」
「途中タクシーに乗り換えるとか、考えりゃええのに」
    (あなたが乗り換えたら)